あらすじ周伯通は瑛姑と共にどこかへと行ってしまい、
やがて残された郭靖・黄蓉・洪七公の前に欧陽鋒が姿を現した。
腕比べを始める七公と欧陽鋒の二人だが、
内功がまだ回復していない七公は徐々に押される。
師を助けるべく口出しをする黄蓉によって
体に染み付いた九陰偽経を思い出させられた欧陽鋒は
自滅して谷底に飛び降りていった。
そこへ黄薬師がやってきた。
未だ煙雨楼での一連の件で郭靖との間にわだかまりのある黄薬師、
それにその黄薬師と早く腕比べを始めたがる七公を見て
黄蓉が一計を案じる。
即ち七公と黄薬師のそれぞれが郭靖と腕を競い
より優れたほうをこの崋山論剣の勝者とするのである。
提案は受け入れられ、黄薬師と郭靖はお互いの内功を形に変えて勝負を始める。
二人の一進一退の攻防を破ったのは突如乱入した欧陽鋒だった。
体中の経脈の流れを逆にした欧陽鋒は
そのために武功の腕こそ最強となったもののすでに正気を失っており、
最後は黄蓉の言葉に騙されて自らの影を敵だと信じ
それから逃げるようにして去って行った。
戦いを終えた郭靖は七公の一言により晴れて黄薬師を義父と呼び
二人は無事和解を遂げるのだった。
役目を終えた七公は別れも告げずに去り、
そして婚礼のため桃花島へ戻ろうとした三人の下に鷲が手紙を届けた。
手紙はコジンからのものであり、まもなく蒙古が宋攻めのために
襄陽を落とそうと軍を出したと知らせていた。
郭靖と黄蓉は襄陽へと向かう。
その道中で生まれて間もない赤子を抱く穆念慈と偶然出会った郭靖は
念慈に頼まれて赤子に「楊過」と名付けるのだった。
襄陽の役人は案の定使い物にならず
郭靖と黄蓉の二人は蒙古軍の将を暗殺しようと陣に忍び込む。
奇しくも軍を率いていたのはトゥルイであり、
そしてまさにその時、チンギス・ハーンが危篤との報が届いていた。
チンギス・ハーンが自分との再会をも望んでいることを知り
感極まった郭靖は幕屋に飛び込む。
こうして郭靖は黄蓉を連れ、トゥルイと共に再び蒙古へと向かった。
チンギス・ハーンは郭靖を快く迎え、
自分とジャムハのように仲たがいはするなと郭靖とトゥルイに言いつける。
二人を伴い草原へと馬を走らせたチンギス・ハーンは
鷲を射ようとするが、矢は的を外し落ちていく。
死期を悟り、自分の偉業を誇らしげに語るチンギス・ハーンに対し
郭靖は多くの血を流してまでやったことに何の意味があったのかと
逆に問い掛けるのだった。
かくしてチンギス・ハーンは没し、郭靖は黄蓉と二人、中原へと帰って行く。
Pick Up・前回ブツ切れで終わった直後からそのまま始まったため、
一灯大師の出番は冒頭で終わりでした。
やっぱ「前回の最後」の部分がナシでそのまま始まると、
今回は尺がいっぱいいっぱいなんだなーと、ちょっと期待と不安が入り混じりますね(笑)
・性悪いたずらっ子の老頑童もかつての愛人の前ではたじたじだ

で、崋山にノロケ歌を響き渡らせつつ二人そろって退場
結局、瑛姑に対する答えを出してくれないままでしたが
まあそれはそれでこやつらしいとも言える。
別のところにも書いたけど、なんか童話的な雰囲気で退場していくところも
またこの老頑童というハチャメチャなキャラクターを象徴しているようだ。
・一方その頃、
ひさしぶり師弟三人勢ぞろいの図は和みます。
「師父とお前の爹のどっちが強いと思う?」
なんて聞いたら蓉儿は何て答えてくるかわかってるくせに、
からかって聞くんだよねこのオッサンは(笑)
焼き芋に釣られて動く視線もワラエル。
・焼き芋ウマそうだ。

しかしこの人、最終回まで相変わらず食べてばっかり。
ベラベラベラ〜って話してるのに、
突然まじめくさって腹黒娘に文句言うのが可笑しい。
・龍の咆哮と共に激突する西毒北丐

最終話まできてやっと七公が戦えるようになったのはうれしいのですが
やっぱりまだMaxではなかったようで、それが残念だ。
・「あれだけ悪賢い親父がいるんだから、娘が悪賢いのも当たり前だな」
なーんて憎まれ口を叩いていると
「老叫化子(ラオチャーホァヅ)め、陰口などたたいて恥ずかしくないのか」と
こちらも憎まれ口を叩きながらご登場であります。

その後、第一声の「蓉儿よ、またきれいになったな」でいきなりズッコケル
ほんと期待を裏切らないよこのパパは(笑)
「ますます母さんに似てきたな」
さらりと郭靖をシカトしつつノロケ続行するが、
まあ今回は仕方がない。
暴走中のこととはいえ、この間は
老賊(ラオツェイ)殺す殺す言って聞き分けなさすぎたからな。
・しかし今回の七公はテンション高くて楽しいね(笑)
「この黄老邪め、飢え死にさせようって気か?」とか
こういうハシャギ役はここんとこずっと老頑童に取られてたけど
アレとは違った形で周りの人を自分のペースに巻き込むのが
七公の愉快なところですよね。

しかしほんと反則的だよなぁ、この不良親爺どもの魅力は
この一連の会話に主人公、割って入る余地がぜんぜんない(笑)
ところでいまさらですが、蓉儿は弟子入りして以来
基本的に七公のことはずっと師父って呼んでるんですよね。
郭靖はしょっちゅう師父って言ったり七公って言ったり混ざってるんですが。
意外とこの辺は蓉儿のほうがしっかりしてるってことなのかな。
あと郭靖は七公以外にも師父がいるけど
蓉儿は基本的には七公だけってこともあるか。
・最後の戦い

てっきりコレ真面目に武林の最強を決める戦いだと思ったら
三百手とか条件を持ち出す蓉儿に思わずオイオイと突っ込みたくなるのですが、
それはさておきラスボスは因縁の黄薬師パパ vs 郭靖なのでした。
かつて桃花島で東邪vs西毒vs北丐の内功勝負に巻き込まれた時は
絶叫してた靖儿が今回は対等に音波を受け流しているのを見ると
強くなったなぁと実感できる。
・実は39話あたりまで見て
あまりにも残された時間が短かったもんだから
ひょっとすると中盤あたりでほのめかされたこの崋山論剣は
やらずに話が終わっちゃうの??
と結構心配してたんですが、
でもオープニングでこの裾の長い服をはためかせてる靖儿を見て
ああ、まだ大丈夫かもと希望を持ち直したものでした(笑)
ま、だからこそ前回書きませんでしたが、
崋山へ来てこの最終決戦バージョンの服に着替えていた靖儿に
改めて感慨深くなってしまったってのはありましたな。
この最後の戦いは原作だとこういう内功勝負ではなかったそうですが
私はこれで満足です。
ここまで来たらいまさらドカバキ肉弾戦というのももういいかなというか、
まあありていにいうと
この雰囲気にすっかり騙されることができたので良い気分です。
攻められ一辺倒で黄薬師の攻撃を受け流しつつバリヤー形成、

で、攻撃に転じてズバーンとぶつかり合って相殺
で、オープンスペースが出来たところに

追撃!
対するパパは昇ってくる龍を押さえつけようとする…
てな具合に、見た目はトンデモ超能力バトルなんだけど
ちゃんと何をやってるかわかるのは良い。
そしてこの激しい戦いにも関わらず
流れているのは静かな笛の音というのがまた良い。
生死がかかってるわけじゃないってのもあるんだろうけど、
郭靖が穏やかで落ち着いているというのもそういう雰囲気が感じられる一因か。
・そこへ

ポーピピピピピピピピピピピピピ!
としか形容できない異常な音を発しながら、逆立ち怪人が登場…
あまりにも早く回転しすぎて超音波が出てるのかコレ?!@@

克儿よ父はやったぞと
滑稽なんだけど、悲しいな、この人は。
すっかり壊れちゃって欧陽鋒という自分の名前も忘れてしまったのに
「武林の一番になること」と「愛する息子・克儿」の二つだけは
忘れていなかったというのがなんともやるせない。
・決着がつき、未だに黄島主などと言っている靖儿に
七公から最後にシャーシャオヅの檄が飛ばされ
めでたしめでたし
イヤまったくここまでほんと長かった!(^^;
・翌朝、やっぱり七公は一人行ってしまいました。
師匠として弟子の問題をきっちり全部片付け終わったから
行っちゃったんですね。
改めて、自由人なくせに義理堅い人物です。
きっと桃花島で婚礼の際にはどこからともなくまたひょっこり現われて
宴席の皿を片っ端から平らげていくことでしょう。
その一方で、

あーたたちはもう、朝っぱらからイチャイチャしおって(^^;
しかし郭靖に比べると、蓉儿はやっぱり七公のことをよくわかってるから
いまさら特に落胆したりもせずに、普通に受け止めてるんですね。

しかしなんかようやく全てのわだかまりがなくなって
普通に靖儿と黄薬師パパがほがらかに会話をしているというだけで
やたらと感慨深いよ@@
「これからは誰にもウチの靖儿をバカ呼ばわりはさせんぞ」なんて言っちゃうんだもんなぁ。
やっぱりいい人だよ黄薬師パパは。
ひさびさに出た、この靖儿の超得意げな「ウン!」もワラエル。
このホームドラマだけでももっとたくさん見ていたかったな〜
手紙が来て、で、最後の最後まで娘に甘いパパ…で出番終わりなのでした(笑)
+++++++++++++++++
・蒙古軍の陣幕、あんなことがあった後でも
やっぱり大汗が危篤だと聞いちゃったらショックだよなぁ。
全て許すからもう一度会いたいという大汗の願いにもまた涙だ。

そしてこんなにはやくトゥルイと再会するとは…T_T
でも劇中時間ではそんなに経ってないとはいえ
ずいぶんひさしぶりに再会した気もする。
(あとなんか郭靖が持ってる短剣、
やっぱちゃんと母さんの遺体から回収してたっぽいな@@)
「英雄を自称してるくせに二人とも子供みたいに泣いちゃって」なんて蓉儿の突っ込みでも、
なんだか救われた気持ちになります

めっきり弱々しく老け込んでしまって
おまけにここに至って温かく迎えてくれる大汗にまた胸が熱くなるT_T
最期に自分とジャムハのことを思い
トゥルイと靖儿の仲を案じてくれた大汗
やっぱこの直前の場面の「お前を殺しに来たんだ」って言って
二人で抱き合って号泣していた余韻がまだ残ってるから
この辺は涙腺が緩みっぱなしだなT_T

郭靖は郭靖の信じる英雄たる資格を説き、
そして大汗もまた自分の信じる英雄の道を信じて生きた
結局、二人の英雄の道は交わることこそあれ
重なることは最期までありませんでした。
一人は覇業を成し遂げ結果として歴史に名を残し
もう一人は名は残さず、しかしまた自らの信じる道を生きた
落日の中、一人残った郭靖の姿は我々見ている側に
はたしてそのどちらが幸せだったのだろうかと
問い掛けているのかも知れません。

英雄とは、そして幸せとは何だったのでしょうか?
静かな余韻を残しながら物語は幕を閉じました。
やっぱり「射雕英雄伝」という題名を冠している以上、
この終わり方以外には考えられなかったと思う。
こうして全四十二話が終わりました。
いや〜、長かった@@
そしてほんとうに、すばらしかったです。
英雄となった郭靖はこれから愛する蓉儿と共に自らの選んだ世界で
弱く苦しむ人々を助けて生きていくのですね。
最後まで見終わった時、一番最初に出てきた言葉は「ありがとう」でした。
最終回ということで今回も密度たっぷりの一話だったわけですが、
「あっけなく終わってしまった」という感想もときどき見受けられます。
たぶん、終盤になってもまだ老頑童が裘千仞とダラダラ遊んでたりとか
蓉儿探し中のはずだった郭靖が突然投げ出して
蒙古に帰って将軍をやり出した結果寸詰まりになったとか
その辺も考えられますが、
すっきりしなかったと受け取られる一番の原因はたぶん
「ボスキャラ不在」ってことじゃないでしょうか。
長い旅の中で武功の腕を磨いていった郭靖なんですが、
実は本気の本気で戦ったことって
ほんとに数えるくらいしかなかったんですよね。
純粋なアクション面でのカタルシスでいうなら
36話の煙雨楼の戦いが一番のクライマックスでした。
しかもその回においても郭靖が戦ったのは前半だけで、
後半は裘千仞と地味にやり合ってただけという感じでしたし。
まあこれはひとえにサブキャラクターの魅力が強すぎて
そっちについフォーカスが行ってしまったというのもあるとは思いますが(笑)
だからきっとそういった「武功アクション」もの
としてのクライマックスがあったとしたら、
最後の敵は九陰真経を身に付けて最強に強まってしまった
欧陽鋒、もしくは楊康あたりでしょうか。
で、崋山の戦いでそれと戦って倒す…というのが
一番収まりは良かったのではないかとは思います。
ただ、やはり物語当初に蒙古に行った辺りから
この物語が英雄とは何なのかを探求する話であるということが
示唆されていた以上は最後の場面が蒙古になるというのは
ある意味、既定のことでしたし、
強さを突き詰めていった結果
戦って勝ったり負けたりといったことには意味がないという結論になるのも
十分に答えとして有り得たのですから
そういった単純なお約束的なクライマックスは
残念かも知れませんが、期待はしてはいけなかったのです。
(私は別に残念ではないですが)
前回も話に出しましたけど「拳児」でもやっぱり最後は
「戦って勝つこと」以外の価値観を見出して終了、という感じだったしなぁ。
と、まあそんな具合に、
その英雄探求物語という枠組みの中で
それぞれのキャラクターがこれまでにさんざん描かれたたっぷりの魅力を
余すことなく発揮してみせてくれた
すばらしい最終回だったと私は思います。
この各話感想もこれで最終回なわけなのですが、
最後に総括のようなものをもう一回分…書こうか考えていたのですが、
でもだいたいこれまでで言いたいことは全部出しちゃったかも。
てなわけであとは
それぞれの登場人物に対する思いのたけを吐き出して終了…かな。