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というわけで、終盤は嵐のような勢いで鑑賞終了しました。
古装ドラマ「康熙王朝」でした。
いや~、これは面白かった!(やった、ひさびさにこれ言えた。)

全50集という壮大な尺でしたが、
大イベントと大まかな年代によって50集は章仕立てで区切られており、
それぞれ舞台、状況設定、キーキャラクター、雰囲気を一新して進められるストーリーは
マンネリ・退屈とは無縁。
それでいて、全体を通して流れるテーマは一貫しています。見事でした。
前評判の高さも納得だ。

もちろん古装ドラマとしての空気感も素晴らしいです。
これぞコスチューム・プレイの醍醐味。
プロットや衣装設計の良さもありますが、
舞台の上の人たちが良かったというのも大きいですね。
やっぱ画面の中のオッサン&爺率が高いとそれだけで楽しい(結局それかよ)。

という具合で、ネタバレ抜きではこんなところでしょうか。
古装好きならまず押さえておいて間違いないですね。
言いたいことは何もなく、手放しで…というと、
必ずしもそういうわけでもないのですが、
50集という長大な尺による物量、
そしてそれを見事に描ききった力量に敬意を表して、☆5つで良いですかね。



以下、最終話までのネタバレ込みで↓
(出発前のややあわただしい時に書いたので
あとでまた思い出したら追記があるかも知れません。)



・ストーリー
☆☆☆☆
この物語って、つまり「皇帝」を描いた物語だったんだな。
最初から最後まで、それはきちんと一貫していた。
そりゃ「康熙王朝」というタイトルで、康熙帝を主人公にしてるんだから
当たり前といえば当たり前なのかも知れないけど、
そうではなく、テーマとして、だ。

軸に一本、康熙帝という芯を通しておいて、
それをしつつ、周りの人物を群像劇的に描いていく。
で、それをきっちりとやりながらも、彼らと決して同化はすることのない、
上に立つ異質な存在としての皇帝の姿を描いていたんだな。
観ているほうとしては、ともすれば「群像」のほうと一緒になって、
うおー、やるぜ!となることが多い古装ものなんだけど、
このドラマでは、皇帝は、徹底して一歩外れたところを歩いていました。

「決して同化はしない」というこの姿、
台湾編なんか、すごくわかりやすいですよね。
「よし、姚啓聖、朕は全てお前に任せたので口出しはしないぞ。
全てお前の好きなようにやれ。誰にも邪魔はさせない」とはならない。
家臣レベルと同化していると、こうなるのが普通なんですよね。
古装ものではこれまでもよく観てきた様子ですし。
が、これでは違いました。
他の大臣から突っつかれれば平気で現場の判断を聞かずに
自分で選んでぽいぽいと変えてしまうし、
また気まぐれみたいに元に戻したりもする。

以前「歴史SLG(シミュレーションゲーム)みたいだ」と書いたんですけど、
この超越っぷり、家臣と同化はせずに、あくまで上に君臨してるっぷりって
まさにプレイヤー(超越者)と駒の関係にかなり近い気がする。
もちろん、皇帝自身はモニターの外の存在なんかではなく
同じ世界を生きている人間なわけですから、
そこに孤独と苦悩があるわけですが。

これがさらに最後の後継者編では
主人公のはずの皇上側ではなくて、「凡人」側の容妃の視点から物語を描いて、
「この人何考えてるの?! 理解できないよ!!」
という感覚を、
まさに我々が体感させられたわけですね。
これこそが皇上、これこそが皇帝の孤独、ということだったわけです。
まあ本編感想にも書きましたが、
ネチネチドロドロっぷりが少々度を越していた&ネタバラシにやや唐突感が、
というのも引っかからないではなかったのですが(^^;

+++++++++++

全体としては、結構のんびりと尺を使っていましたね。
「大目的は提示されてるんだけど、なかなか足踏みしてそこにたどりつかない」感じ。
最初の頃、「これがあの『大敦煌』を撮ったのと同じ監督なのか?!」と驚きましたが、
観ているうちに、結構納得してしまいました。
こののんびり感、だいぶ悪く言うと間延び感は、同じ監督です。

とはいえ、あちらは縦糸が弱い&人物の魅力が乏しい
それに対してこの康熙王朝は、まさにその逆だったわけで。
何度か書きましたが、舞台の上の人物が魅力的なので
「観ているだけで楽しい」状態に入れる。
そうなるといくらじっくりゆったり尺を使っても、全く問題はないと感じられるわけですね。
たぶん本筋だけをもうちょっと無駄なく進めれば35集かそれくらいに
シェープアップは出来そうな感じがしますが、
贅肉の部分もたっぷり楽しんでこそのドラマ「康熙王朝」だったと言えるだろうし、
そうこちらが言わざるを得ないというのは、素直に佩服であります。

あとは時々、粗っぽいところが散見されたというくらいかな。
それぞれのキャラクターの行く末というのはやっぱり気になるところだから
途中で何人かフェードアウト気味になったのは
(ストーリーを進める上での必然性はないとはいえ)残念に思うところだし、
「さすがにそれはドラマドラマしすぎでは?(^^;」と感じられるような話運びもあった。
あと真面目に振り返って考え直すとどこかで時系列がおかしかったりとかね。
まあこの辺は、些細なところといえば、そうなんですが。



・音楽
☆☆☆☆★
OP/EDは素晴らしい。
これまでにもいろいろドラマを観てきましたが、
その中でもトップクラスの出来だと思います。
「向天再借五百年」も「大男人」も、50集の間、一度も飛ばさずに全部鑑賞しました。
映像にネタバレの心配がそんなになかったというのも良かった。
(最終話からだいぶたくさん引っ張られていたのには、
いつものことながら、笑いましたが。)

劇伴曲も良かった。
「チャンチャンチャンチャン チャンチャンチャンチャン チャンチャンチャンチャン
チャンチャンチャン ジャーン!」
というドラマチックな場面でかかる曲も盛り上がるし、
「ドゥードゥドゥドゥドゥドゥ ドゥルー (ポクポクポクポク ポクポクポクポク)」という
メランコリックな場面で流れる曲も良かった。
ここ一番で流れるコーラス入りの曲も感情をぞくぞくと揺さぶられたし。
これぞ康熙皇帝、これぞ大清帝国!という劇伴曲でした。

なんか皇上の不興を買うようなことをやって、
ポクポクポクポクポクポク…
って木魚が鳴るSEとかが、ときどきわざとらしくて鼻につくようなこともあったけど、
その辺は、まあ、ある程度の年代ものということで。



・アクション
☆☆☆★
これも打打殺殺のドラマではないので、不要な項目かも知れませんが…
(なぜこの項目があるのかというと、もともと武侠ドラマの感想だったからなのだ。)

でも、要所要所で入るアクションは良かった。
火薬がドッカンドッカン、大砲がドコドコ、馬がズガズガ。
きちんと「力の入れどころ」を心得て、場面を挿入しているよね。
あとなぜかとつぜん武侠モノのノリになってバトルを始めたりしたのも爆笑した。
良い意味で「無自覚に、真面目にバカやってる」というか(笑)



・キャラクター
☆☆☆☆☆
やっぱりここがキモで、この力で50集持たせていたというところも少なくないと思います。

主人公であり、狂言回しでもある皇上こと康熙皇帝。
もうなんというか、とにかくこれぞ「皇帝」。
何を考えてるか、よくわかりません。
でも結構内面では苦悩して、傷ついて、で、それでも大清帝国のために身を削っちゃって。
冷酷残忍で容赦がないかと思えば、
驚くほど懐が深くて温かく人を包み込んだり。
それらがぜんぶ矛盾なく、一人の人間の中に同時に存在していて、
皇上という人物を形作っていた。
これをきっちりと描いていたのは見事ですし、
何よりそれをここまで表現してみせた中の人・陳道明には、もう佩服佩服(-入-)です。

そして群像劇として、皇上の道に行き交う人々も、いちいち良い。

最初の敵だった鰲拜も単なる邪魔な悪役ではなく、多面性を持った哀れな人物であったし、
索尼のおじじの見事なタヌキ爺っぷりは今もなお記憶に鮮明だ。
時の流れに敗れた呉三桂の悲哀、
結局時代に対して何も出来なかった朱三太子ですら一抹の物悲しさを感じさせたし、
最初は邪魔者だったのに、びっくりするくらい純粋でつぶらな瞳がどんどん印象に残った葛爾丹、
鉄丐、周培公、図海、王輔臣、索額図、明珠、たのしい福建トリオ(笑)、etc、etc…
枚挙にいとまがないとは、ほんとにこのことです。
もうなんつーか、各話の感想記事で名前を書いた人は、
全員が全員、ひっくるめていとおしいと感じられますね。

もちろん真・主人公である、大清帝国のリーサル・ウェポン老祖宗、
我らが太皇太后孝荘。この人は別格です。
同じようなタイプの女傑として「楊家将」の蕭銀宗あたりがぽっと浮かびますけど、
このお方はそれをはるかに凌駕していた気がする。
決して話の上では必要以上に前に出ていなかったくせに、
要所要所でこの圧倒的な存在感(笑)
明末~清成立の激動の時代を、女の身で生き抜いてきたという確かなバックグラウンドが
立ち居振る舞い、考え方、言動に、説得力のあるものとして感じられました。
これも中の人・スーチンガオワさんに佩服(-入-)だ。

あとキャラクターについては、
「その時、舞台の上に必要以上に大勢を配さない」というのも
だいぶ演出の上で、効果が大きかった気がする。
各章ごとで、舞台の上でいろいろ動いてるキャラクターって、意外なほど少ないんですよね。
この辺も話が散漫になりすぎずに、掘り下げに成功していた一因ではないだろうか。

 
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