東周列国・戦国篇 片尾曲(第一章)

以前やろうと思ってそのままやりそびれていたのですが、
ちょうど良い機会なので手をつけることにします。
「戦国篇」のエンディングは、これまでちょこちょこ書いてきたように
各章ごとに中国最古の詩篇と言われる「詩経」を引用しているのですが、
日本語DVDではある意味仕方ないというべきか、訳詞が出ません。
そこで例によって意味がわかっていたほうが味わい深いだろうということで
簡単に内容をまとめてみようというのが趣旨であります。

訳は書き下し文風に書くのは面倒なので
(あと意味がぱっと見でわかりづらいってのもあるので)
口語で書いて行きます。


まずは「第一章 死士豫讓(第1集〜第3集)」です。
(ネタバレはなし。)


<詩経 邶風・柏舟より>


汎彼柏舟,亦汎其流 (fan bi bo zhou, yi fan qi liu)
柏の舟が浮かび、また流れに漂っている。

耿耿不寐,如有隱憂 (genggeng bu mei, ru you yin you)
(その寄る辺なく落ち着かないさまは)
心が耿耿(こうこう)とざわめいて眠れず、憂いを隠しているかのようだ。
(心が耿耿とざわめいて眠れず、憂いを隠している私の様子と同じだ。)

微我無酒,以敖以遊 (wei wo wu jiu, yi ao yi you)
手元に酒がないわけではないので、それで遊び歩いてみたりするのだが、


我心匪鑒,不可以茹 (wo xin fei jian, buke yi ru)
(しかし)私の心は鏡ではないので、
(鏡のように)全てを(写してそのまま)飲み込むわけにはいかない。

亦有兄弟,不可以據 (yi you xiongdi, buke yi ju)
また兄弟もいるが、頼るわけにはいかない。

薄言往愬,逢彼之怒 (bo yan wang su, feng bi zhi nu)
訪ねて行ってくだらないことを言えば、彼を怒らせてしまうだろう。


我心匪石,不可轉也 (wo xin fei shi, buke zuan ye)
私の心は石ではないので、転がす(転ずる、変わる)ことなどできない。

我心匪席,不可卷也 (wo xin fei xi, buke juan ye)
私の心は筵(むしろ)ではないので、巻く(巻き上げる、巻かれる)ことなどできない。

威儀棣棣,不可選也 (weiyi didi, buke xuan ye)
ただ威儀を正し堂々として、他に為すすべもない(できることはそれだけだ)。


----------------------------

もともとの詩経の邶風・柏舟のこの部分は
妻が夫にあてた想いを歌った意味だそうで、
確かにそう言われるとわかるかも知れません(^^;
しかし、たぶん、というかほぼ間違いなく、
このドラマにおいて引用されているこの部分というのは「文字通りの」意味であり、
(元の意味通りに女の歌だったとしたら、
歌ってるのは女声じゃないとおかしいですしね。)
この一章における主人公である豫讓の、
時代の徒花ともいえる不器用な生きざま、心の有りようを詠ったものでしょう。

最後の三節なんかは、結構このまんまの意味で
引用されたりすることもありますね。
意味をわかりやすくするために口語にしちゃいましたが、
「我が心石に非ず…」なんて具合にそれだけで格好良いです。





(歌詞を作るに当たり、こちら↓の各サイトを参考にさせていただきました。)
http://www.ccvs.kh.edu.tw/teacher/pon/pon1/sg.html
http://mokusai.web.infoseek.co.jp/shushigakukihonsho/shikyou/shikyou_1_kokuhuu_main.html
http://blog.hix05.com/blog/2008/06/post_665.html




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コメント

最初のエピソードを終わったところで、こちらも感想を。
(訳詩ありがとうございます)
よくもまあお話の内容にぴったり合わせたような詩を選んでくるものだと思います。あの終劇の後で本編の回想シーンと共にこの詩が流れて〆るというのは感慨深いものがあります。
 ……しかし、途中で流すのはなぁ(^^; せめてネタバレはなしの方向にして欲しかった。
by: うちゃ * 2008/08/10 19:14 * URL [ 編集] | page top↑
>うちゃさん
もともと自分が鑑賞中にも意味を掴んでおこうとは思ってたんですが、
いざ形にしようとしたら予想以上に面倒だったので
結局そのまま流しちゃってたんですよね(^^;
なので、今回はまさに手をつける良いきっかけだったのであります。

確かに、最後の〆としては申し分ないんですよね(^^;
訳詩にあわせて改めて観ると、流れる映像も
その時々の詩の内容にそれぞれ合わせたのをチョイスしてるみたいですし。
それはいいんですが、クリティカルな部分はもうちょい避けて欲しいというのは
やはり言わずにはいられませんね(^^;
by: Manbo * 2008/08/10 19:40 * URL [ 編集] | page top↑

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