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天地英雄
2003年 中国
原題:天地英雄


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西暦700年ごろの唐の時代。
25年前に少年として遣唐使として唐に渡ってきた日本人・来栖は
皇帝から帰国を許される条件として、西域に逃げたある罪人を殺す事を命じられた。
かつて職務を放棄して逃亡したその元軍人・李は
その頃、西域から長安へと戻る隊商の護衛をしていた。
駱駝たちが運ぶのは10万の経典と謎の包。
広大な砂漠の中には、その荷物を狙うトルコ人の姿もあった…
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以前、韓国産古装ものの「MUSA」を観た時に
ふたばさんのコメントで伺ったこの作品、
その後、鑑賞予定リストに入っていたのですが、
「水滸伝」が終わって、次のドラマに進む前に、
正直、まだ魂のほうが北宋時代の山東に留まったままなので(^^;、
リハビリを兼ねて溜まってる映画のほうを観ることにしました。
というわけで鑑賞に至った次第であります。

ちなみに邦題ですが、
これは英語タイトルの「Warriors of Heaven and Earth」から来てるんだよな。
なぜか日本語フィルタを通すと「ウォリアーズ」が消えるというこの不思議。
ほんと、中国ものの邦題つける配給会社って
なんでこう毎回狙ったように頭が悪い邦題をつけるんでしょうか?
(「レッド・クリフ」とかね(笑))
誰か教えてください。


閑話休題
あらすじを見てもわかると思いますが、
「MUSA」と同じような感じで、基本的なプロットは逃避行ものであり、
その中に中井貴一演じる朝廷の刺客や、隊商の運んでいる荷物のヒミツ、
などの要素がスパイスとして組み込まれてるってわけですね。

で、とりあえずネタバレ抜きの範囲ですが…
うーん、なんだろう、やっぱ、魂が北宋に留まった状態で観たのは失敗だったか(^^;
まず一番に気になったのが、カメラワークの悪さだろうか。
いや、決して悪いってほどでもないんだけど、
とにかく殺陣がなぁ。殺陣が見づらい。
こればっかりは、直前まで「水滸伝」でレベルの高い殺陣&カメラワークを観てきて
絶対的に目が肥えてしまっていたってのがあると思う。
だから本当に、この映画に対して気の毒ではあるのですが(^^;
特典映像のドキュメンタリーとか見ると
結構、殺陣はそれなりに頑張ってるように見えるんですけどね(^^;

あとはまあ、水滸伝はいちおう「武侠もの」なのに対して
こちらはいちおう古装のほうがメインってのもあるからなぁ。
だからアクションは、あくまでメインディッシュではない映画なので、
それはひとまず置いておくとして、

過酷な状況下での逃避行、というシチュエーション自体は
それなりにちゃんと演出されてはいたし、
ストーリーそのものとしてはまあ及第点ではないでしょうか。
ただね、やっぱり似たようなプロットなのでどうしても比べちゃうんだが、
「MUSA」で感じられた、祖国を遠く離れて孤立したどうしようもない絶望感、
というのに比べると、ちょっと劣ってしまうのよね(^^;
これも決してこの映画そのものが悪いというわけではなく、
たまたま似たようなプロットの映画を短いスパンで観てしまった、というのが
まずかったわけなんだが…
でも西域のほうの風景はやっぱり抜群に良かったですよ。

キャラクター…というか、役者さんたちもおおむね良かったです。

中井貴一というと、もともと私は日本のドラマや映画をほとんど観ないので
大河ドラマ「武田信玄」で顔の細い信玄公をやってたよなー、という程度なのですが、
思っていたよりもずっと良かった。
黒衣の刺客姿は決まっていたし、
感情表現は少ないながらも、故国へ帰るために目的を果たすということと
そのために李を殺さないといけないというジレンマに悩むというのも
そこそこ良い感じに描かれておりました。

李大人をやってた姜文は、

やっぱりそれなりに良かったのですが、
しかしこの映画とは関係ないんですけど、
この人って「鬼子来了(邦題「鬼が来た!」)」の監督やってたんですね。
これはちょっと驚いた。
「鬼子来了」はまだ観ていないのですが、「小さな中国のお針子」を観終わった後に
曲洋のおじじのほかの映画を観たくて探していたらヒットしたので
鑑賞予定リストに入っていたのだ。

あと仲間のじいちゃんは最初に自己紹介で「老不死とでも呼んでくれ」って言ってましたが、
これってようするに名前とかどうでもいいから
「くたばりぞこない」とか「じじい」とか、そういう意味ですよね。

日本語字幕では老不死本来の意味とか関係なく
まるでそれが固有名詞であるかのように
その後もずっと「老不死」って呼ばれてましたが… まあいいか。
この爺もなかなか良かった。
(ちなみに、写真で後ろに移ってるHAGEは計春華ではありません。)
(もちろん私は「ニセ計春華」と呼んでいましたが)


総括すると、
いわゆる古装サバイバル人間ドラマ
これが好きな人ならそこそこ楽しめる作りになっているのではないでしょうか。
大作系映画のように「豪華だけど見た目だけで、ストーリーのほうは何だかなぁ…」
ということはないです。少なくとも。


↓以下ネタバレで。


・大作系映画のように
「豪華だけど見た目だけで、ストーリーのほうは何だかなぁ…」というのはない、
とすぐ上に書きましたが、
ただなんだろうなー、全体的にちょっと薄味というか。
流しただけという印象も否めないんですよね(^^;

・要するに、「MUSA」の時も少し思ったんだが
(いちいち引き合いに出すのはなんだか気が引けるなあ)、
こういう逃避行ものって、いかにメリハリをつけるか、
展開に山や谷を作るかってのが大事なんだよね。
それを怠るととにかく延々と逃げてるだけ、って印象になり兼ねない。
それを防ぐためには、例えば
個々のキャラクターを定型的にして(=わかりやすく特徴付ける)感情移入度を上げるとか、
ちょこちょことイベントを起こすとか、そういったことが求められるわけなんだが、
これが今ひとつ弱かったということだろうか。

・ヒロインは李大人の元上司である将軍の娘、という設定がありながら
結局、そこまで人物描写や李大人との関係に踏み込んだものはなかったし
(つーか、ぶっちゃけなんであの娘が来栖と行動を共にしているのかということ自体が
微妙に謎なので、それなりの理由付けが欲しかった。)、
来栖のほうも格好良いといえば格好良いんだけど
こう、他のキャラクターとの相互のやりとりがいまいち物足りないというか。
本当に、淡々と進んでしまった感じなんだよなー。


・最後のアレについてはひとまず置いておくとして、
ところどころちょっと変な描写も気になりました。
相手に水の袋投げられて、なんでみんなで取りに行っちゃいけないの?とか(^^;
しかも結局あの人、あれまるっきり無駄死にだし、
どうせその後、全員突撃して乱戦になってるなら
最初からみんなで突っ込んで袋を奪えば良かったのに…
なんであそこで助けに飛び込もうとする来栖を李大人が抑えるのかが
いまひとつわかりづらいし(いや、わかろうと思えばわかるんだが)、
そもそも来栖が李大人の元部下であるいちおうの仲間たちに対して
そこまで仲間意識を抱くようになる過程というのが、
いまいちちゃんと描かれていないので
やや唐突な感じもしちゃうんだよなぁ。

・あと実は爺の言ってた地下の水源って
みんながキャンプしてたその場所の下だった、ってことですよね…
いや、プロットとして、「爺が死を以って証明した」ということ自体は良いんですけど、
冷静に考えるとあんまりにもあんまりというか…(^^;
まあおみそ状態でがんばってた爺は微笑ましかったので
ここは冷静に考えたらいけない箇所だ。


・最後の最後に発動した驚愕のBUDDHA貫手については…
うーん、、、、、(^^;
コメントに困ります。
まあ、超常現象発動してみんな復活、ハッピーエンド、になったら
心情的にはうれしいとは言っても、さすがにあまりにもまずいので、
そこまでやらなかったのは良いんですが…
ま、これはこれでありなのかな(^^;
やはりそれだけ、こういう逃避行ものでは
いかに最後のオチにたどりつくかというのに
脚本家は頭をひねらせるということですな。それは観ていてよくわかった。

・ところで、李大人とその元部下たちって、
なんか唐というよりは、むしろめりけんとかの軍人みたいな感じでしたね。
部下と上官の間の絆とか、現場での運用や指揮の様子とか。
これってなんでなんだろう。
ちょっと不思議に思った。

 
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