カンフーパンダ

Kung Fu Panda
2008年 
原題:Kung Fu Panda


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むかしむかしのこと。
デブでグズのパンダ、寶(ポー)は功夫の達人に憧れながらも、
蕎麦屋の息子として「平和の谷」で代わり映えのない日々を送っていた。
そんなある日、二十年前に谷を大いに騒がせた大悪人・大龍(タイ・ラン)が
監獄を破り自由の身になるとの啓示を受けて、
これに対抗するべく伝説の"龍の戦士"が翡翠城にて選ばれることになった。
龍の戦士が決まる瞬間を目撃したいと、寶は翡翠城に見物に向かうが…
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日程の都合上、別の日には行けなさそうだったので、
大阪は梅田に「チンギス・ハーンとモンゴルの至宝展」を観に行ってきました。
いや〜、あの鞍に本物の大汗が座ってたなんて、本当に感動だ。
歴史の中の人物が、今私が生きているこの世界と地続きの過去に実在した、という実感が
ふだんはぜんぜん持てないんですよね。


で、
せっかく文明圏へ出てきたことなので、
ついでにタダ券があったこの映画を観てこようということで
観てきた次第であります。
めりけんのドリーム・ワークス製作のフルCGアニメ映画であります。
英語音声・日本語字幕で観ました。

正直、フルCGのクリーチャー映画ってことで
あんまり期待しないで観に行ったのですが、
蓋を開けてみたら、これがなかなかびっくり。
思っていたよりもずっとちゃんと功夫片してました!
正直、「ドラゴン・キングダム(功夫之王)」なんかよりもずっと真っ当です。
…いや、まああっちは二大スター共演!って方がメインなところもあったので、
こちらのほうがストーリーがまともになるのは
ある意味当然といえば当然なんですが、
それにしてもここまでちゃんとやってるとは、予想外の楽しさでした。
ちゃんとみんな包拳しまくってましたし(笑)
先に「ドラゴン・キングダム」のほうを観たので、どうしてもそれだけで評価が甘くなります(^^;

ストーリー仕立ては功夫もののソレではあるんですが、
武侠っぽい要素も随所に入ってました。
「酒場の乱闘」とか、あと「穴道を封じたり、解いたり」なんてのもあって、
これはちょっと「わかってるじゃねーか!」とうれしくなってしまいました。
パンフレット見てみたら
「主人公たちの暮らしている世界は"江湖"と言って…」みたいな専門用語の解説やら、
「そこでは内功(固有名詞はさすがに出てなかったですが)の力で
普通ではありえないようなことができる」みたいな説明まで載ってて、これまたびっくり。
(「マスター・シーフーは師匠先生になっちゃうんだけど、そこはご愛嬌です」みたいなフォローまで書いてた。)
書いた人は間違いなくかたぎの人間ではないですね(笑)


アクションなんかも、
実写ものというと、やはり近年のCG技術の進歩やワイヤーなんかで
「ありえないこと」を生身の人がやるというインパクトや凄さというのはあるんですが、
しかしこっちはこっちで、
人外アクションダイナミックな躍動感けれんみ溢れるカメラワークや構図という点では、
アニメにまだ一日の長があるな〜と実感させてくれました。
あと動物クリーチャーならではのアクションとかもね。
だいぶ見ごたえがあります。

というわけで、
ファミリー向けのヌルい映画かと思ってたんですけど、
だいぶ真面目に作ってありました。
しっかり話の中で主人公と絡めてテーマを作って、そこに一本芯が通ってます。
ほんと「ドラゴン・キングダム」なんかより、よっぽど武侠好きにはオススメですね、これは。
(どうもあっちのストーリーがまるっきりダメダメだった反動で、
相対的にこっちの評価がだいぶ上がっているような感じだ。)


以下、ネタバレ↓

・鑑賞後にさくさくととりあえず箇条書きでまとめたのを
以下列挙していくので
いまひとつ整理されていないことになりそうですが、


・上にも書きましたが、アクションはやっぱり楽しかった。
特に大龍の脱走のシークエンスや、釣り橋の戦いなんかは
まさにキャラクターが動物じゃないと成り立たないアクションですよね。
ああいうのはまさに、生身ではほぼ不可能なギミックに加えて
自由にカメラを動かせるCG空間の利点というのが存分に発揮されておりました。
殺陣もまっとうに「それらしい」殺陣をちゃんとやっているのに感心してしまいました。

・しかし主人公のアレ、パンダっつーよりは軟体動物だよな…

・主人公がクライマックスまでうだうだ言ってるところで評価が下がりかけたが、
まあ最後の戦いへ向けてのタメとセミファイナル(師傅vs大龍)の時間確保てのがあったんだろう

・「inner peace」は「内なる平安」とか訳して欲しかったですね。
「平常心」てのは、確かにわかりやすいっちゃわかりやすいんだが、
雰囲気がいまひとつ足りないというか…(^^;

・結局最後に大龍を粉々にして決着としてしまったのはちょっと不憫に感じたが、
まあ他にやりようもなかったか。
師傅の謝罪を拒絶した段階で、
つまりあの人は元からそういうドス黒いところが根っこにあって、
師傅は愛ゆえにそれにずっと気付けなかったってことだったんだろう。


・主人公のポーはパンダなんですけど、蕎麦屋の親父さんは鳥なんだよね(笑)
で、その親父さんの親父も鳥で、その親父も鳥(笑)
要するに、明らかにあんたその家の子供じゃないでしょ、という感じなんだが
誰もそれに突っ込まねえ(笑)
これが「ボケ倒し」というやつか…ガクブル@@


・実は奥義なんてものはなくて、そこに至るまでの道のり、
そしてそういうありのままの自分であることが真伝というのは
割と一貫したテーマとして感じられて良かった。
まあ「ありのままの自分」っつっても、パンダは軟体ゴム動物じゃないんだけどな(笑)

・自然体こそが最も大切だという奥義なら
途中でポーがうだうだと煮え切らないのも、まあ仕方ないことか。

ヘタレではあるが、基本、前向きでへこたれない、というキャラクター造形は
比較的感情移入しやすく、好感が持てた。
ただその割に、導師がいなくなった時とかの「糸が切れた」状態になると
かったるかった(「あれ?お前ここでそんな後ろ向いちゃう奴だったん?」みたいな)のはあったな。


・あとひとつの道を極めるということで到達する真理というのは
武術だろうとそれ以外だろうと同じだという内容は、なかなか好みで良かった。

・ポーだけでなく、いちおうは師傅の「再生」の物語でもあったというのは、
掘り下げ自体はさほどでもなかったとはいえ、物語に幅が感じられて良い。
(この辺、だいぶ爺補正で評価が甘くなっているなーという自覚はあります^^;)


・メインキャラは、まあ客層を考えれば当然なのかも知れんが、死亡などもなく、
このヌルさは心地良かった。
やはりストーリーの流れで師傅とかが死んでしまったりしていたら、
私は単純なので、ガクッと凹んでしまうのです。
後味がすっきり終わるのは良いね。

要するに作品世界にハマれるかどうかというのが、評価の分かれ目か。
繰り返しになりますが、自分はどうもこのところ殺伐としたよーなものにやや疲れていたようで、
後に嫌なものが残ることなくきれいに終われたのは気持ちが良かったです。

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コメント
あっ!高評価〜(^^)
おっしゃる通り、ドラキンとどちらを先に見るかで評価が違ってくるのかもしれません。
確かにポーの精神面では良い成長があったなぁと思い出しました。(普通、それはこの手の映画では当たり前!なので、スッカリ忘れてました…)

パンフ、江湖の方が書いてたんですね!
買えば良かったなぁ…

>パンダっつーよりは軟体動物
メタボが役立ってましたよね〜。超衝撃吸収体w

>蕎麦屋の親父さんは鳥
逃げるシーンで、親父さんが「実は秘密があるんだ…」と言った時、「お前はオレの子じゃないんだ!」と言うのかと思いました(^^;ほんとは「秘密の材料なんてない!」だったのですが。

>前向きでへこたれない
出て行け!と言われても、受け流してた所はなかなか好印象です。あのくらい図太くないと!

>「inner peace」
マスター・シーフー、まだまだ雑念多そうでしたね。
あんな事言いながら瞑想するもんかなぁ??と思いましたが、可愛かったです(^^)
シーフーは良い爺ですね!
by: 阿吉 * 2008/08/12 22:19 * URL [ 編集] | page top↑
>阿吉さん
なんか、そこまでのものではないというのはわかってはいるのですが、
妙に評価が高くなってしまいました…
たぶん
>シーフーは良い爺ですね!
の効果が大きいんだと思いますが…(←そんなんばっか)

>逃げるシーンで、親父さんが「実は秘密があるんだ…」
これは、そう思わせるのを狙ってるんでしょうね。
そこでスカしておいて、結局最後まで投げ(ボケ)っぱなしという(^^;

>あのくらい図太くないと
そうそう、この図太さは結構好ましかったんですよね。
それなのに、何で「大龍が脱走した!」って話を聞くと途端にヘタレるのかと(^^;
この辺がやっぱ「かゆいところにいまひとつ手が届いてない」と
感じてしまうところなんですかねえ。
by: Manbo * 2008/08/13 02:52 * URL [ 編集] | page top↑
細かいアイデアがよかったです。
自分も癒やされました。
というか、30年前くらいの香港映画の大らかさを大切にしているのに気づき、感動しました。
一般市民を豚とウサギだけで描写しているのも、色々考えているな〜と思いました。
できればポーの仲間で、お調子者のアヒルとか、気障な猫とか出るともっと香港映画っぽい気がしました。
by: クマノス * 2008/08/16 00:18 * URL [ 編集] | page top↑
>クマノスさん
こういうのばかり観ているとたぶんいろいろ鈍くなってくると思うんですが、
やっぱりたまに観る分には心地よくて良いですよね。
雰囲気なんかもそうですし、動きもそうなんですが、
それにしても最近特に顕著に見えるようになったのか
むこうの人の功夫片へのリスペクトって結構なものだなーと感じます。
邦画では全然そういうのが作られないというのは「近すぎるから」なのかな。

>お調子者のアヒルとか、気障な猫とか
あはは、確かにそうですね。
映画としては普通に優等生的な終わり方をしたので、
このフォーマットで続きを出そうと思えばいくらでも出せそうです。
(まあ結局、作らないほうが良かった、となりそうな感じもありますが(笑))
by: Manbo * 2008/08/16 16:32 * URL [ 編集] | page top↑

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