水滸伝31

なるほどなー。


第三十一集 盧俊義上山
〜盧俊義 梁山に登る
◎できごと

1、晁蓋を射た史文恭の矢には毒が塗られていた。
もはや気力のみで命を繋いでいる晁蓋は、
最期に自分が死んだら兄弟たちと共にいられるよう
梁山に埋めてくれと宋江に頼んだ。
しかし宋江は兄者の名は死してなお残り、山賊としてではなく、
名誉と共に語り継がれるべきだとこれを拒む。
ついに両者のすれ違いは解かれることないまま、
晁蓋は史文恭を討った者を次の塞主にと言い残して息絶えた。

2、北京では呉用の残していった叛詩を李固が利用し、
盧俊義は捕らわれて拷問の末に死刑の判決を受けていた。
ひとまず史文恭を討つまで塞主の座を預かることになった宋江は
差し迫った事態をなんとかするため
まずは盧俊義救出のため北京へ梁山泊軍を出撃させた。

3、先行して北京入りしていた戴宗と石秀は
その当日に早くも盧俊義が処刑されることを知り、
町中を行く護送の列に飛び込んで盧俊義の救出を図った。
盧俊義に忠義を尽くす使用人の燕青も加勢に加わるが、三人ではどうしようもない。
燕青をひとまず逃がした後で戴宗、石秀、そして盧俊義は官軍に取り押さえられた。

4、盧俊義が捕まって以来、彼の妻を手篭めにしていた李固は
牢の役人に金を五百両払って盧俊義を殺させようとした。
しかし後から現われた柴進が盧俊義を助けるために千両払ったため、盧俊義は助かった。
さらに灯籠祭りにあわせて城内に潜入していた梁山泊軍が一斉に決起。
内部から城門を開けて外の本隊を呼び込んだため
北京はあっけなく陥落した。
助け出された盧俊義は真相を知り、腹を立てるが
世の中にも嫌気がさしたので、梁山泊入りすることを決めた。
盧俊義の妻は、李固に騙された上に他にどうしようもなく李固に体を許していたのだが、
妻が李固と共に自分を陥れたと誤解した盧俊義は
彼女を許さなかったため、自刃して果てた。

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◎かんそう
・前半が晁天王の死
後半が盧俊義編の二本立てでした。

・いやー、なんというか…
これは、あれだな。あまりにも早い…というわけではないんだけど、
この晁天王の死によって、物語の結末というのは、
もう決定付けられてしまったのかも知れない。
もっと早いうちに、ちゃんとお互いの目指すものについて
二人は話し合っておくべきだったのだ。

・てっきり私はずっと晁天王も宋江の目指している将来というのを
理解して応援していたものだと思っていたんですが
(前回の感想にもそんな感じのことを書きましたよね)、
決定的に違ったのだ。
やっぱり宋江は「山賊のままではダメだ」と考えていて、
晁蓋は「山賊のままでも兄弟たちが楽しく暮らせればそれでいい」と考えていた。
これはたぶん出自や育ちの違いなんかも大きいんじゃないかと思うんだけど。

・でも、これまであれだけ宋江に頭領の座を譲る、と何度も言っていた晁天王哥哥が
最期の最期に至って、「賢弟が次の塞主だ」とは言わなかった。
これは、決定的なことだよね。
梁山の兄弟たちと一緒に葬って欲しいという最期の頼みを
あんな風に拒んだ宋江も宋江だけど(もちろん、本人は善意のつもりってのがまた厄介だ)、
これでたぶん、賢弟には任せられないなと晁天王哥哥は思ったんだろうね。
そんな宋江のことを、晁天王哥哥自身が決して嫌っていたわけではなく
むしろ誰よりも気にかけて心配していたというのが
また悲しい。
そりゃ無念で仕方なかっただろうなぁ。
しかも呉先生はいつのまにかすっかり宋江の味方になってるし(^^;


・で、後半、盧俊義編なんだが…
これはひどい(^^;
どこからどう見ても、100%悪いのは宋江&呉用の腹黒コンビじゃねーか(笑)
盧俊義は本当に、仕方なく梁山泊入りすることになったわけだが
「わかったわかった、もうあんたらの言う通りにしますよ、
助けてくれてありがとうございます、ってね」という
ヤケクソな気持ちが丸出しの包拳には気の毒とは思いながらも笑ってしまった。


「そもそもあんたが無茶言うからこうなったんですよ」てな感じで
公明哥哥のほうを見るだけで、この人、ぜんぜん反省してないっぽいし(笑)

・ところで今回、盧俊義をいじめた挙句に
最後はほうほうのていで逃げる羽目になった人
これって北京大名府だから、楊志のことを買ってくれてた梁中書だよね(^^;
今回はすっかり悪者の役を割り当てられてしまっていたが…
もともとこういう人だったのか(^^;


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◎人物まとめ

→梁山泊の人たち

・晁蓋(ちょう・がい)…梁山泊の頭領
だいたい上に書いたが…
最後まで兄弟たちのことを考えていたというのは
やっぱりこの人らしいな。
そして最後までその考えていることや気持ちを
賢弟が理解してくれなかったというのがまた泣ける。
賢弟が塞主になってしまったら
きっと梁山泊や兄弟たちの運命は閉ざされることになってしまうだろうと
晁天王哥哥はわかっていたんだろうなぁ。
かといって、賢弟以上に他の兄弟たちから慕われている者もいないので
他の人に任せるというわけにもいかないし。
それで泣きながら逝ったというのが…T_T



・宋江(そう・こう)
悪意がないのが一番タチが悪いというやつだな(^^;
決して悪い人じゃないんだけど、
ただあまりにも目指すものが違いすぎたということか。
それにしたって、最期くらい安らかに逝かせてあげればいいのにね(^^;
(まあ、それが出来ないのがこの人の根の正直さでもあるんだろうけど)



・呉用(ご・よう)…梁山泊の軍師
先生は気がついたらすっかり公明哥哥LOVEになってましたなぁ。
公明哥哥のためなら人一人の一生を台無しにしても
ぜんぜん気にしない(笑)
まあ腹黒なのは昔からでしたが、やっぱりこの二人にコンビを組ませると
かなりキケンですね(笑)



・李逵(り・き)…黒旋風
何言っても「馬鹿の言うことは気にしないでください」と
ナチュラルに流されるのが当たり前になっているのが笑える。
しかも本人、馬鹿だからそれでも全然気にしないのね(^^;


・林冲(りん・ちゅう)
林冲は、もともとの立場というか、出自的にもそうなんだけど
宋江にだいぶ近いかも知れないね。
(「自分から望んで」ではなく、「図らずも陥れられて」というパターン)


・魯智深(ろ・ちしん)
そうなんだよ、すっかり忘れていたけど
一応この人、腐っても(笑)坊主なんだよね。

だからみんなが喪服着ててもこの人は僧服のままなのだ。
ついでに呼延灼将軍は白ひげのおかげで
こういう背景にまぎれてる場面でも目立つね。



・柴進(さい・しん)…小旋風
柴大官人ってそんなにすごい血筋の人だったのか。
だからあんな風に大勢、お尋ね者を囲っていても問題なかったんだね。
今回は李固に比べての賄賂の使い方の圧倒的な格の差が
パリッと印象的であった。


・石秀(せき・しゅう)
いざって時には迷わず即決、後悔は後でする、という
この男の良いところが今回は炸裂した。
結果的にそれが良い方向に作用してるしね。
祝家荘の時といい、こいつはかなり使い勝手が良い駒という印象だ。


・時遷(じ・せん)…鼓上蚤
スタコラと壁を登り、敵の親玉のいる場所をみんなに知らせるという
今回もピンポイントで活躍。
やはり軽功と盗みの達人というのは役得だ。


・盧俊義(ろ・しゅんぎ)…北京大名府の員外
腹黒コンビによって破滅に叩き込まれた被害者。
そうか、前回からどこかで見たと思ってたんだけど、
この人、一灯大師/李自成の王衛国か。
無理もないこととはいえ、
正直、奥さんはかわいそうだった。



・燕青(えん・せい)…盧俊義の侍従

ご主人様に尽くす良い男。
ご主人様のことで頭が一杯なので
やや血気に逸る行動をするのは玉に瑕か。
家人がこういう奴ばっかりなら良かったんだけど、
李固みたいな小物まで紛れ込んでしまっていたというのが
盧俊義の運の尽きだな。


 
 
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コメント

おお〜ついに登場しましたか燕青!
かなり盧俊義LOVEみたいですね〜(笑)
この後も活躍してくれそうで楽しみです。

私は魔が差して中文版『浪子燕青』を
つい買ってしまいました…。
「PAL」で「字幕不提供」となってたので
不安だったのですが
武侠の神様が微笑まれたようで、
無事手持ちのプレイヤーで字幕付きで
普通に観られました。ありがたや〜。
by: ふたば * 2008/03/24 00:46 * URL [ 編集] | page top↑
>ふたばさん
燕青のご主人様LOVEっぷりはすごいですよ。
梁山泊来てからもご主人様に付きっ切りで足を洗ってさしあげたりとか、
「ご主人様のようなお方こそ頭領にふさわしいです」って
目をきらきらさせたりですから(笑)

>レジェンド・オブ・浪人(敢えて邦題)
これって確かGyaoで日本語字幕でやってた奴ですよね。
そっちのDVDは出ないんでしょうか…
この本編と、いったいどういう風にリンクするお話なのかと思ったら、
要は完全な(主人公が水滸伝の燕青というだけの)スピンオフ作品ってことなんですかね?
by: Manbo * 2008/03/27 21:24 * URL [ 編集] | page top↑

「(盧俊義を)助けてくれたら恩は忘れないが、
万一間違いがあったら、城下を殺し尽くす!」

柴大官人、あんた本物の賊や〜
by: 菜園子 * 2008/05/01 13:26 * URL [ 編集] | page top↑
>菜園子さん
柴大官人は大人ですから、その辺はハッタリというやつですよ(笑)
まあ兄弟の中にはそのハッタリを本気にしてしまう人も何人かいそうですが(爆)
by: Manbo * 2008/05/01 16:04 * URL [ 編集] | page top↑

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