1990年
原題:推手---------------
太極拳の達人、朱はアメリカで暮らす息子アレックスに呼ばれて
一月前に北京からアメリカに移住していた。
しかし言葉もわからず、アメリカ式の暮らしにもちっとも馴染めずにいた…
---------------
なんだろう、やっぱり、めりけんなんかに比べると、
自分にとっては、ずっと親和性が感じられるからなんだろうか。
今のところ中国産の人間ドラマにはハズレがないです。
とても良い映画でした。
内容について触れるとネタバレになってしまうので、それは分けて書くとして、
・
・
・
…困った、ネタバレ抜きとなると書けることがあまりない。
「すいしゅ」で変換すると第一候補が「水腫」になるウチのPCはまだ教育が足りんようです、とか、
この映画で主演の郎雄さんは六年ほど前に亡くなってしまったのか、とか、
コレって「臥虎蔵龍(邦題:グリーンデスティニー)」のアン・リー監督だったんだなーとか
(まあ今さら何を、って感じかも知れませんが)、
その程度か。
何となく、観る前に抱いていたイメージに比べると、
ずっと地に足の着いた話だったというか。
これはファンタジーではなく、基本的に現実と地続きにある話であり、
そして言葉にすると陳腐になりますが、
生きていくということはとてもつらいことなのだということ
そんなことを観ながら感じたのでした。
予定調和の世界ではないということが、逆に心地良い。なかなかおすすめです。
ちょっとアン・リー監督の他の映画も観てみたくなった。
以下まとまりのないネタバレ感想↓
・しかし観る前の漠然としたイメージでは
太極拳を通して打ち解けていく話なのかな、とかいう感じだったのですが、
ぜんぜんそんなことはなかったですね。
ファンタジーではなく、と書いたのは
そういうことでした。
・台湾の人って、本土の人に対して
あんな風な(時代遅れの共産主義者ども、みたいな)イメージを持ってるものなんだなー。
あくまでフィクションなので100%真に受けるのもアレですが、
この辺についてはやはり全然自分の知識がなかった。
++++++++++++++++++
・いきなり聞かされてないのに老人が一人家に転がり込んできて、
しかもなんというか、自分の仕事がうまくいっていなくてとても苛立たしく、
意思の疎通もできず、激しく目障りに感じてしまうというか。
そういう感覚としては、わかります。
実際、わかるように描かれてるってのもある。
なので、結構途中まで観ていてつらかったです(^^;
(お互いにどうしようもないことだというのがわかるだけに)
・要するに、あんたら結婚する前にもっと話し合っておきなさいよというか(^^;
ダンナが泥酔したとこ見たのが一度もないのに結婚しちゃうなんて(^^;
・そのダンナもちゃんと説明しろよな〜(^^;
あとブチ切れてちゃぶ台ひっくり返すまではまだアリだと思うが
その後台所を壊滅させたのにはさすがに目を回しました。
まああそこでダンナが代わりに爆発したからこそ、
マーサ(妻)に同情する気持ちがいくらか喚起されたってのはあるんだが…
・その辺改めて考えると、やっぱり観ている側の気持ちのコントロールというのが
うまいこと計算されているなーと。
・あとやっぱ中国人の父ちゃんというのは
こう、溜め込んで、沸点に達すると黙って出て行っちゃうものなんだよな〜(^^;
こういう父親像というのも、割と我々日本人(というか私)には
理解しやすいというか、身近な気がする。
・女に見とれて指導を放棄したり、
転勤しちゃったらやさぐれて指導を放棄したりしてたのには笑いました。
たまにこうして「抜ける」ポイントがあるのも助かった。
+++++++++++++++++
・ラストについて
無理をして一緒に暮らすよりも、
お互いにとって最大公約数的な答えを探す、と。
共生ってのは要するにそういうことか。
もちろん、最終的な正解というのは必ずしもこれ一つとは限らず、
家を移ってマーサも少しは打ち解けたってのもあるわけで、
そう考えると別な道もあったのではあるのだろうけど。
・その辺、必ずしも正解というのにたどりつけるとは限らないのが人生というのものであって、
結局、執着というのが一番良くないことなんだな。
執着を捨てることが出来れば、割とどんなことになっても
楽しくやっていけるのかも知れない。
・と、そんなことを思ったのでした。
寂しさはあるんだけど、それでも、幸せならそれで良いじゃないかと。
とても後味良く終われて良かったです。