水滸伝20

ああ、馬鹿って良いなぁ…


第二十集 醉打蒋門神
〜酔って蒋門神を打つ
◎できごと

1、孟州へと護送される武松だが、もともとが英雄扱いだった上に
罪状そのものについても止むを得ずというものだったため、護送人たちの面倒見も良く
護送とはいえ気楽な道中だった。
さて、十字坡という峠にやってきた一行はそこで道沿いの食堂に入った。
店を一人で切り盛りしているという女将に護送人二人はすっかり色気づくが、
武松は逆にこのような場所で女一人で店をやっていけるはずはないと怪しんだ。
案の定、出された酒には痺れ薬が仕込まれており、護送人二人はその場で昏倒した。
武松は酒を飲んだふりをして倒れ、店の奥から手下の男たちが出てきたのを見計らって
女将をねじ伏せた。

2、そこへ女将の主人が戻ってきた。
主人は張青、女将は孫二娘といい、虎殺しの武松の名声もすでに行き届いていたため
すぐに和解して場は収まった。
酒を酌み交わしてすっかり仲良くなった武松と張青・孫二娘夫婦は
武松にそのまま護送人たちを殺して自由の身にならないかと勧めたが、
武松は律儀にこれを固辞した。
何も知らない護送人たちは翌朝普通に目覚め、こうして一行は旅路に戻った。

3、孟州の牢城に到着した武松は護送人たちと別れて監獄に入った。
同房の囚人たちは監獄での心得を武松に説くが、武松は相変わらずのマイペースである。
そんなこんなで、囚人への最初の洗礼として殺威棒を受けるために
武松は典獄の前に連れて行かれるのだが、
なぜか典獄はあれこれ理由をつけて殺威棒を免除してしまった。
さらに独房へ移された武松は酒に食事に湯浴みと
至れり尽くせりのVIP待遇を受けた。

4、さすがに不審に思った武松が問いただすと典獄自らが釈明に来た。
翌日、典獄の府に連れ出された武松はそこで話を聞くことになった。
典獄は姓名を施恩といい、東門の外の快活林で居酒屋商売をしていた。
ところが二ヶ月前に蒋門神という男がやってきて、腕ずくで店を奪われてしまったのだ。
対抗しようにも手立てがなく、こうして武松の力を頼りたいというものだった。
蒋門神が大した腕前だと聞いた武松はすぐに対抗心を燃やし
この依頼を引き受けることになった。

5、出発の朝、「大事な勝負の前だから」と酒を出されなかった武松は
すぐにヘソを曲げて、わざわざ快活林につくまでの間に
街道で通った飲み屋全てで酒を飲むと言い出した。
一度言い出した以上は聞かないので、施恩は見ている事しか出来ない。
そんなこんなで快活林につく頃にはべろべろになっていた武松だったが、
営業中の快活林でさんざん因縁をつけて蒋門神を引きずり出した上に
ボコボコにして孟州から出て行くことを約束させ、ミッションコンプリートしたのだった。


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◎かんそう
・このところ哥哥の話で欝展開が続いていたため
ひさびさにスカーンとすっきりするバカ話で楽しかった(笑)
武松は前回の一件で一皮剥けたかと思ったんだが、
やっぱりアホのままでした(笑)

・それにしても同じ流刑で囚人護送の道行きなのに
林教頭と比べてこの明るさはいったい…(^^;
まああっちは中央のドロドロがらみってことも大きいんだろうけど、
やっぱ田舎って大らかでいいな〜(笑)


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◎人物まとめ

・武松(ぶ・しょう)…元・陽穀県の都頭
右へ行けと言われれば左へ行き、
左へ行けと言われれば右へ行く。
いや〜、やっぱり武松はアホで良いね(褒め言葉)。
唯我独尊っつーか、殺威棒とか
明らかに普通ならあんな態度取ったらキケンなんだが、
こいつの場合はとにかく無茶苦茶な肉体スペックが取り柄だから
それで実際まかり通ってしまうというのが可笑しい。
「俺は酔った方が強いんだ」とか新設定を勝手に作ってるのにも爆笑したし。

ま、結果オーライだったから良かったんだが(笑)



・張青(ちょう・せい)…菜園子
・孫二娘(そん・じじょう)…張青の妻


十字坡で居酒屋をやっている夫婦。
カミサンはともかくダンナは話のわかる人のようだが、
でも旅人をとっ捕まえて取って食っちゃう(しかも文字通りの意味で(^^;)ってんだから
まったく相変わらず中国はおそろしい。
やはり江湖の人間にとって役人の命ってのは
虫けらほどの価値しかないってことか@@
やっぱりあの護送人二人は帰り道に饅頭の餡にされちゃったのか@@
あとこのカミサン、中の人は瑛姑ですね。



・施恩(し・おん)…孟州牢城の典獄
元は江湖の人で、金眼彪の異名を取る。
蒋門神に縄張りを奪われて困り果てており
武松に退治を依頼した。
しかし殺威棒の場面、武松のとこにも書いたけど
普通とまるっきり逆で
この人のほうが何とかして罰を与えないようにしようと
苦心するって構図がワラエタ。



・蒋忠(しょう・ちゅう)…快活林の今の主
このおっさん顔が濃いから一発でわかったけど、
「呂布与貂蝉」で董卓役をやってた人だな(笑)
武松にいじめられて孟州を追い出されることになってしまった。
本当はこのおっさんのほうがいじめっこで、腕も強いんだろうけど
この場合実力差がありすぎて、どう見ても武松がいじめているようにしか見えん(笑)
あと奥さんは妙にキレイな人ってのも
ここまで出てきた悪者髭ダルマと同じだ。



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コメント

およよ〜、軽功を習得されたのかと思うくらいのマッハな鑑賞ですねぇ〜!スゴイ!!!
それだけ面白いってことですよね。

>ああ、馬鹿って良いなぁ…
この一言に吸い寄せられてしまいましたぁ〜♪
by: ぱお * 2008/03/14 13:07 * URL [ 編集] | page top↑
>ぱおさん
もちろん面白いってのもあるんですけど、
悪人が「ゲヘヘ〜」ってのさばるような「溜め」の展開に入ると
ついその先の解放のカタルシスを求めて止まらなくなっちゃうんですよね(^^;
比較的時間に余裕があるからこそ出来ることですが…

このおはなしには
ほんとにいろんな馬鹿が出てきて実に楽しいですよ。
(もちろん良い意味で↑)
百八人もいれば、そりゃよりどりみどりってのもある意味当然ですね。
by: Manbo * 2008/03/14 19:12 * URL [ 編集] | page top↑

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