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というわけで、嵐のような勢いと言っても差し支えない勢いで鑑賞終了した
金庸原作武侠ドラマ「碧血剣」でした。
いや~、まあ、これは金庸モノですから
たぶん、私があれこれ言うまでもなく普通に多くの人が鑑賞することでしょう。
なので、ネタバレ抜きの範囲で言うこともそれほどないですね。

色々な意味で、良くも悪くも金庸ものだな~、という感じでした。
アクションに関しては文句なし。レベル高い。これは期待して良いです。
ただし原作がもともとそれほどスケールの大きなものではないっぽいので、
(↑物量的な意味で)
全体としてストーリーやキャラクターの活躍など、
武侠ドラマとしてそこまで過度の期待はしないほうがいいという具合でしょうか。
とはいえ、少なくとも水準以上の面白さは間違いなくありました
いちおうは、自信をもってオススメできます。
このクオリティはさすがというところですね。


以下、最終話までのネタバレ込みで↓


・ストーリー
金庸作品の長所として「実際の歴史や出来事を題材・背景にしている」というのは、
いまさら私などが言うまでもなくすでに既知の事実だと思いますが、
しかしやはりこれって一長一短だな~とも思う。

というのも現実のものをベースにしている以上は、
際限なしに破天荒な展開をやるわけにはいかないんですよね。
特にこの物語の場合は、李自成の乱という歴史上の出来事が
かなり物語の中核に据えられてしまっているわけで。
(例えば「射雕」なんかはいちおうチンギス・ハーンという
歴史上の人物を出しているし、物語に関わってもいるのだけど、
あくまでメインとなる舞台は中原の江湖世界だったので、
物語の進行はかなり自由に空想の赴くまま…という感じはありましたよね。)

まあ、この碧血剣碧血剣で、
基本的には江湖のあちこちの事件で話を繋いでいくのですが、
大まかな流れは変えられないというおかげで
ある程度は枠組みとしての制約が存在していたというのもまた事実ではないかと思う。
(ん? とか言ったものの、改めて考えてみたらそこまで言うほどでもないか?)

…と書いた後で特典映像のメイキングを観たんですが、
なるほど、やっぱり「碧血剣」自体が
もともとかなり歴史色の強い作品だったんですね。
となると、この点について文句をいうのはあまりフェアではないのかな。
やはり金庸原作ということで、無意識のうちにハードルが高くなってしまっていた
(期待値が上がってしまっていた)というのは
なんだかんだであったのかなー。
でも突き抜け具合がもうひとつ欲しいというのはあった。

あとはやっぱり、これも金庸ものの宿命ではあるんだが、
「民族としてのアイデンティティ」から、
「絶対に、ダンコとして満州人とは相容れない。
たとえ相手のほうが筋が通っていたとしても
あっちについたら無条件で売国奴の悪者決定!」というのは、
ちょーっと、我々には共感できないよねー(^^;
いや、仕方ないってのはわかるんだけど。

てなわけで全体としては
明の滅亡と李自成の乱、という、
題材としてはわくわくするものがあったんだけど、
終わってみればなんだか物語としては
妙に小さなスケールでまとまってしまったかも
という感じだろうか。
これは観ている最中にはちっとも感じなかったのだけど、
終わってみてから振り返ったら、おや?という程度のものなので、
鑑賞自体の妨げにはならなかったんだけどね。
続きが気になってぐいぐいと観ていく危険な麻薬的中毒性は
健在すぎるほど健在だったし(笑)

しかしこのところ、ストーリー構成のけっこうカッチリした武侠ドラマを
いろいろ観ていたというのが大きいんですが、
やっぱり金庸作品ってほとんど思いつきだけでストーリーを作ってるよなー(^^;
というのが、特に後半に入ってから感じてしまった(^^;



・音楽
ホルストの「火星」をそのまんま使っていたり、
その「火星」にクリソツなメロディが使われていたりしたのはちょっと戸惑いましたが、
それはなんとか慣れました(笑)
それ以外の戦闘音楽は格好良くて好きだった。
やっぱ戦闘音楽が燃えるってのは第一条件だよね。

あとは胡弓(かな)を使った劇中でよくかかる情緒感あふれる曲
(二十八話で歌詞つきで披露されたあのテーマ)も良いし、
阿九のテーマソング的に使われるあの草笛の曲も良かった。

オープニングは、前にも書きましたが最初はつかみが弱かったものの、
本編の鑑賞が進むに連れてあの勇壮な曲に燃えるようになりました。
エンディングも、こうして全てが終わった今となっては
あれが袁大哥が阿九へ向けた想いだということもよくわかり、
この先、続くであろう彼の人生にまた思いを馳せたりして
しみじみとしてしまうのであった。

総じて音楽は悪くはないけど、
神レベル、素晴らしい、というほどではなかった
という感じか。
なんか毎回音楽に関してはこんな感じでまとめている気がするけど、
でも本当に力のある音楽ってのは
それだけでググッと場面効果が高まって泣きそうになるからなぁ。
(ドラマ版「七剣」とかがそうだったが。)
そこまでのレベルには達してはいないけど、
そうそう普通にそこまでのレベルを求めるのは酷ということでもあるのかな。



・アクション
いや~、これに関してはほぼ満点でしょう。
最新の2006年度のドラマということで、
CGとワイヤーアクション、それに肉弾が
見事に高いレベルで融合した殺陣を見せてくれました。
それもちゃんと見ているほうが「何をやっているか」わかるように配慮されたカメラワークや、
毎度毎度、戦いの場面ごとに得物を変え、品を変え、バリエーションを持たせて
「アクションを楽しませよう!」という心意気がビンビン感じられたのは非常によろしい。

個人的には、カタルシスのピークはまだ先が見えなかったってこともあわせて
第二集の船上での戦いだったかな。
でもその後も退屈などとは程遠く、
全編見せ場だったと言っても過言ではないくらいに
アクションのクオリティは高かったのではないでしょうか。
アクションのためだけでもこのドラマ、観る価値はあったと言えるかも知れません。
いや、あくまであまり目の肥えていない私の基準ですが(^^;

メイキングを観ても、やっぱりかなりこだわって作られているということがわかって
改めて佩服(-入-)でした。
スタントを極力使ってないってのも
やっぱなんだかんだで「直接的には見えないところで」かなり差が出てるのかもね。

しかしアクションとは関係ないけど、
結局金蛇郎君のあの変面って演出効果以上のものはなかったんですね(^^;
暗黒面の内力の使いすぎかも知れないとか妄想したのに…(んなわけない)



・キャラクター
やはり金庸ものはキャラクターが命、というくらいに、
それぞれ魅力たっぷりでした。
特に爺クオリティはやっぱり他の追随を許さないよな~と実感。
実写ドラマということで、見た目においてもまた
魅力たっぷりにそれぞれの演員さんが演じていたというのも大きいでしょう。
(なんかこのフレーズ、いつも言ってる気がするが…)

さて、魅力たっぷり…ではあったんですが、
それで百点満点があげられるかというと、
それはそれでまた待ったがかかるわけです。

やっぱり、なんといっても一番に言いたいのは
これは原作の問題でもあるのですが、
こう、大まかな感じで書くとどうも表現しづらいので
ぶっちゃけて具体的に順に述べていきますが、
まずは
・崋山派の人たちやその他の達人の出番がもっと見たかった。
これでしょうか。
せっかく崋山派がかなり突出した強さを持つ流派だということがわかって、
物語の進行に合わせて次々と個性的な師兄たちも登場するわけなんですが、
結局見せ場らしい見せ場がほとんどなく終わってしまったのは
残念としか言いようがありません。
せっかく出てきたんだからもっとこういう達人たちが
主人公そっちのけで好き放題に大暴れ!という展開を
金庸ものとして期待してしまったというのはあります。
(これもやはり金庸ものということでハードルが上がってたかも知れませんが。)
いずれ主人公の承志が闖王軍と一緒に
師兄たちと肩を並べて戦うような場面があると思ってたんだけどな~(^^;
残念ながらその期待に応えてはもらえませんでした。

それから
・ヒロイン関係の杜撰さ
これはなぁ…(^^;
正直、意図が読めませんでした。
いや、そりゃ確かに毎度毎度定型的なヒロインを登場させて
お約束的な成長や変化をさせれば良いというものでもないのですが。
しかしそれにしても、いったいあれはなんなの、と(^^;
ヒロインの魅力というものをさっぱり観ている側が理解できず、
感情移入もできない状態では
いくら主人公がそのヒロインと仲を深めようとしても、さっぱりわかりません。
なんでその女が好きになったのか、なんでその女とくっつくことにしたのか、
まったく共感できない。
主人公に感情移入することが前提となっているであろうこの手のお話において
そういった観ている側と主人公の間に距離を感じさせてしまうというのは致命的です。
型破りなヒロインなら、それはそれで良いんです。
でもそれなら、どうして主人公がその型破りなヒロインに惹かれていくのか。
そしてそのヒロインのほうも、視聴者の分身たる主人公が惹かれるなら惹かれるで、
それに応じたそれなりの変化を遂げて欲しいと思うのは
やはり自然な感想だと思うのですが。

(いちおうメイキングとあわせて考えた感じだと
承志は義務感から青弟とくっつくことにしたというのが正解に近いようなのですが、
それはそれでまたなんだかなーという感じです。)

あとはなんかフェードアウトした人が何人かいたりとか、
投げっぱなしで終わった人がいたりとかかな。
ドルゴンとか、まさかあれでもう出番終わりだとは思わなかった(^^;
この辺も、ストーリーのところに書いたけど
基本、思いつきと勢いの作品づくりならではでしょうか(^^;

主人公の袁承志に関しては、
少なくとも私はストレートな好漢という感じで
存分にカタルシスを感じさせてくれたという点で評価しております。
やはり基本は主人公に感情移入して観るわけで、
その主人公が個々の場面で観ているこちらが「こうして欲しい!」と感じるその通りに
きちんと行動してくれるというのはうれしい。

総じて、魅力的なキャラクターはたくさん粒ぞろいだったんだけど、
原作全体としての尺の短さなどもあって
やはり終わってみればいまひとつ食い足りない印象かなー。
観ている最中は文句なしに面白かったんだけどね(^^;

 
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