・ストーリー 〜☆☆☆
というわけでやってきましたネタバレモード。
まずストーリーについてですが…
非常に残念です。中盤あたりまでのペースをずっとキープしてくれれば、
もっと☆をたくさんあげたかったんですが。
各話感想の中でも書いてきましたが、
中盤、北宮望がラスボスとして君臨していたあたりまでは見事でした。
次から次へと伏線を出しては消化、そこからまた新たな伏線を出して、すぐに解放。
この繰り返しが実に小気味よく、そんなにさくさくと行っちゃって良いの?!という
良い意味でこっちが申し訳なるくらいでした。
で、これは怒涛の勢いで北宮望を退場させちゃった後もある程度は持続したんですが…
やはり終盤はどうにもダメでしたね。
ガジェットの大半を消費しちゃった後で
結局、おはなしを先へ引っ張るのが「楊牧の悪巧み」と
「各人の思いやり大会によるすれ違い」
この二本しかなくなっちゃったからなぁ。
(ただ、この状況になっても、先へ先へと鑑賞意欲を持続させてくれたという点では
話作りの上では評価できますが。)
もともと孟元超が主人公としてあまりきちんと描かれていないというのはあったんですが
(これは意図的なものだと思ってました。)、
そのことは、この終盤の停滞状況を
スコーンと抜けさせてくれるものが不足した原因ともなってしまっていた。
結果として感情移入度が大幅に下げられてしまい、
さらにその停滞状況が終わった際の解放のカタルシス不足にも繋がってしまいました。
というかむしろ、カタルシスでいうなら、最後の結末含めて、それを放棄してたしな。
まあ、好みの問題なのかも知れませんが、
やっぱエンターテインメントなら、最後はちゃんと一定のカタルシスをください、と。
あるいは物悲しいENDで終わるなら、
ソレ相応の積み重ね、積み上げ、説得力というものが必要不可欠であり、
それは断じて「勢い」でカバーできるものではない、ということか。
基本、勢い任せのプロットでしたからね。
話そのものが軽快に進んでいるうちは勢いだけでも十分に機能していたんですが。
それからもうひとつ、
やっぱキャラクターの心情がループしすぎです。
「相手のことが好き」
↓
「だけど相手のことを考えて、邪魔にならないよう身を引く」
↓
「でも心の中ではやっぱりずっと思い続けてる」
↓
「思い続けている相手のほうでも、同じような心境」
↓
「周りから促される」
はい、ここで終わっておけば、問題は何もないんですよ。
葛藤を経て、ひとまずのハッピーエンドにたどりつく、という。
ところが、このドラマではここから先、さらに
「周りから促される」
↓
「頑なに素直になるのを拒否」
一番多かったのはこのパターンでしょうかね。
で、
「頑なに素直になるのを拒否」
↓
「でも心の中ではやっぱりずっと思い続けてる」
↓
「思い続けている相手のほうでも、同じような心境」
↓
以下ループ
こうなってしまった。
これだけで延々とヒロインとその相手がくっつかないというのは、
あんたたいがいにしなさいと言いたくもなります。
結局、ほんとに最終盤になるまでこれは解決されなかった。
くっついたらくっついたなりに、そのまま話を進める手はあると思うんですが、
それをやらずに延々と続くというのは、カタルシスという面ではだいぶマイナスです。
というか、やはりそういう風に引っ張ったのは、
全体として尺が長すぎたというのがあるんでしょうね。
いろいろな伏線や人物関係の整理なんかを考えても、
全三十集くらいで都合が良かったんじゃないかと思う。
楊牧の病的な逆恨みなんて、明らかに最終回まで引っ張るようなネタじゃないしなぁ。
いや、まあ最終回まで引っ張ってもいいんだけど、
引っ張る期間が長すぎたというか。
たぶん「人の愚かさ」というのがテーマのひとつでもあったんだよな、というのは、感じる。
それは相手のことを愛していても、結果として行動が逆の効果を生み出してしまうこととか、
あるいは自分の気持ちに素直になれずに、そこから逃げたがために
幸せを掴み損ねてしまうようなところとか。
そう考えると、あるいは全て無駄ではない描写ではあったのかも知れないけど。
しかしやはり、四十集かけてずっと付き合ってきて、
作品世界に対して思い入れや感情移入というのも生まれてしまったわけだから、
やはりある程度の救いが欲しかったと感じるのは、自然な気持ちだろう。
特に、繰り返しになるが中盤までは手放しで「面白い!」と言える出来だっただけに、
最後まで観て、同じことを言えないというのは、残念だ。
・音楽 〜☆☆☆
悪くはないです。
いつも書いてますが、元気なOPも物悲しいEDも良かった。
EDをアレンジした劇伴曲も好きなパターンだし、
扶桑(日本)という異文化を感じさせてくれるわらべ歌の曲なんかも好きだったな。
まあ、音楽だけが単体で☆評価が高くなるということはあまりなく、
結局劇伴曲がいかに心に残るかというのは
ドラマそのものの内容に大きく依存するわけだしなぁ。
そういやEDの日本語字幕、なぜか最終巻の特典映像のEDには
広東語/普通語の2バージョンとも、それぞれついてました。
なんで各話にはつけなかったんだろ…
・アクション 〜☆☆☆
各話感想の中で書いたけど、結構楽しかった。
ただアクションの見せ場がいまひとつ少なかった…
いや、少なかったってことはないんだけど、
正直、もうひとつ食べ足りない印象はある。
もっとたくさん観たかった。
(まあ予算の関係もあるだろうけど…)
ちょっとアップが多くてわかりづらいようなところもあったが…
まあこのくらいの☆評価が妥当な感じかな、と。
・キャラクター 〜☆☆☆★
基本的に、よく描けていたと思う。
無垢で天真爛漫な無雙が、江湖の醜さに洗われて大人になっていくところとか、
孤独で自由気ままな飲んだくれの繆大哥が友や愛する人を得て
責任感を持って変わっていくところとか、
出色だったのはこの二人だが、他の人たちも丁寧に、変化が納得できるかたちで
しっかりと描写されておりました。
魅力という点でも問題なし。
とはいえ、やはり文句を言いたいところもあるわけで。
何度も書いたけど、
またその「勝手に相手のことを思いやって身を引く(ヒミツにする)」パターンですか?という。
三歩進んで二歩下がる、みたいな、そんなストーリーだよなあと感じることも多かった。
まあこれも、「ストーリー」の項に書いたように
人の愚かさってことでは、間違いじゃないのかも知れんが…
あとは終盤のキャラクターの扱いの杜撰さ、だよなぁ…
元超とか、もはや優柔不断を通り越して
「オメー、そこで何でやらねーんだよ?!」というのは
キャラクターへの好感度ダウンに繋がってしまっていた。
騰霄がなし崩し的に殺されたり、
無雙がアレで終わりだったり、
繆大哥にしてもだいぶ強引に殺したりと
最後の最後で風呂敷を火にくべた、みたいになってしまったのは
正直、裏切られた感が強い。
かえすがえすも、四十集は長すぎたということかなぁ…