2001年 中国
原題:古玩--------------------
周の時代に作られたという二組の鼎。
その鼎をめぐる
清代末期から中華民国が興り、日本軍の侵攻が始まる数十年に渡る
二人の骨董商、隆と金の因縁と運命を描いた物語。
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ちなみに原題の「古玩」は骨董のことです。
えーと、まずDVDのパッケージから紹介文まで、まるっきり大嘘です(^^;
ジャンル分けが「
アジアン・トレジャーハンティング・アドベンチャー」となっておりまして、
あらすじは
「
アジア全土を巻き込む究極の“秘宝”の争奪戦を描いた壮大なドラマムービー。
2つ揃えば時の権力者になれる程の力を秘める鼎(壷)の1つを持つ中国人・隆と金は、
もう1つを見つける旅に出る。数十年後、中国に侵攻して来た日本軍も、その鼎を狙っていた。」
となっていますが、
これは
九割がたが嘘(笑)
「
2つ揃えば時の権力者になれる程の力を秘める鼎」
こんな設定はありません。ただの骨董品です。
「
もう1つを見つける旅に出る」
旅になんか出ません。
二人とも北京で古物商をやってるだけです。
つーか別に
トレジャーハンティングじゃありません。
ジャンルと紹介文を見る限りでは
てっきりインディ・ジョーンズみたいな宝探しものなのかと勘違いしますが、大嘘です。
もっと全然
真面目な人間ドラマでした。
これはちょっとひどい(^^;
誇大広告ってレベルじゃねーぞ!まあ、かなり内容的に地味といえば地味なので、
確かにそういう風に宣伝して、まず手に取らせる必要というのもあるのかも知れませんが…
しかしいざ観てみたら期待してたようなものとぜんぜん違うというのはちょっと問題があるよ(^^;
で、この映画ですが、
要するに隆さんと金さんという
二人の骨董商の若い頃から年を取るまでの長年に渡る確執、
そしてそれと同時に
清朝の終わりからダイナミックに移り変わっていく時代の流れ、
それに翻弄される人々の生き方、というのが主な内容です。
感じとしてはインディ・ジョーンズなんかよりは
むしろ「ライフ・イズ・ビューティフル」みたいな映画に近いかも。
やっぱり、時代背景的に(日本軍による占領とかも入ってくると)どうしても重くなってしまいますし、
あと骨董を扱った映画ということで芸術品を映している時間なんかも長く、
やや観る人を選ぶ作品かも知れません。
繰り返しになりますが、
上の紹介文とかとはぜんぜん違い、かなり真面目な映画です。
私はこういうのも決して嫌いではないのですが、
うーん、まとめるなら、何といえばいいだろう。
清朝末期〜中華民国という激動の時代を生きた二人の男の生涯を追体験し、
その人生に絡み合った二つの鼎について思いを馳せる…てな感じでしょうか。
「頭を空っぽにして楽しむ」ような類の映画とは違うので
そういうのを観たい時にはおすすめできませんが、
そういう映画ばかり観ていても頭が本当に空っぽになってしまうので
やはりこういう映画を観るのも必要だと思う(なんつーまとめ方だ)。
私は観終わった後に余韻に浸れましたので、良かったです。
↓以下ネタバレ
・なんだろう、やっぱりすでに書いたように
「
ぜんぜん違う内容じゃねーか!」というのがまず最初に来るだろうか(^^;
・一番最後のテロップは、さらに歴史が延びた、とかは
ちょっと蛇足気味だったよね(^^;
なんとなくプロパガンダっぽい臭いを感じて苦笑してしまった。
・しかし、基本的にかなり淡々と、現実的に話が進んだな。
ラストも秘密作戦でどうにかなったりはせず、
ある意味、ぜんぜん救いがなく終わったというのは悲しい
(変な意味ではなく、ストレートに終わった後の気持ちとして)。
尤も、日本軍の手に渡らせることなく鼎を始末することができたという時点で
ささやかな抵抗は成功したわけで、
少なくともその点では決して悲劇一色だったというわけではないわけだが…
・物語全体の基調として、やっぱり時代背景的なものから
日本軍の影というのは色濃いわけなんだが、
そんな中でも黒山という、ある意味、日本軍と中国の間で板ばさみになって
苦しむキャラクターというのをちゃんと配置しているというのは結構好印象だ。
要するに、一方的に日本人=悪、という風に描くわけではなく、
何が悪いって、戦争という状況が悪いのだという風にちゃんと描かれているということね。
・にしてもやはり一番時代の流れ…というか、
王朝の移り変わりというのを感じたのは弁髪かな〜。
中華民国になって、弁髪をみんな切っちゃったってことなんですよね。
あれはなかなか見た目にも大きな変化が実感できて、とても印象的だった。
・一応、人徳者という風に評判を得ている隆さんも
折に触れて嘘をついたり偽物を使ったりということをしているわけで、
そういう点ではやはり金さんと表裏一体に近いというか、紙一重だったんだよね。
その業の報いとしてパパさんは亡くなっちゃったわけで。
で、そこからずっと長いこと確執があって
やってやられてやりかえされて…と続いていたのが、
やがて世の中のほうが価値観を変えて行き、
そして日本軍の占領が始まって、もうそれどころではなくなった、という流れか。
ある意味、物語的に「こう」だとはっきりわかりやすいようには描かれておらず
淡々と描かれていっただけという感じではあったものの、
やはりこうして思い返してみると感慨深いものがあるのであった。
・そういえば、内容とは関係ないんだけど
結構最初のほうの一場面で「東周列国・戦国篇」でおなじみの
徐福来さんが出ていたのには笑ってしまった。
徐福来さんだと思ったら本当にエンドクレジットで名前出てるんだもんな〜(笑)