還珠格格 まとめ

というわけで、嵐のような勢いで鑑賞終了しました。
古装ドラマ「還珠格格(邦題「還珠姫」)」でした。
いや〜、これは面白かった。
全24話というコンパクトな尺もありましたが、
一話も退屈することなく一気に観てしまいました。
事前に評判は聞いていたのですが、
期待に十二分に応えてくれる面白さでした!

同名の少女小説を原作にしたこのドラマ、
なんというかこう、ジャケットやタイトルなんかを見ると
いかにも「スイーツ(笑)」系の雰囲気が漂っています。
(日本語版の「プリンセスのつくりかた」とかいうサブタイトルもそれに拍車をかけてる気が。)
その辺で二の足を踏んでいたというか、いまいちモチベーションが出なかったというのも
これまで手をつけていなかった理由の一つとしてあったのですが、
いざ観始めてみたら、これがなかなかどうして。
そんじょそこらの下手な武侠ドラマなんぞよりもずっと義侠心あふれる内容であり、
ハラハラドキドキ、そしてなによりニヤニヤが半端なくヤバイです。
人も軽功でクルクル飛びまわるし、ドカバキもあるし、
主人公の小燕子は女ながらも、もともと江湖の侠客に近い存在なので男気に溢れてるし。

古装ドラマということで、舞台は清・乾隆帝の時代となるわけですが、これもまた良い。
大雑把なように見えて細かいところまで実に配慮の行き届いたつくりです。
これは明らかにこれまで観てきたドラマよりも気を配ってあると思う。
実際の史実やその辺のディティールはともかく(なにぶん知識がないので)、
「リアル」にその時代の空気を体感できる
これぞ古装の醍醐味ですね。

キャラクターもヒロイン(主人公)二人はそれぞれに違った魅力を持ち
しかもその魅力が観ててばっちり伝わる。
キーキャラクターである乾隆帝も、なんつーか、このお方がヤバイです。
娘に無茶苦茶甘い親馬鹿パパ。
武侠ドラマなんかでもおなじみのよくある構図ですが、
これを存分に味わいつくすことができます
ついこの間観た「雪山飛狐」でも乾隆帝出てましたが、
このドラマを観て、なんかもう180度を通り越して540度くらいイメージが変わってしまった(笑)
皇上万歳万歳万々歳です。
中の人パワーは全体的に素晴らしかった。

ストーリーについても、もともと全24話でまとまっている上に
最初から最後まで、きちんと構成を考えて作られています。
山あり谷ありで緩急つけつつ、カタルシスもきっちりと。
個々のイベントや伏線の先へのつなげ方に
ほほーと感心することもしょっちゅうです。
テンポ良く進むストーリーに首っ丈
無理、無茶な展開や伏線無視、ダラダラどうでもいい無駄なことに尺を消費とか、
話の都合でキャラクターがおかしな行動を取ったりとか、そんなものは皆無でした。
原作付きって本来、当然こういう風に作れるのが強みのはずなんだよな〜(^^;
これが原作付きの正しいありかたというか(^^;


てなわけで、かなり手放しで褒めてますが、それくらい楽しかった!
欠点を補って余りある、ひさしぶりの☆五つですね。
他の何よりもまず「親馬鹿パパ萌え」の人は、問答無用で観るべきかと。


以下、最終話までのネタバレ100%込みで↓


・ストーリー 〜☆☆☆☆
ネタバレ抜きの部分に書いたこととかぶりますが、
とにかく最初から最後まで破綻なく、しっかりと構成されたストーリー運びが秀逸でした。
各話感想でも書いた気がしますが、このドラマを見ると
ほんと、お約束って伊達にお約束と呼ばれてるわけじゃないんだなーと実感できます。
予想に応えて期待に応える。素晴らしいことです。
変に奇をてらったりせずに素直に進めて、
それを演出力&中の人パワーで魅せる。これぞ王道という感じです。
もちろんまるっきり先が読めるというものでもなく、
次々と小燕子という型破りなキャラクターが巻き起こしていく事件や
怒涛の勢いで転がっていく状況に、その都度楽しませていただきました。

何よりも素晴らしいと思えるのが、
基本的に無駄なことなど何一つなかった、ということです。
皇阿瑪とまったり過ごしただけの時間。みんなでほとんど談笑していただけの時間。
そういう経験値が、きちんとひとつひとつ、積み重ねられていって、
それが大結局におけるめでたしめでたしへと直結している。
このストーリー仕立ては、見事と言うほかはありません。

マイナスポイントがなかったというわけではなく、
王道ということで、良くも悪くも、予想を大きく外れることはなかった、というのはあります。
お約束ってのは、悪く言えば結果がわかってる出来レースなわけですしね。
予想の斜め上を行くような突飛な展開というのは、そうそうしょっちゅうはなかった。
しかし、それを補って余りあるもの…
つまり二十四集かけて丹念に作品世界を描いてきて、すっかりそれに愛着を持ててしまった。
こうなったらもう向こうの勝ちですね。

あと「引き」で思わせぶりなことをやっておいて(主にアルカンの暴走とか(笑))
次が始まったら割とあっさり収束、みたいなこともありましたが、
まあこれもご愛嬌、だな(笑)


台詞回しもウィットがあって良かったし、
日本語字幕も、難しいジョークやらなにやらを
うまいこと咀嚼して消化できていたんじゃないかと思う。
「二人称問題」については、相変わらず目についたが…
(とりあえず「五阿哥」をいつまでも「ヨンチー様」ってのは何か違う気が…)
ともかく要所要所で、古装ドラマとしてのリアルさを演出して
作品世界を丁寧に作っていたというのが、すごく印象に残りました。


-------------------------------

・音楽 〜☆☆☆★
OP/EDが良いのはいつものことです。
劇中にかかる曲もコメディや劇的な場面など、それぞれに演出効果を助けていました。
そして出色だったのは主に紫薇まわりで流れた挿入歌でしょうか。
あれは超ハイスペック才媛・紫薇を演出する要素として、実にうまく使われていた。

OPの曲は確かにいいんだけど、
ドラマチックな場面でそれに頼りすぎかな、というのはちょっと感じたかも知れない。

あとある程度は年代ものなので、SEとかがときどき古臭いとかね(^^;
まあこの辺はそのおかげで悲喜劇っぽくなってるので
結果オーライ的なところもある。

それにしても、OPは良かったんだが、
あいかわらずネタバレ映像はもうちょっと何とかして欲しいよな〜(^^;
拷問で鞭ビシバシの場面とかは
物語の核心部に近いネタバレだと推測できてしまうだけに、勘弁して欲しかった(^^;


-------------------------------

・アクション 〜☆☆☆★
打打殺殺のドラマではないので、この項目は正直要らん気もするが…
でもいちおう古装ものってことで、
軽功やらその他、普通の武功やらも出てきて、
バタバタ飛んだりクルクル回ったりと
思っていたよりもずっとエンターテインメントとして
アクションの見せ場があったのは意外だった。
それ単体で見ごたえがあるってものではなかったんだけど、
キャラクターの演出としてうまく相乗効果を挙げていたと思う。


-------------------------------

・キャラクター 〜☆☆☆☆☆
この項目については文句なしだな。
ソレがメインのドラマだったようなものだし。
どのキャラクターも丁寧に、じっくりしっかり描かれて
生き生きと動き回っていました。
基本、作りが粗くてもある程度は成立してしまう武侠ドラマではよく見かけることですが、
終盤に進むとストーリー展開の都合から
「ええ? それはアリなの?!」と言わずにはいられないよーな
不条理な(納得のできない)行動をキャラクターが取ったりとか。
いまさら言うまでもなく、このドラマではそんなことは全くありませんでした。

で、キャラクターが固定化しちゃってるというわけでもなく、
それぞれお互いに影響しあって、変わっていき、
その変化・成長がきちんと見て取れる。観ていてわかる。
当たり前のことですが、破綻なくそれを全てやっていたというのは
構成がしっかりしていたということが大きいんだろうな。
あと話が大きく広がらなかった(悪い意味ではなく)ということもあって、
薄っぺらく引き伸ばされることもなかったというのもある。

基本、ほんわかドラマなので、
主だったキャラクターの中で人死がなかったというのも
やはり鑑賞後の後味の良さに繋がっているよね。
ストーリー作りの上で人死を出すというのが必要なことというのはわかるのですが、
これは個人的な好みの問題ですが、
やっぱ人死は少なければ少ないに越したことはないと思うんですよ。
善人が死んだらそれだけでもう、いくらめでたしめでたしで終わっても
ある程度は後味が悪くなってしまうし、
悪役だって、改心したならそれで良いし、
たとえその時改心しなくても、生きていれば改心することだってできるんだし。
私はそんな甘っちょろい性善説の持ち主なので(^^;
このドラマの世界は実に居心地が良かったと言えます。

 
中国ドラマ / 還珠格格 | トラックバック(0) | コメント(11) | page top↑
<<還珠格格 人物雑感 | ホーム | 還珠格格24(完)>>
コメント
やっぱり傑作ですよね
今年の正月を挟んで一気視したんですが、楽しかったですよ。
>無駄なことなど何一つなかった
将に「Simple is Best」でした。 万人向けにバランスが取れてるって感じですね。 視聴率上がりますよね。
>台詞回しもウィットがあって
 原語の科白を聞き取れ、対句みたいなウィットまでが解ると一段楽しいでしょうね。 「音」を聞いているだけでも、小燕子の「べらんめえ」と紫薇の「お嬢様言葉」みたいな対比が伝わってきました。

 厚化粧の皇后様の悪行三昧が、途中から「可哀想」になってきましたよ・・・そこまでするんか?! って(笑)
by: Mario * 2009/02/22 23:50 * URL [ 編集] | page top↑
なんか
呼ばれたような気がするのは、……気のせいですよね(^^;
by: うちゃ * 2009/02/23 00:26 * URL [ 編集] | page top↑
Re:
>Marioさん
>万人向けにバランスが取れてる
そうそう、すごく安定して観ていられるんですよね。
たまにワイヤーとかカメラが画面に映っちゃうのはご愛嬌として、
伏線を平気で放棄とか、強引な屁理屈で居直って話を進めるとか、
悪い武侠ドラマがやるような視聴者無視の突っ込みどころというのは絶対にやらない。
観る側のことを考えて、とても丁寧に作っていたという感じがします。

>科白
これは中文字幕でも観てみたいと思わせられる作品でしたね〜。
劇中に詩がよく出てきたってのもあるんですが、
やっぱ紫薇とか、普段のやりとりからして要所要所で韻を踏んでたりとか、詩の形を取ってたりとか。
受け手のアンテナが優れていればいるほど、さらに凄みがわかるんだろうなーという気がします。そしてそういう風に描けているというのは、すごいことだと思えます。

>皇后
表情変えずにこめかみに青筋をピクピク…みたいな感じで、
この人もナイスな悪役っぷりでしたね(笑)
ロンママもたいがいすごかったしなぁ…(^^;
良い「仕事」でした。


>うちゃさん
ごほごほ… いえ、もちろん、エサを撒いてみたつもりなんてないですよ@@
ただ、比較的最近DVDが出たので手が届きやすいよな〜とか、
二十四集しかないから鹿鼎記の傍らにでもさくっと観れて良いよな〜とか、
デレパパ萌えとしてはたまらなかったよな〜とか、
ふとそんなことを思っただけなんですが、他意はないです。ごほごほ。
by: Manbo * 2009/02/23 06:47 * URL [ 編集] | page top↑

このドラマは高視聴率を獲得した人気作で、さらに続編、続々編が作られたそうです。どうやら柳の下にドジョウはいたようですが(笑)、これらまでこちらには入ってこないでしょうか?
by: 静香山人 * 2009/02/24 23:27 * URL [ 編集] | page top↑
>静香山人さん
それはこの一作目が、今回のDVD化/再放送でどれだけ国内で改めてヒットするかによるのではないでしょうか。という気がします。つまり、可能性としてはだいぶ低そうです。
まあ、ざっとアウトラインを見た感じでは、なんか別に観なくても良いかなという気にはなりましたが…>第二部・第三部
by: Manbo * 2009/02/28 19:56 * URL [ 編集] | page top↑

乾隆帝に取材したものでは、他に「乾隆王朝」もあります。これも最近コニービデオさんから出ましたが、鑑賞予定はおありでしょうか。
by: 静香山人 * 2009/03/02 23:47 * URL [ 編集] | page top↑
>静香山人さん
そんなのいつの間に出てたんですね。正直、今の積み作品をほっぽってまで観るほどのモチベーションはないのでだいぶ後回しになりそうですが、そのうち観るかも知れません。
by: Manbo * 2009/03/03 16:12 * URL [ 編集] | page top↑
あはははは
見終わっちゃいました(^^;
途中からは感想も書かずにひたすら次の回に進んでしまい、気がついたらあっという間に。ただでさえ引きが強いというのに、あのエンディングは反則です(笑) あんなの見せられて次を見ずにいるのは無理じゃないですか(^^;

例によって呆けておりますので、各話個別の感想はまた明日にでも。
by: うちゃ * 2009/03/22 22:19 * URL [ 編集] | page top↑
>うちゃさん
うはは、さすがうちゃさん(笑)
でも終盤の怒涛の引きは確かにヤバイですね。
なんかなまじ全体が長くない(24集)ってのがわかってるぶんだけ
「このまま一気に行ってしまおう」となりやすいんだなぁ、ということが、
このドラマではよく実感できましたよね(^^;
ひとまずおつかれさまでした!
by: Manbo * 2009/03/23 01:34 * URL [ 編集] | page top↑

いやはや…面白かったです!
見始めたらすっかり、止まらなくなって
一気見してしまいました。
OP、EDでネタバレ注意とありましたので、
極力見ないようにして観賞したせいもあり、
話の筋はだいたい予想がついてましたが、
とても楽しめました!24話でちょうどよかったです。
この調子で40話とかだと、体力がもちません…(笑)
by: ふたば * 2009/09/24 23:22 * URL [ 編集] | page top↑
>ふたばさん
早かったですね〜(^^;
でも確かにそうなるのも、わかります(笑)
かなり引きが強かったですね、このドラマ。
第二部は確か48話くらいだったと思うんですが…(^^;
でもそのぶん薄めになっているという噂もあるので、
やっぱこれくらいの密度でこれくらいの尺がちょうど良いんでしょうね。
by: Manbo * 2009/09/27 00:09 * URL [ 編集] | page top↑

コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
http://khazad2.blog98.fc2.com/tb.php/768-131e0260
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| ホーム |

プロフィール

Manbo

Author:Manbo
主に武侠ドラマ/古装ドラマの感想ブログです。
---------------------------

「ツンデレ美少女」と「ツンデレ頑固親爺(髭あり)」では割と迷わずに後者を選ぶような人間です。頭を使うのはとても苦手なので思ったことをそのまま書き散らしているようなことが多いです。
古い記事でもコメントなどおきがるにいただけるととても喜びます

現在鑑賞中

→大唐游侠伝


→《放置中》海神
→《放置中》馬鳴風蕭蕭 (中文版)

カテゴリー

最近の記事

最近のコメント

雑記帳

最近のトラックバック

月別アーカイブ

ブログ内検索

リンク

RSSフィード