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圖雅的婚事
☆☆☆☆
2006年 中国
原題:圖雅的婚事


内モンゴルの荒野を舞台に、過酷な生活の中、愛する家族のために
たくましく生きる美しきヒロインを描いた2007年ベルリン国際映画祭金熊賞グランプリ受賞作。
中国、内モンゴル北西部に広がる荒れ果てた草原に暮らす美しい人妻トゥヤー。
ある日、夫バータルはダイナマイトの事故に遭い下半身不随に。
幼い2人の子供を抱え、一家4人の生活をトゥヤーひとりで支えなければならなくなる。
過酷な労働はトゥヤーの身体を蝕み、見かねたバータルは自分と離婚して
新たな夫を見つけるようトゥヤーを説得する。
しかし、トゥヤーは離婚には同意したものの、再婚に際して、
障害を負ったバータルも一緒に受け入れてくれる人という条件を付けるのだった…。
(あらすじは転載)
-----------------


いまさら知ったのかよ、という感じですが、
転載あらすじを見てはじめて金熊賞取ってたことを知りました。
まあしかし納得だな、これは…

前回のとこにもちょっと書きましたが、
公開されてた頃からずっと観たいと思っていた映画です。
てなわけで、めでたくDVDが出たので観ました。
いや~、これは良い映画でした。
ネタバレ抜きで書ける内容というとあんまりないんですが、
とりあえず主人公トゥヤーを演じる余男(ユー・ナン)、
彼女は実に良かったですね。

やはりこれまた前回のところにも書きましたが、
単純娯楽ばかり観ていると脳が溶けるので
きちんとこういう映画も観なくてはダメだ。
馬頭琴の調べを背景に流れるエンドクレジットで
静かに余韻を噛み締めてしまったのでした。
これはオススメです。
いろいろ考えさせられる映画ですが、ぜひ観ましょう。

…しかし前回の「好大一対羊」もそうなんだが、
なんか冒頭で当局の「公映認可証」のロゴとファンファーレを見ると
なにやら複雑な気持ちになってしまうのは困ったものだ(^^;


以下まとまりのないネタバレ感想↓



・なによりも一番強く感じたのは、
言葉にするとチープな感じがしてしまうが、
生きていくことはつらいことだ、ということだ。
どうにもままならないダンナのバータルといい、
最終的に選択肢のなくなるトゥヤーといい、
それがもう観ていて痛いほど伝わってくる。

・誰が悪いというわけでもないし、自業自得などというわけでもない。
強いて言えば、社会的弱者を救済する仕組みを持たない
未成熟な社会そのものが悪い、と言えるだろうか。
つまりこの場合は中国(内モンゴルだよな、この話?)ということだが。

・ただ、障害を負って施設に入るといっても、
まあなんというか、だいぶわかりやすく描かれていたとは思うが、
ああいうのは、決して障害を負った場合だけに限らず
現代の日本に生きる我々にとっても、
お年寄りの扱いなんかについてはそうそう他人事というわけでもないわけで。
特に、頭が普通にしゃっきりしているのに
身体的な理由やら家庭の事情やらで施設に入れられたりしたら、
なんというか、こう本人からしたら屈辱だろうし、
たまったものではないだろう。
(そういうのを身近で感じる機会というのも、実際自分でもしょっちゅう経験しているし。)
そのあたりの問題提起という点では、これは普遍的なものといえますね。

・ほんと、トゥヤーが言っていた通り、先に死ねばそれだけ楽なのだ。
だからこそ、逆に生きていくことに意味があるかも知れない、と思えるわけで、
ずっとがんばってきたトゥヤーが、
最後にその厳しさというのをまさに目の前で一気に思い知らされて、涙を流す。
そこでエンドクレジット、という構成は
都合のいい夢物語で話を終わらせない、という点で
現実的であるし、厳しいものだと言える。
トゥヤーのこの先にしても、考えるだけで険しいものなわけだしね。

・そんなずきんとした痛みを抱えた中で、
こう、馬頭琴の音が実に優しく感じられるんだな。
作品の中でも言われていたけど、
それが故郷の音ということなのかも知れない。

++++++++++++++++++

・トゥヤー
トゥヤーの愛は、こう、母性なんだろうな、と思った。
そのあふれる母性が彼女を支えていたものであり、
そしてまた多くの男を惹きつけたものだったのではないかと。
劇中の彼女は凛として「格好良い」美しさがあったし、
それはスカーフをずっとして、いかにも野暮ったい格好をしているのに、
確かに感じられたものだった。

・バータル
公式サイトによるとこの人は、もともと普通の一般人だったらしい。
すごくモンゴルの人っぽい顔立ちで、納得だ。
足が動かんでも食っていけるような手に職が…
と、思ったけど、ふと考えたら、それは遊牧民としては無理なのか。
この辺もまた難しい問題だ。
あとやはり水だよな…
水がないというのが、物語の背景として頑として存在しているし、
それは現実にもそうなのだ。
(そういう問題提起もこの映画のねらいの一つなのだろうけど。)

・ザヤ
この年であそこまで馬を乗りこなすとは、
やはりさすがだなと感心した。

・ボロル
社長さんいい人だったんだが…
しかし男として、そのまんま相手の夫も一緒に迎え入れるというのは
現実として不可能だ、という気持ちもよくわかる。
やはりやるせないことばかりの現実だ。

・センゲー
ダメな男ほどかわいい…というトゥヤーのそれって
やっぱり母性愛に近い気が(^^;


・その他
トゥヤーの再婚候補の、家族四人でお見合いしてたあの坊や、
これが香港モノの映画だったら、間違いなく
「おかっぱ頭」「鼻くそほじり」「ホクロヒゲ」あたりの記号が付加されてただろうな(笑)

あとラクダのかわいさはガチだな@@
ラクダ欲しい。

 
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