食神

食神
☆☆☆★
1996年 香港
原題:食神


"食神"と異名を取る香港料理界の鉄人・周。
その栄光と挫折をドラマチックに描いた、周星馳監督・主演の料理アクション映画。
-----------

というわけで、シンチー繋がりで見ました。
なんというか、観る前はもうちょい普通の単純娯楽映画かと思っていたのですが…
いや、確かに娯楽といえば娯楽なのですが、「単純」娯楽とは違うかも(^^;
あえて言うならごった煮系イカレ娯楽映画?(^^;

シンチーは「ミスター味っ子」のファンで、この作品もオマージュを含むといった話を
前に聞いた気がしますので、
題材的にもそういうリアクション勝負系の料理対決ものなのかと思っていたのですが、
蓋を開けてみたら、なんかだいぶ毛色が違います。
もちろん期待通りのそういうものもあるんですが、
それ以上に、ごった煮的というか、「闇鍋」的という表現が一番近いかな。
中学生がノートに書くまんがのように無軌道に話が進んで行き
ネタとしてもかなり毒が含まれているように感じるのですが、
勢いがある。で、実際笑ってしまうんですね。
そんなこんなで、妙に腰の座りの悪さというのはあったのですが、
一時間半、きっちり笑って楽しませていただいたのでした。
「長江七號(ミラクル7号)」や「武状元蘇乞兒(キング・オブ・カンフー)」では
だいぶ毒気がマイルドだった気がするけど、
なるほど、これがシンチー味というものか。


以下ネタバレを含むまとまりのない感想↓



・「増長→転落→挫折→復活→勝利」というのはいつものパターンなので、
基本はそのテンプレ通りに行くのだろうという感じはあった。
で、実際その通りだったんだが、
なんだろうなー、この妙な感じ、ほんと言葉で表現するのが難しいんだが(^^;
とりあえず列挙してみるか。

・序盤〜中盤にかけての
食神・周というキャラクターの天才性ゆえのトリッキーさというか、
普通に話していたかと思ったら次の瞬間に理解不能な理由でブチ切れてるとか、
かと思えば脈絡なく普通に戻ってたりとか、
この急激なアップダウンについていけなくてくらくらする。

・にっくき相手と再会して、火がつくのかな…と思いきや
何故か表向きは妙にフレンドリーでアハハと笑いあうところとかも
なんか毒っぽいんだよな〜(^^;

・ライブカメラの前でハメられて、突然どん底に叩き落される際の絶望感は良かった。

・一番冒頭で屋台の麺に文句をつけて、
その時点では観ているこっちは普通に食神=すごい料理人、と認識しているので
この駄目出しもその通りなんだろうなーと思うわけなんだが、
そこで絶頂の場面のシーンが挟まって、
突き落とされるシーンで「あれ? この駄目出しって?」となって、
そこから改めて冒頭のシーンに戻ると
実は周が一番言いたかったのは「治療代くれ」の部分だった…
というのがわかってしまう、という構成はニクイね。

・姐さんが実は食神のファンで、あの女子高生だったのだ…という辺りから
どんどんおかしくなっていった(笑)
実写でまんがちっくに話を進める感じというか。
その辺までは、まだかろうじて現実の話っぽいところが残ってたんだが、
あの辺からおかしくなったな。

・横にスライド移動する怪しすぎる少林寺の大師ワロタ。
阿弥陀仏…(-人-)

・最後の料理対決も、料理対決がメインなのかと思ったら
途中から審査員のオバチャンがリミッター解除しておかしくなった(笑)
画面の前で突っ込みっぱなし状態に…(^^;

・しかも料理対決がメインのはずが、
いきなりバトル始めるし、蝦蟇功だし、しまいにはパイプ椅子でボコボコ、場外乱闘状態…
おまえら料理しろよ!!(^^;

・期待通りにムチャクチャ安っぽい特殊効果でリアクションするオバチャンにも爆笑。
音声ステレオで三回連続とか、こういう単純なギャグには逆に弱いんだよな〜(笑)

・で、最後にまさかのデウス・エクス・マキナ(^^;
「やりすぎ」もここまで行くと逆に清々しいというか、
むしろここまで行かない方が嘘、という気になるね(笑)

・しかしブスな女に惚れられてウゲーとギャグで逃げるんだけど、
最後は整形してきれいになった女と結ばれてハッピーエンド…というのは
見覚えがあるパターンだ。

・でも結局それって、いろいろあって俗っぽい世界や価値観から解脱したはずの周が
やっぱりまだぜんぜん俗っぽい価値観を抜け出せてない(見た目が一番大事ってことなん?)
ということなのかという、一つの話としては画竜点睛を欠く的なところもあるんだが、
もはやそういうマジメな突っ込みをすること自体が、逆にお門違いなんです。みたいな。
そんな感じだな。

・というよりむしろ、これって
「結局、現実はこんなものなんだよ」という毒なのかも知れん。
そういうところからも底意地の悪さが感じられる…てのは考えすぎか?

・とりあえず明日の晩飯は豚肉と目玉焼き乗せごはんかな。

 
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コメント
持ってます!
>ブスな女に惚れられてウゲーとギャグで逃げる
シンチーは美人女優さんをとことんイジりますよね!
カレン・モクが包丁持って、顔を眇めながら歌う所が好きです。そこはかとない哀愁が又、ツボなんですw
あとは少林寺を抜けだそうとして3回くらいボコられて引きずり戻されるところとか、お団子食べて、あまりのうまさに脳内で海岸を走る所とか。

シンチー映画、友人に貸すと、大体「食神」が大笑い出来るので好評です。でも私は現代モノに限って言うと「喜劇王」の方が好きなんですよね…。これまた最後は変な展開になっていくのですが。
by: 阿吉 * 2008/12/07 22:55 * URL [ 編集] | page top↑
阿吉さん
挙げられてるところは全部笑いました(^^;
カレン・モクは、最後の整形した顔を観ても
今ひとつそこまで美人さんという感じはしなかったんですが…(^^;
でも改めて別に写真を観たら確かにきれいでした。
この人「ツインズ・エフェクト」の1のほうでも出てたんですね。
誰だろう。黄秋生と絡んでた不動産屋の姉ちゃん役か?

>喜劇王
「長江七號」のところでも仰られてましたね〜。
シンチー作品は「唐伯虎點秋香」が次の鑑賞予定に入ってるんですが、
その次は「喜劇王」を観てみようかな。
by: Manbo * 2008/12/08 01:08 * URL [ 編集] | page top↑
おおっ!
ついに食神見られましたか〜。
シンチー作品の中で一番好きな作品です(笑)
香港ギャグの毒気がキツめかもしれませんねw
でもこれに慣れると他のが薄味に感じてしまうのですよ…(笑)

シンチー作品って吉本新喜劇みたいにお約束ギャグが
入ってるので、見れば見るほどはまりますよ。
例えば女装の李健仁(リー・キンヤン)が鼻をほじりながらシンチーに迫るシーンは外せません!
>脳内で海岸を走る
脳内ネタもよくやってますw
>少林寺の大師
この人もシンチーさんに気がある役をなにかとやってますw

武侠ネタとしては、カレン・モクが包丁を手で受け止めてすごい形相で歌ってるのが古龍の『陸小鳳』のドラマ主題歌らしいです。あと、ラスト近くの「暗然銷魂飯」は『神雕侠侶』ネタですね〜。

『唐伯虎點秋香』もなかなかいいですよ。
シンチー自身で「あれはやりすぎた」と語った作品です。その反省?で抑えて作ったのが『0061北京より愛をこめて!?』でこれも良かったです。
古装なら他に『広州殺人事件』などおすすめです。…まあ全部アホアホ映画ですが(爆)
by: ふたば * 2008/12/08 22:04 * URL [ 編集] | page top↑
>ふたばさん
はい、観ました〜!
確かに背脂コテコテという感じでした(^^;
鼻ほじりは確かに毎度ありますねえ。
ブスに迫られてオゲエ!ってオーバーリアクションに悶絶するのは
香港ものではドラマなんかでもたまに観ますね(^^;

>陸小鳳
あー、あそこの歌がそうだったんですか…
エンドクレジットで曲名だけ出てたので、どこがどう陸小鳳なのか首をひねってました(^^;

>暗然銷魂飯
字幕だと確か「鎮魂丼」って言われてたんですが、
本当はそんな名前だったんですね…
北京語はまだ耳慣れた感がありますが、広東語はまだほとんどわからないな〜(^^;
「っぱっこー(but)」ってのはなんかこの映画でよく出てた気がするので、覚えましたが…(笑)

さらなるシンチー作品、この先の参考にさせていただきます(-入-)
by: Manbo * 2008/12/09 02:56 * URL [ 編集] | page top↑

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