2002年 韓国朝鮮王朝末期の激動の時代に生きた実在の画家チャン・スンオプ。
酒と女を好んだというこの奔放な異端の天才画家の抱えた悩み、孤独、
そして人生の旅を描いた古装伝記映画です。
実在の人物ではありますが、実際の生涯の記録はほとんど残っていないので
映画の内容は創作だそうです。
古装&アン・ソンギさん繋がりということで観ました。
なかなか良かったです。
なんかこう、立て続けに映画を何本も観て感想を書いてると
次第に自分の語彙や表現の貧弱さが浮き立ってきて泣きたくなりますが。
しかし、アン・ソンギつながりというのはとっかかりとしては
そろそろもう良いかなという気がしてきました。
もちろん、アン・ソンギさんは好きな役者だと言えますが、
鑑賞する映画を選択するに当たって
だいたいアン・ソンギさんつながりで観たいものは観てしまった感があるので、
あとはもっと直感的に観たいものをチョイスしていく方向で良いかなということね。
映画そのものについてですが、
まず思ったことは、この時代(1800年代後半)の朝鮮王朝の歴史や出来事について
もっと知っていたらきっともっと楽しかっただろうなーということでしょうか。
これは事前に少し予習しておけば良かった。
そして、まがりなりにも二時間足らずの時間に人の一生を収めるということで
だいぶ駆け足というか、さくさくと進んだなという印象もある。
といっても、決して描くべきことをちゃんと描いていないとかいうわけではなく、
観ている側にある程度の読解力を要求されるというか。
何かの場面が描かれて、その「結果」までを最後まで映さずに
「あとはお察しください」てな感じに、
もうカットが切り替わると次のエピソードに移ってるって感じですね。
これは慣れるまでちょっとペースについていくのに手間取った。
とは言え、決して内容が散漫とか細切れということはなく、
きちんと一人の人生を通してひとつのテーマを描こうという意思はあり、
実際に、そのようにちゃんと描かれておりました。
観終った後にこうしてその余韻に浸れるというのは、やはりたまりません。
ロケ地やセットにもかなりこだわっていたようで、
しっかりと古装世界に入り込めたのも良かったです。
古装好き、
アン・ソンギさん好きなら問題なく楽しめる良質な人間ドラマでした。
TVの連続ドラマの強みというのは何回分も話数を積み重ねたことによる物量ですが、
逆に映画の場合は限られた時間に凝縮したことによる質にそれがあるというのも
また事実ではないかと感じられます。
↓以下ネタバレ
・劇中で描かれていたスンオプというのは
年を重ねるにつれてだいぶ丸くなっていった感はありましたが
(これは当たり前といえば当たり前のことだと言える)、
一貫していたのはやっぱり孤独だったということでしょうか。
孤独を感じていて、それ故になんだかんだと文句をつけながらも人を求めるんですよね。
そんなスンオプにとって、ずっと父と呼んでもいいくらいに近しい存在だったのが
キム先生だったわけで(悩んだり、慢心した時にスンオプを諭してくれる役割という意味でも
まさにそんな感じだと言えます)、
こうした人物配置というのが一貫していたのはやはり良かった。
・悩みといえば、やはり基本を身に着けて、なまじ小器用だったばかりに
今度は自分の色が見つからずに悩むという流れになっておりましたが、
この辺もいわゆる守・破・離を踏襲しており
素直に納得のできる展開です。
・その最期は、やっぱり結構衝撃を受けたわけですが、
しかし不思議と悲しいという感じはなかったんですよね。
これはやはり、最後にずっと彼のことを待っていてくれたメヒャンと再会して、
これが満たされて、
そこからさらに芸術の追求に惹かれ、炎の美しさに魅せられて静かに幕を閉じたという
なんだろう、やっぱりそこに満足があったから、
悲しいとは感じなかったということなんだろう。
・あとなんか生々しいセクース描写が多かったな〜(^^;
女好きってのと、芸術性の表現のためってことか。
せっかくいい年になって、種を残そうと決めた女と出会えたのに
それを成し遂げられずに離れ離れになってしまったというのは、
まさに人生ままならないというか、観てるこっちも一緒に物悲しくなってしまったが…
・ある程度年が行ってからは問題なかったんだが、
やっぱり中の人がそのまんま青年バージョンをやっていたのは
さすがにちょっとつらかった(^^;
ドラマ「成吉思汗」のテムジンみたいな感じか。
特にこのスンオプ役のチェ・ミンシクって顎の肉がたるんでるから
より一層、老けて見えてしまったね(^^;