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というわけで、鑑賞自体は昨年末に終わっていたものの、
放映スケジュールの都合で記事公開は一月末となりました。
全32集の梁羽生原作改編・張紀中プロデューサーの武侠ドラマ「大唐游侠伝」でした。

武侠ドラマとしての基本を押さえて、
「スターウォーズ」を連想させるようなオーソドックスな安定したストーリー運び、
もうすっかり手馴れた趣きの画面を存分に使ってみせる燃える殺陣アクション、
「安史の乱」という唐代中期のビッグイベントを絡めた歴史ドラマ展開…と、
この辺は、個人的な好き嫌いは置いておくとして、さすがの張紀中といったところでしょうか。

とはいえ、これらの長所というか、褒めポイントは
実はそっくりそのまま、ドラマとしての短所にも当てはまってしまっていたわけですが…
鑑賞前に前評判は聞いていたので、そのぶんちょっと期待値が高かったかも知れません。

基本的には楽しいストレートな武侠ドラマですし、全32集という尺もお手ごろではあります。
なんだか作品としての形を成していないようなものも少なくないこの世界の中では
これはまだちゃんとまっとうなドラマでありました。
鑑賞予定作品に空きが出たら、迷わず行ってしまって良いのではないかと思われます。


ネタバレ抜き範囲はこれくらいにしておきまして、
以下、いつものように最終話までのネタバレ100%で行きます。
今回も原作にどの程度準拠しているかはわかりませんので、
ここで私が述べている感想はドラマに関して、ということで。



・ストーリー ~☆☆☆★
良くも悪くもオーソドックス…というか。
オーソドックスならオーソドックスなりの作り方もあると思うのですが、
このドラマはちょっとその辺、だいぶベタな進み方・見せ方だったなぁという印象です。
そうなるんだろうなぁと思っていると本当にその通りに進んで、
悪く言うと「意外性がない」んですね。
ベタならベタで良いんですけど、その割に主人公・鉄摩勒のキャラクターが
いまひとつ安定しないというところもあり、
その場面で、どこに感情移入すればいいのか?というのが
ちょっとわかりづらいことも多々ありました。
本当なら、ベタ展開では主人公と一緒に「うおーっ!」と燃えたいんですけど、
何考えてるんだかよくわからくなったりしているので、それができない。
あとちゃんと期待通りのことをしてくれなかったりもする。

それから、
安史の乱という史実イベントがそれほど大きいものではない
(いや、大きいといえば大きいんですけど、基本的には内乱ですよね。)
ということもあって、
結局終わってみれば、話がそれほど大きく広がることも無く、
やや小さくまとまってしまっていた感も無きにしも非ず。
物語が始まる頃に感じたわくわく感を振り返ってみると、
「あれ? こんなもんだっけ?」という感じです。
しかもあんま主人公たちが状況を動かしているという実感も薄いし。

あと、これまでにも何度か各話感想で書いてきましたけど、
史実イベントが発動すると登場人物が「イベント自動進行モード」になっちゃうところですね。
「まず史実ありき」で話を作っちゃってて、
架空の登場人物たちがそこにぜんぜん主体的に絡めていない。
本当なら彼らなりの考えで、それぞれのイベントに対して
どのように考え、リアクションするのかというのを見たかったわけなのですが…
これは史実イベントや、史実に絡めて話を作ることが悪いということではなく、
単純に脚本の力不足ですね。

歴史ドラマとして作りたいのか、
それとも武侠ドラマとして作りたいのか。
非常に中途半端でどっちつかずになってしまった印象です。

+++++++++++++

なんかダメ出しばかりをしてしまいましたが、
それではドラマとしてつまらなかったかというと、決してそんなこともないんですよね。
ちゃんと燃えるところはありましたし、
うお、すげえと個々の場面で歓声をあげることもありました。
わざと作ってるんだか天然なんだか、微笑ましい突っ込みどころにも事欠きませんでしたしね。

決して32集が短いとは思わないんですけど、
40集クラスなら、無駄を含みつつも
もうちょっと最後の打ち上げ花火が大きくできたんじゃないかなぁという気はします。
上に書いたことと重複しますが、
お弁当のサンプル画像はすごい豪華でおいしそうなんだけど、
いざ手元のフタを開けてみたら「あれ、こんなもの?」みたいな。
そんな感じもしました。



・音楽 ~☆☆☆
これについては何とも…
やっぱり普通、ですかね。
毎度使う言い回しですが、音楽の力で感情が揺さぶられるほどのものはなかった。
全体的にスターウォーズっぽい劇伴曲が多かったですが
それもまあ内容を考えればアリといえばアリか(笑)

あと「鹿鼎記」から音楽使いまわしが結構あるみたいで、
(というか、実際このドラマで使われている音楽のうち
どの程度が使いまわしなのかということは私にはわからないのですが、)
やっぱりこういうところは、どうしたって好感度が下がる要因です。
何度かコメント等で書きましたが、
もはや張紀中にとっては、ドラマづくりにおいて
「音楽」というファクターのプライオリティが低いんでしょうね。
「笑傲江湖」とか「射雕」はほんとうに良かったんですが…
(あの辺で音楽に金かけた割にドラマのウケが悪かったから
その後金かけなくなったのか?というのは私の邪推ですが…)

OPは歌なしの曲のみという体裁であり、まあ普通というか、
平均点はクリアした出来でした。
これから始まるドラマに対する期待感はちゃんと高まります。

EDはあんまり個人的な好みとしては、それほどではありませんでしたが…
ネタバレ画像も多かったけど、中にはフェイント・引っ掛けみたいなのもあったので
これも良し悪しか。




・アクション ~☆☆☆☆
これは、冒頭にも書きましたがさすがですね。
ストップ&ゴーの使い方とか、構図とかカメラワークとか。
一つ前に観た「楚留香傅奇」の殺陣構成の凡庸っぷりが記憶に新しかっただけに
クオリティギャップに感激しました。

キャラクターごとに違う得物でドカバキというのも楽しい要素ですね。
殺陣とか動きでキャラクター付けを出来るというのは、やっぱ強いと思う。
話の本筋的に、あんま武功がどうこうというものでも途中からなくなっていったのは、
ちょっと物足りない感じもなきにしもあらずではありますが…

あとこれは個人的な好みですけど、
(で、途中の感想にも書きましたけど)
そろそろヒロインが途中から戦力外通告状態にならないような活躍を
アクション面でもちゃんとやってくれるドラマがあっても良いんじゃないかと思う。



・キャラクター
☆☆☆★
悪くは無いんですけど、やっぱり満点はちょっとあげられないですね。
いつになったら弾けてくれるのかと期待していたら、
気付いたらドラマが終わってしまっていた。
終盤、イベントを消化し終わったらすっかり背景状態になっちゃってた夏姑娘とか、
「その他大勢の中の一人」に近い状態だった空空児とか。

魅力的なところはすごく良いんですよね。
メインキャラクターから行くなら
飄々とした空空児、凛とした気の強い夏姑娘、
不器用一直線の男・摩勒、意地っ張りで健気なヒロイン・王燕羽。
でもなんかやっぱり終わってみると、弾け方が足りなかったです。
(いまメインキャラ四名を一言で表してみたけど、
この文句を考えるのにちょっと頭をしぼらないといけなかったということに
全てが表れているような気がする。)

というか、ぶっちゃけこの最終回の最後の場面だと
むしろ「俺たちの戦いはこれからだ!」な感じですよね(笑)
まだおはなしの途中な気がする。
父との確執とかいろいろその辺が、流れで行っちゃった感があるもんな~。

ストーリーがベタなので
逆に、下手をするとキャラクターが駒にしか見えなくなっちゃうようなこともあり、
それもときどきヒヤヒヤしておりました。
例えば、すぐ上に書いたけど終盤の空空児とかね。

段圭璋なんかも、最初はすごい売り文句で出てきた割には
どうも、これもやっぱり弾け方が足りなかったよなぁ。
中盤で別行動が長かったってのもあるんだけど。
この辺はやっぱりどうしても、32集という尺の短さが響いてきちゃってるのか。
とりあえず卓の上に並べてはみたものの
存在意義がほとんどなかった韓伯伯とかももったいないと思う。

哥舒翰将軍といったよーな
史実キャラは魅力的なんだけど
(なぜか、こういう「本題ではないはず」の武侠ドラマに限って、
魅力的に見えたりするものなんだよな(笑))、
せっかくの史実キャラをそんな風にしか使わないのは
もったいないと思えることもありました。
もっと思い切ってIF展開やっちゃってもいいのにね。
(まあ「実は歴史の裏はこうでした」というのが
史実絡みネタのミソでもあるのかも知れないけど。)


他、思い出したらまた追加するかもしれないし、しないかも知れません。
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