水滸伝21

うほほ@@


第二十一集 血濺鴛鴦楼
〜血 鴛鴦楼に濺(そそ)ぐ
◎できごと

1、快活林の一件以来すっかり施恩典獄に気に入られた武松は
折に触れて彼の屋敷に呼び出され、
囚人というよりむしろ客人扱いを受けていた。
そんなある日のこと、牢城に張都監(軍の監督官)がやって来た。
公私混同を咎められて施恩は典獄のお役御免となってしまったが、
武松は張都監に気に入られ、彼の近侍として都監府に住み込むことになった。

2、武松は張都監にすっかり諸手を挙げて歓待されていた。
独り身の武松を気遣って張都監は侍女の一人、玉蘭を彼にあてがってやろうとするが、
武松は結婚は固辞し、代わりに彼女と義理の兄妹となった。
穏やかながら楽しい日々が過ぎて行った。

3、典獄を罷免された施恩は快活林の経営に専念するようになっていたが、
武松を訪ねて来た張青・孫二娘夫婦と知り合いになったりしながら
順調に商売を続けていた。
ところがある日、武松に懲らしめられた蒋門神が戻ってきた。
都監府内の武松とは連絡を取ることもできずに
負傷した施恩は快活林から退散するしかなかった。

4、一方、都監府でも陰謀が武松に迫っていた。
中秋の日の夜、都監府の鴛鴦楼で張家の宴が催された。
同席した武松が酒を勧められている間に、玉蘭が密かに彼の部屋に侵入。
その後、武松が部屋に戻った頃合を見計らって盗人騒ぎが起こり、
武松は犯人として捕らえられたのだ。
彼の部屋には玉蘭が仕込んだ盗品があり、玉蘭も良心の咎めを感じながらも
武松のために証言することを拒んだ。
打ち据えられた武松はついに罪を認め、恩州に流刑となった。

5、恩州へ向けて発つ日、武松は城門で施恩から事の次第を聞かされた。
全ては蒋門神が企んだことであり、彼が張都監と共謀して武松たちを陥れたのだ。
武松は道中で刺客に襲われるが、これを返り討ちにし、
そのまま鴛鴦楼に乗り込んだ。
蒋門神、張都監、その侍女たち、玉蘭、その場にいた全てを切り殺した後
武松は雨の中、炎に燃え上がる鴛鴦楼を去って行った…


------------------

◎かんそう
・爆笑!
なんだこの人間兵器は?(笑)
ほんと、馬鹿(褒め言葉)は怒らせるとたいへん危険ですね。
取り扱いには十分気をつけましょう。

・前回、流刑の割になごやか道中で
その後も牢城だってのにくつろいじゃってと
およそ流刑囚らしくないのんびりした雰囲気が印象的でしたが
今回はそれをひっくり返すかのような重たい道中だったね。
護送人の人は崖から滑り落ちそうになったところを助けてもらったんだから
その後、ちゃんとフォローをやっておけば死なずに済んだのになぁ(^^;

・結局、前回積み上げたものが
今回でぜんぶ無に帰してしまった感じだ。
こうして武松も晴れて世をはばかる身となったわけだね。
でもね、武松さん、快活林を燃やす必要はなかったんじゃないですか?(笑)
悪者やっつけたら施恩がまたお店をやればいいのに
全焼させちゃったらあんた、どうしようもないじゃないですか(^^;
その後、「何人殺しても同じだ」って皆殺しにしちゃうのにも笑いが止まりませんでした。
いや、妹を殺さざるを得なかったってのは
まあじーんと来るポイントではあったんですが。


-----------------

◎人物まとめ

・武松(ぶ・しょう)…元・陽穀県の都頭
せっかく安らぎを得たと思ったらまた裏切られ
こうして武松は行き場をなくしたのでした。
妹ができて「哥哥が死んでからずっと一人ぼっちだったのに」って
喜んでたところを考えると
その後の運命は残酷なものであったし、
また最後の場面で見せた激しい怒りも
尤もなものだったと思えます。
ボコボコ打ち据えられても大丈夫と思ってたら、
いちおうさすがにあれだけ容赦なくやられるとダメージ受けるみたいだね(^^;
しかしまあ、それはそれとして
相変わらず武功のほうは恐ろしいな。

あの首枷つき&鎖をかけられた状態で圧倒的多数を
容赦なくブチ殺すとは、どんだけ化け物なんだか(^^;
しかも林冲とかと違って一度スイッチが入ると容赦ないからね(^^;
ほんと、こいつだけは敵に回したらあかんわ。


・張都監(ちょう とかん)…都監
で、その絶対に敵に回したらいけない男を
敵に回しちゃった人(笑)
最初の場面で「言語道断の振る舞いだ」とか
ニコニコしながら施恩を怒ってた時は
この人、怖い人なのか?と思ったら、
実はいい人?と思わせておいて
結局は悪い人だったという二段オチでした。
武松のことが嫌いだったとかそういうわけじゃないんだろうけど、
結局、人情よりも利益を取ったってことか。
蒋門神と一緒にいる現場を押さえられたりしなければ
まだ言い逃れも出来たかも知れないんだけどね(^^;
阿弥陀仏…(-人-)
しかし、たかが武松一人を除くのに
ずいぶん回りくどいことをしたなと思わんでもない(笑)


・玉蘭(ぎょくらん)…張都監の侍女
武松があまりにもアホというか、
裏表のない純粋な人だったので
罠にはめるはずが、すっかり感情移入してしまったというか、
罪悪感を感じてしまったというか。
盗人を捕まえに行こうとした武松を引きとめようとした辺りが
そんな彼女にできた精一杯の抵抗だったのだろう。
最後には武松の手にかかってしまったわけだが、
彼女自身としてもそれで良かったんだろうね。



・蒋忠(しょう・ちゅう)…蒋門神
まさかの再登場となった。
前回いじめられたと書いたが、
あれで大人しく退散しておけば長生きできたのにね(^^;
まんまと自業自得で死を迎えてしまった。あーあ。



・施恩(し・おん)…孟州牢城の典獄
典獄クビになっちゃって、蒋門神にはボコボコにされて、
武松のために家財も売り払って、で、店もその武松に(笑)燃やされて。
今回、一番被害が大きかったな(^^;
この人これからどうするんだろうか。



・張青(ちょう・せい)…菜園子
・孫二娘(そん・じじょう)…張青の妻

恐怖の人食いババアとそのまともなダンナさん
今回は服を届けに来たら結局武松には会えず
施恩と仲良くなっただけであった。
武松は、ひとまずこの人たちのところに匿ってもらうのかな?

 
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コメント
武松〜〜
武松アニキ、武大編では私的にはかなり好感好漢度が高かったんですが、
快活林編での所業に「どへぇ…(汗)」でした…。
それでもちゃんと、「武松がやりました」って書き置きしてて、
どこまでも律儀なヤツ…て思ったんですが、
そう来ると、最初の殺人未遂で柴進宅に逃げ込んでた設定が武松らしく無い感じがします。
酒飲んで半殺しにしても武松だったら、ちゃんと自首しそうなのにな〜。

武松のすわった目って、なんとなく
趙文卓に似てるなぁ…と感じる今日この頃です。
by: ふたば * 2009/03/04 22:38 * URL [ 編集] | page top↑
>ふたばさん
最初から結構悲壮な感じがあった林冲編なんかに比べると、
ここまではどこか気楽な調子があったんですが、最後に一気に落としてきましたね(^^;

これは私の考えなんですけど、今回の大暴れ→書置きなんかの流れを見ると
冷静にヤケになって、ならひたすらやっちゃるぜ!みたいなところがあると思うんですよね。
で、なんでこういうことができるようになったのかというと、
やっぱり自分は天涯孤独なんだということを、改めて実感したからではないかと。
そうするとその対比として、
>最初の殺人未遂で柴進宅に逃げ込んでた
この頃は、やっぱ兄ちゃんがいたじゃないですか。
それで、迷惑をかけられんってのがあったのではないかと。
確か柴大官人の家での話からするとこの役人暴行事件ってのは犯人捜査中で、
「武松がやったということがバレて追われていた」というわけではなかったみたいですし、
あと責任の取り方としても、その役人が命を取り留めてたってことで
実家に戻ることを決めたっぽかったですしね。

>趙文卓に似てる
そ、そうですか?(^^;
私はちょっとわからないです(^^;
by: Manbo * 2009/03/05 18:01 * URL [ 編集] | page top↑
>やっぱ兄ちゃんがいた
ああ、そっかそっか〜。ナルホド!
武大編での武松がやたら品行方正だった理由が
これで頷けます。

そう見ると、鴛鴦楼では、
もうしがらみが無くなった強みがにじみ出てますね
巻き添えになった使用人には気の毒ですが…
by: ふたば * 2009/03/07 21:54 * URL [ 編集] | page top↑
>ふたばさん
そうなんですよ〜。
いろいろ強烈なので忘れそうになりますけど(笑)、
基本、このおはなしに出てくる好漢たちって最初はみんな真っ当に生きようとしてるんですよね。それが悪人やらめぐり合わせやらのせいでままならなくなって落草…というのがミソだと思います。
武松なんかは、一度落草しちゃったら、スイッチがそれでバシッと切り替わっちゃうみたいですが(笑)
by: Manbo * 2009/03/08 16:27 * URL [ 編集] | page top↑

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