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2008年 
原題:赤壁


「三国志(三国演義)」の中盤の山場「赤壁の戦い」とその前後を描く
ジョン・ウー監督の古装大作映画。
紀元3世紀の後漢代末期、時の皇帝を手中に収めて天下の権力を掌握した男・曹操は
統一への障害となる宿敵・劉備を討つべく、彼を匿った江東の呉へと侵攻を開始した…
(この上篇では赤壁の戦いへと至る経緯から、その前哨戦までが描かれます。)
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正直、エントリのタイトルでも「レッドクリフ」なんて使いたくないんですが、
邦題がコレである以上は仕方がない、ということで…

というわけで観てきました。
いや~、なんというか、、、
いちおう三国志(めんどいので以下「三国志」と書いた場合は原作・三国演義のことを指します)に関しては、まがりなりにも一家言ある私まんぼでありまして、
感想は意識的・無意識的を問わず、そういう下敷きの元である、ということをご理解ください。
(できるだけ「ぼくのかんがえているさんごくしとはちがうから却下」という風には
ならんようにしたいとは思いますが、なるかも知れません、ということです(笑))
(どの辺がベースイメージとなっているかというと、やはり、こと実写イメージという点では、
中央電視台の94年のドラマ「三国演義」が大きな位置を占めているといえます。)


まずはネタバレ抜きで行きますが、
まあ、なんというか、古装大作映画ですね。
この手の作品としては、仮想のものではなく元ネタがあるということ
つまりその辺で大多数の観客にとって馴染みやすいというのもあって、
基本的に無難にまとまっているという印象はありました。
大画面を使ったスペクタクルな映像も、さすが映画はお金使えて良いなーという感じですし、
出演している役者さんもトニー・レオンや金城武はまあ置いておくとして
胡軍(天龍八部)、巴森扎布(大ハーン)、尤勇(西毒)、臧金生(魯智深やら不戒和尚やらでおなじみの)
といった、「そっち系」としてはまさに、正しく豪華キャストであると言えます。
(さらに、まさかのサプライズ出演もあったしな…)

というわけで、大画面でジャンジャンバリバリ、
古装好き、武侠好き、
この辺なら、まあ押さえておいても良いのではないかと。
ただ、二時間オーバーとかなり重量級なワリには
正直、描くべきシーンと入れる必要の無いシーンのふるいわけ、
アクションの見せ場のメリハリ(途中でもうおなか一杯です、ということ)
単一の物語としての描写・説得力
こーいった点については、だいぶ甘いなと感じましたが…。
古装大作映画としては、健闘しているとは思うんですが、
良くも悪くも「三国志」という原作の上にあぐらをかいてしまっている、という印象はありました。
ま、この辺についてはネタバレ入りのところで詳しく書きますか。

・まずは雑感から行きますが、
全体的に、すごく紙芝居的というか
絵巻物的というか
あまりひとつのおはなしを最初からきちんと描こうという意思が感じられない。
上にも書きましたが、「三国志」のネームバリューの上にあぐらをかきすぎ、ということです。
この辺、基本は昨今の大作古装ものと同程度のことしかやっていないんだけど
「三国志だから」許されている(観客の側で大幅に脳内補完がかかっている)ということね。

・まあそれでも物量(時間的)の力というやつで、
中盤すぎるころからさすがにある程度はキャラクターを定着させようという試みは
いくらか機能してきたというよーなところはあるが、
それでもやっぱ全体的に薄いという感じは否めないよなあ。
「大河ドラマ総集編」みたいな置いてけぼり感。

・それから激しく気になったのですが、
全体的にアップが多すぎ
とにかく人が話す場面ではその人物の顔面に思い切りズームでアップ。
人物の顔アップばかりで構図としても単調だし、見てて疲れる。息が詰まりそう。
せっかく画面が大きいんだからもっとゆったり見せて欲しい。
特に同じ画面内のすぐ横に豪華キャストが並んでそろいぶみなんだから、
アップと引きを使い分けてたっぷりと豪華キャストの顔や演技を拝見したいのに、
上映時間の六~七割は金城とトニーレオンのアップばかり。
なんだかなあ。

+++++++++++++++++++++++

・あれこれ書いていたら人物ごとにまとめたほうが
意外とまとまったので、以下、人物ごとに雑感(順不同)。

→張飛
今回も臧金生の声は地声だったな。
なんか、徹底してコメディ・リリーフとしての役を割り当てられたというか、
まあ本来の張飛的にはそれで正解なんだが、
しかし本来の見せ場である長坂橋仁王立ちを
ソーラーシステム作戦という苦笑展開で大幅にオミットされたこと
そしていくらなんでも敢えて武器を持たずにシャウトしながら突っ込むのはやりすぎ
といった具合に、なんか不遇だなという漠然とした印象はあった(笑)

→関羽
なんでそこにいるの??という点については、
ひとつの映画作品としてその中でおはなしを描こうということだろうから、突っ込みは無用だな。
巴森の声は、本人が当ててるんだとしたら、意外と高かった。
寡黙な不言実行型っぽいということで、関羽のイメージとしては外れてないんですが。

→劉備
もともと西毒のころから温厚そうな顔だと思っていたので、
キャスティングを聞いた時から割と納得であり、
(悪く言えば)特に目新しいところもなく劉備らしい劉備をやっていた。
(いや、まあ陣中でほんまにわらじ編んでたのはある意味目新しいが(笑))

→曹操
「始皇帝暗殺(映画)」の荊軻の中の人だったんだが、やっぱ妙に中途半端な演技だ。
「助平な小物」なら小物で、例えば李雪健のような役者なら
逆にそれでキャラクターとして突き抜けて味が出るんだが、
そーいったものもなく、なんか尺の都合なんかもあって
普通に薄っぺらい悪役として単純化されてしまっていたのは何とも勿体ない。
(「単純娯楽」という言葉を逃げに使われているような感じだ。)

→周瑜
トニーレオンが特に好きというわけでもないのでコメントしづらいが、
時に熱くなる、使命感が強い(強すぎる)これまた周瑜らしい周瑜でした。
諸葛亮とあっさり開戦で合意してしまったのはかなり拍子抜けであった。

→諸葛亮
ふつう。なんかメインで出張ってたはずなのに、キャラ立ちとしては一番印象薄いような…
つーか、開戦といえば、やはり呉に単身乗り込んだ孔明が
穏健派の重臣たちを舌先三寸で論破していくさまこそ面白いはずなのに、
なんか呉の臣における主戦派と降伏派のコントラストからしてだいぶ曖昧で、
これまたなんとも勿体ないと思った。

→魯粛
ふつう
魯粛はいじられキャラなんだからもっと徹底していじられないと…
なんか中途半端だ。

→孫尚香
嫌な意味で予感が当たってしまった。この場違いっぷりというか、KYっぷりが激しくうざいです。
NHK大河ドラマの戦国ものとかで時代背景無視してでしゃばりまくる女キャラ、みたいな。
そんな鬱陶しさが…

→黄蓋
中の人はクレジットでは扱いメインの次だったのですが、張山という人で、
中央電視台のドラマ「三国演義」で趙雲をやっており、
ついでに最近では「尋秦記」で李牧将軍をやっておりました。
三国演義の趙雲役がマジ良かったので
出演を知った時からずっと楽しみにしてたんですが、
結局今回はほぼ顔見せだけで終わったのは残念だった。
(この辺、アップ構図多用しすぎの弊害がモロに出てしまっている。)
つーかこの人、ほんとは結構動ける人のはずなんだがなあ。アクション見たかった。
そして予告を見た感じだと、はたして下篇でどれだけちゃんと見せ場をもらえるかも心配だ。

→趙雲
しかし、アクションや演出、撮影技術なんかははるかにこちらのほうが上にも関わらず、
「燃え」感覚では様々な場面において、圧倒的にドラマ(中央電視台版)のほうが上というのはなんとも…
しかも予告を見た感じだと、この趙雲、下篇では周瑜とタッグで戦っちゃったりするらしいぞ! ウザッ!!

++++++++++++++++++

・こうして見ると、特に目新しい何かを…というよりは、
全体の尺と規模を考えて「最大公約数」的な三国志に落としたのがこの映画版て感じか。

・しかし、やはりいきなり長坂から入るのはナンセンスだと思う。
たぶんハリウッド映画の文法的に
「冒頭に派手なアクションで観客を引き込む」→それから少し落ち着いて話を展開
というテンプレに則ったのかも知れないが、

・しかし要するに長坂という三国志の物語中盤でも有数の山場というのは
ぶっちゃけ「単体で成立するもの」ではなく、
それまでの劉備&仲間たちの立志と苦労、その積み重ねの結実としてこそ意味が出てくるということ
それがない状態で「さあ名場面ですよー」みたいな感じにいきなり見せられても
何かうわっついた感じですべっていってしまう。

・名場面集の割には阿斗投げ捨て、とか肝心なところも外れてるしな…

・いっそのこと、三顧の礼(髀肉の嘆のあたり)から描いて三部構成に、くらいの感じなら
もうちょい収まりが良かったように思うんだがなー。

++++++++++++++++++

・陣法合戦を物量とダイナミックな俯瞰図で臨場感をもって見れる(おそろしさを実感できる)というのは、
やはりお金をかけた大作映画ならではの長所か。
明らかに習得が早すぎるとかいう突っ込みはあるが。

・突っ込みついでにラストの長江挟んでの対峙の絵、明らかに両軍近すぎ!!
アレじゃ陣形も何やってるのかも丸見えだし
基地出てから五分もかからんうちに敵軍と激突するぞwww

・それにしても、まさかの馬精武の旦那には胸がときめいてしまった。
全然事前情報がなかっただけにうれしいサプライズであった。
このお方は結構そういうことが多いのでタマラン。
正直あの辺でダレかけていたんだが、一気に負債リセットされた。

・そんな感じか…
なんだかんだで語り始めるとたくさんあるので、
また思い出したらぼちぼち追記しますかね。

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