◎できごと1、東京開封府では牛二という名のならず者が市場を荒らしまわっていた。
金を払わずに露店の果物を食らい、文句を言われれば店主に暴行し、と
やりたい放題の牛二に対し、町の者たちは腹に据えかね開封府へと訴えに行った。
ところが牛二は官僚に親戚がいるために、
たとえ逮捕したとしてもすぐに出所してしまうと
府尹は泣き寝入りを勧めるだけであった。
2、東京に戻った楊志は林冲からのことづてを伝えるべく
彼の家を訪れたが、家には誰もおらずに荒れ放題。
近所の者から妻が自殺したこと、そしてその父も気が触れてしまったことを聞き
やるせない気持ちになるのだった。
3、今回の花石綱の任に失敗した楊志はこの件の皇帝へのとりなしを頼むべく
家財を売り払って必死に金策し、玉の器を作らせて太尉に面会した。
しかし先日の衙内暴行事件の真相も明らかになっておらず
虫の居所の悪い高俅は、せっかくの器を打ち壊した上に楊志を牢に送ってしまった。
4、最後の金を使って何とか牢から出た楊志だが
宿代すらも払えなくなってしまった。
仕方なく家宝の宝刀を売って金を作ろうと、翌日、市に出かけた。
そこで牛二にからまれた楊志は、はずみで宝刀で牛二を殺害してしまった。
5、楊志は殺人罪で開封府に出頭したが、
町の者たちが証言したこともあって、府尹も彼を死罪にはできない。
しかしその一方で、大理寺(官庁)の牛二の縁者からも楊志の死を要求されていた。
折衷案として府尹は楊志をひとまず北京の大名府に送って軍役につかせ、
その後、適当に向こうで処分するよう指示すれば良いのではと提案した。
こうして、楊志は北京大名府に行き、提轄となったのだが…
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◎かんそう・というわけで、今回は林冲と別れた楊志が
不幸な運命に翻弄されまくってやさぐれる話であった。
いや〜、なんかここまでどん底だとほんと同情してしまう(^^;
大名府でなんとか身を持ち直したかのように見えたけど、
絶対このままうまくはいかないだろうし(^^;
(しかも本人はやり直せそうなつもりになってるだけに、
先のことを考えるとさらに痛々しい(^^;)
・楊志のご先祖様というのは「楊家将」の人なわけで、
この人が家柄やご先祖様の名誉というのにことさらこだわるのには
そういったバックグラウンドがあるというわけだ。
前回、「梁山泊でどうせこの任務に失敗した以上は
もうタダじゃ済まないから残ればいい」と言われて、
その通りにしておけば傷はたぶん少なくて済んだはずなんだが、
それでもあえてこうして失点回復のために戻ってきたというのは、
そうして任務放棄することによって
家名に傷を付けるわけにはいかないという思いからだったんだね。
・それにしても、結構印象的だったのは
今回、民衆がちゃんとならず者に立ち向かおうとしていたという点だろうか。
結構こういうパターンだと誰かがいじめられていても
自分たちは見ぬフリして隠れちゃったりとか、
そのならず者が成敗されたからといって
面倒には巻き込まれたくないと逃げちゃったりとか、
そんな風になってもおかしくはないんだが、
冒頭でもちゃんと瓜売りの人がボコられていたらみんなで武器を手に助けに入るし
楊志の件でも進んで証言しようとするし。
とても好印象だった。
だからこそ、こういう善良な民が苦しむような状況を放置しておく
お上のしょーもなさも引き立つというわけだね。
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◎人物まとめ・楊志(よう・し)…提轄
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 | 「なんでオレばかりこんな目に…」と愚痴るその姿は 悲哀たっぷりで涙を誘う(^^; 必死こいて同僚に頭下げまくって 家財まで処分してせっかく作った玉の器も 高俅に投げ割られちゃうし(^^; アレは本当にヒサンだ。 (でも魏宗万が演ってると、単に虫の居所が悪かったってだけではなく 本当に楊志の弁解を信用してないだけにも見えるから面白いね。) |
しかもその後酔っ払って店主に管巻いたら翌日は宿代請求されるしで、
そんなどん底の状況でネチネチと鬱陶しく絡まれたら
ついカッとなってサクッと殺ってしまったのも仕方がないというものだ。
しかしなんか次回もさらにヒサンな目に会いそうな気配がありありと…(^^;
ちなみに、みんな大好き楊過やそのダメな父・楊康は
この人の子孫という設定らしいぞ。
・牛二(ぎゅうじ)…ならずもの
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 | で、そんな最高に虫の居所の悪い楊志に絡んだのが この大虎と呼ばれるメタボ腹男。 このすごいお腹は明らかに役者さん自身の腹であって、 なんつーか、お大事にと言いたくなってしまう(笑) 大理寺に親戚がいるとかで、まさに鼻つまみ者を地で行っていたが 宝刀の切れ味を身を以って試したことで その有害無益な人生を終わらせた。 若干キャラが被っているこないだの肉屋の鄭はまだ同情もできたが、 こいつの場合は完全に自業自得だな(笑) |
| ・開封府の府尹(かいほうふのふいん)…開封府の府尹 |
 | このおっさんは、この前の林冲の裁判の時にも出てたんだが… いや〜、なんか、世渡り上手で良いですね(笑) しょーもない連中が上にのさばる太平の世の中で いかにうまく立ち回れば上からも叩かれず、下からも突かれずに うまいことやっていけるかというのを、絶妙に心得てる(笑) 世の中はキレイ事ではやっていけないということをわかった上で、 かといって悪に染まるというわけでもなく。 このバランス感覚はすごい。 |
今回も楊志を殺せと大理寺に言われれば
うまいこと言い逃れて、結果的に厄介事は他になすりつけてるし(笑)
つーか、たぶん明らかに自分が町の者たちからも恨まれずに
上からもにらまれないようにというのが趣旨だと思うんだが、
そのくせ楊志の前ではいかにも相手のことを考えてます、みたいなことを言って
言いくるめてしまうのもワラエル。このおっさん良いわ(笑)
| ・梁中書(りょう・ちゅうしょ)…北京大名府留守司(総轄) |
 | 蔡京宰相の娘婿。 楊志とは前から面識があったらしい。 中書って、名前なのかな?? 武術を好むらしく、大名府に来た楊志が噂通りの腕前で お気に入り&ご機嫌のようだ。 いちおう、当初の目論見では この人に後から連絡して 適当に楊志を始末させるという段取りになっているようですが、 はてさて… |