少林虎鶴拳

洪熙官
1978年 香港
原題:洪熙官/Executioners from Shaolin


清代、反朝廷勢力の根城となっていた少林寺は官軍に焼き討ちされ
少林寺の至善禅師は朝廷側の道士・白眉道人との一騎討ちに敗れて死亡した。
禅師の弟子・洪熙官は落ち延びた門弟たちと共に報仇と反清復明を目指す…
---------------


というわけでショウブラ映画です。英題は「少林からの刺客」てな感じか。
敵役の白眉道人は映画「キル・ビル」の元ネタ…という方が
人によっては有名かも知れませんね。

良い悪役でした

で、感想ですが
思っていたよりも、ずっとしっかりした内容でした。
なんか驚くほど突っ込みどころも少なく、普通に映画として楽しめたぞ。
(たぶん、武侠ものなどである程度の「常識」が蓄積された上で観たから
こういう感想になったんだろうとは思いますが^^;)
「大酔侠」もそうだったけど、ショウブラ映画って結構お話自体をちゃんと作ってるんですね。
その辺が、いわゆるブランドをブランドたるものにしているというわけか。
やや舌足らずなところもありましたが、アクションも頑張っていて見ごたえあり。
なかなかおすすめの作品でありました。


以下ネタバレ↓


・生き延びた洪熙官が単純に報仇果たして終了、という体裁ではなく、
親子二代に渡って続く物語となっていたのは
作品世界に深みが出て良かった。
基本は「義のために命を懸ける」という話なんだけど、
その中でも洪熙官には洪熙官の人生というものがあって、
そこには悲しみだけではなく喜びや安らぎもあったのだ。
要するに、洪熙官の人生の物語でもあったというのが
やはり余韻に繋がっている。

・しかし最初からずっと気になってたんだが、
コイツら少林寺の門弟のクセに何で坊主じゃないんだろうか???
この頃の少林寺というのは普通に坊主以外の人も弟子にとっていたのか?
(いや、そんなことってあったのかどうかは私は知らないですが…)
それとも単に坊主頭だと画面が締まらないからってことで
普通に髪伸ばしてたのか?

・ついでに清の人たちも辮髪率がやたら低い(笑)
う〜む、さすがにこれはどうなのか…

++++++++++++++++

・パチンコ玉修行とか、穴道云々とか、
その辺はいまいちわかりづらかったというか、
「遅すぎる」とか「早すぎる」とか言ってたのは
少々わかりづらいところではあった。
まあ雰囲気でだいたいわかるから、それでいいといえばいいんだが。

・それにしても、主人公側が急所攻撃ばかり狙うというのはどうなのか(^^;

・というかそもそも、
金鐘罩鉄布衫の武功を会得している道人はまだ良いんだが、
それ以外の連中も明らかにクリティカルヒットを何発も喰らいながらも
結構ピンピンして動いているのは、ツッコミどころであった。
いかにも古典の功夫片だな〜というか。

・相手の弱点をわざわざ狙ったり、それに穴道ばかり狙う戦い方といい
この辺は敵味方共に「仁義なき戦い」なんだな〜と。
そんな感じでありました。
わざわざ殺さなくてもいい敵の下っ端とかを
いちいちザクッと殺ってしまうところとかね。

・要するに結局仇討ちに仁義なんかないというのは半ば明らかなんだが、
そこへ「悪逆非道の清を倒すため」とか妙な大義をつけてくるのは
正直、潔くないなぁと感じるのだが、
まあその辺は、色んな意味で、時代か。

+++++++++++++++++++

・なんだかんだで物語に感情移入して楽しめたというのは、
やはり人物描写が丁寧になされていたからだというのは
いつも言ってるような気がするが、そういうことなんだろう。

・いかにも大物悪役てな感じにどっしり構えた白眉道人も良いし、
真面目な兄貴分タイプの洪熙官、
それに対して若さの分だけずっと軽くて柔軟に見える洪文定といった具合に
描き分けられていたのも良かった。
そのこと(虎形拳の足りない分を、自分の鶴形拳で埋め合わせるという自由な発想)が
結果的に白眉道人を倒す鍵になったというのも、秀逸だ。

・でもやっぱ一番は方詠春だろうか。
勝気なヒロインとして登場し、
その後マッハで洪熙官と結ばれ

(↑この初夜のシーンには笑わせていただきました。)
紅船離散後は肝っ玉母さんとして、基本的に生活力のない男二人の手綱を
きっちり握って支える女侠っぷりには惚れ惚れしました。
鶴形拳の動きもだいぶキビキビしてて見ごたえあったし。

・あと最後の「劇終」には笑いました。
そうだよな、やっぱコレだよ。

 
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