2001年 韓国
原題:武士--------------------
時は1375年、
中原では蒙古族の元の勢力が衰退し、朱元璋によって漢民族の明が興されていた。
そんなある時、高麗から明へと友好のため派遣された使節団が
都の南京で間諜の疑いから捕らえられ、塞外に流刑に処されてしまった。
その途上で遭遇した元の部隊によって彼らを連行していた明の兵たちが殺され、
自由の身となった使節団の一行は故郷へと帰ることを志す。
しかしひょんなことから元軍によって誘拐された明の姫を発見した一行は
汚名を晴らすべく、明日をも知れぬ状況で彼女を守り
元軍の追っ手と戦いながらの逃避行をすることになった…
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珍しく少し冒頭まで突っ込んだあらすじを書いてしまいましたが、
要するにこれは古装劇であり、例えば「七人の侍」みたいな、
「絶望的な状況下で、生存の道を求める」人たちの戦いのドラマです。
「
墨攻」で趙の大将軍をやっていた韓国の俳優
アン・ソンギさんが
とても渋くて格好良かったため、
その繋がりで鑑賞に至ったという次第であります。
ヒロインが私の大嫌いな
章子怡という点に一抹の不安がありましたが(爆)、
やっぱり古装劇ということで他の映画に比べれば入りやすいだろうというのが
選択の決め手となりました。
(これって、たぶん普通の人は逆で、現代劇のほうが入りやすいと考えるんだろうけど(^^;)
で、感想ですが…
いや〜、もうなんつーか、期待通りというか、期待以上というか、
アン・ソンギさんが渋すぎ。

このおっさんほんと格好良いわ〜。
役柄的にもかなりおいしい役でした。
超絶な弓の達人ってのが最高にイカすんです。

スナイパー最高。
もちろん戦い以外でも現場叩き上げの経験豊かな年長者という役柄が
まさにいぶし銀という感じで実によろしかったです。

とりあえず、このアン・ソンギさんを観たかったという点においては、じゅうぶんに満腹でした。
たっぷり渋格好良い様子を堪能できた。
いやはや、観て良かった(^^)/
そして、映画としてのプロットですが、これについてもやはり好みです。
やはりこういった、絶望の下で、希望を求めての逃避行というのは
萌え燃えます。
古装劇で、時代背景的にも元と明の間ということで馴染みがあるというのも
プラスに働いておりました。
キャラクターもなかなかうまい具合にそれぞれが描き分けられており、
メインキャラクターは、
使節団を護衛していた若い将軍(アフォ)、
使節団の副官のじいちゃんの召使をやってた奴隷(こいつがまた無茶苦茶格好良いんだわ)
使節団を護衛していた中でもやや下っ端の隊長さん(アン・ソンギ)
明のお姫様(章子怡)
元の部隊長(どこかで見たような顔だが…)
てな感じで
それぞれに魅力があったり、なるほどなーと思わされたり、
つまり、不自然さもないために、ばっちりと物語に入り込むことができました。
特に、アン・ソンギの役は別として、
上にも書きましたが、この主人公の片割れである奴隷の男が本当格好良い。

むっつり寡黙なんだけど、
やる時になったら長柄片手に敵の真っ只中に突っ込んでいってズバズバズバです。

殺陣…というほど様式化されたものではないんですが、

アクションは全体的になかなか見ごたえがありましたよ。
あと音楽、どこか耳に馴染みがあると思ったら鷺巣詩郎だったんですね。
+++++++++++++++++++
それから、舞台が半島ではなく、中原であるということも関係して
(蒙古人や漢人も出てくるため)
結構、どこかで見た顔がちらほら出ておりました(笑)
まず丸わかりですが、

余計なことを言ったり余計なことをやったりしては
痛い目にあっていた金の怪人軍団の「余計なこと大賞」霊智上人です。
このビミョーな目つきの悪さはかなり印象に残りますね(笑)
それから

張紀中ドラマではあまりにもおなじみのこの人(笑)
チラっと映っただけなんですが一発でわかってしまいました。
この人もこのヒゲと濃い顔で忘れないよな〜。
たぶんクレジットで見比べて探せば他にももっといそうです。
(ドラマ「成吉思汗」で見た顔も結構いた。)
++++++++++++++++++
しかしなんか最近観る映画観る映画、ぜんぶ面白いんですが…(^^;
たぶん、なんとなく観るんじゃなくて、
自分で「これを観たい」という志向性を持ってチョイスしているからというのがあるのかな。
映画のカテゴリ目次のとこでやたらと☆の数が多かったり
まるでおすすめが安売りされてるよーな感じになってますが、決してそういうわけではなく、
ある程度面白いだろうと見当をつけた上で観ているので、
本当にぜんぶ面白い、ということなのです@@
てなわけで、
・古装モノが好き
・渋格好良いおじさん(アン・ソンギ)が好き
・古装+サバイバルというシチュエーションに萌えこの辺の層ならばっちりおすすめであります。
ストーリーやキャラクターなど、ハマるとかなり燃えられました。
(しかし毎回、こうして書いてるけど、この「おすすめ層」って
普通の人にはぜんぜん役に立ってないような気も…)(え? いまさらですか?)
あと蛇足なんですが、どうでもいいことだし、
本当に、こういう話に首突っ込んだりするのは嫌なんですが、
この映画に対して、顔を真っ赤にして
「歴史捏造」だとかなんとかキーキー言ってるような人たちは
本当に頭が悪いとしか思えないですね。
こういう映画って、そういう見方をするものじゃないでしょ(^^;
おまけにわざわざちゃんとエンドクレジットの一番最初に
「フィクションです」って出てるのになぁ…
映画を映画として楽しめないような低能なアフォは
そもそも映画というものを観る資格自体ないというか、あー、いや、すいません、
もう面倒臭いし書いてて阿呆らしくなったので以下略ということで。
↓以下ネタバレ。
・やっぱり、キャラクターがそれぞれきちんと描かれているというのは大事ですね。
そのおかげでちゃんと感情移入して観ることができ、
見せ場では「うおー、来たー!」と燃えられるし、ピンチにははらはら、
そしてこの逃避行の先に、はたしてどうなってしまうのか、
生き延びることができるのか…といった風に
その行く末に劇中の人物と一緒になって一喜一憂できるというのは
とても良いことであります。
結構、お話全体としてはそこまで山や谷といった緩急があるわけでもなく
ある意味、淡々と進むんですが、
メインキャラクター以外でもそれぞれの人たちの生き様、死に様に
ずーんと来るものがあったのは良かったです。
こういうのは、まず古装劇の空気というのが好きというのがあるからかも知れない。
・いちおう主人公…らしい、あの若い将軍は
最初はあまりのアフォさに頭がくらくらして
こいつがこのままずっとメインで話が進むのか…?と
先行きがちょっと不安になったのですが、
やはり途中から無能っぷりを露呈し
隊正のほうがメインになったから一安心でした(笑)
まあ、こいつもこいつで悪い奴ではない…というか、
いろいろ思うところがあって悩んでるんです、というのもちゃんと描かれており、
最後もまあ、かなりお情けっぽく主人公扱いされての活躍だった感はあったものの
まあ全体を通してみれば良かったと言える。
隊正がリーダーになって以降は、影は薄くなったものの
変にでしゃばったり、裏返ったりはせずに
結構普通にがんばろうとしていたのが見れたのが良かったね。
片思いのヒロインには見向きもされていなかったというのがふびんですが(^^;
・そして元奴隷のあの人
いや〜、あの人は格好良すぎです。
蓬髪を振り乱して長柄ぶんぶん振り回す姿は
なんか
一人だけ武功レベルの常識が別世界という感じ(笑)
不言実行を形にしたように寡黙なのも良いし、
いろいろあって徐々に姫に想いを寄せるようになっていくという展開も
なんとも燃えました。
あとずっと旦那様のことを慕っていたのも良いね。
あの爺ちゃんはきっと本当に良いご主人様だったのだろう。
てな感じに、キャラクターとしてのそもそものスタート地点からして
アフォ将軍に比べてかなり差がついてたんだよな〜(^^;
自分をちゃんと認めてくれている隊正とは
なんかお互いに
寡黙な同士でちゃんと通じ合っているというのも燃えだ。
捕まった場面でも、あの隊正が矢を撃てなかったというのがなんとも泣かせる。
うむ、こいつは良かった。
・で、隊正(アン・ソンギ)。
すでに上に書いたけど、もーたまらん(^^;
アフォ将軍が無茶苦茶な作戦で敵を一人も倒せずに部下を全滅させてる後ろで
叩き上げ実戦派のこの人はさくさくさくっと見事に敵を全滅させちゃうのね。
弓使いというのも良いな。
この人は結構動きながら撃つ場面が多かったのが印象的ですね。
つーか、劇中で撃った矢はほとんど外してないってのがすごい(^^;
途中でお亡くなりになってしまうかと思っていたんだけど、
まさか最後に一人生き残ったというのが意外でありうれしかったのでした。
・ヒロインであるお姫様は、いやー、
まさに章子怡って感じでした(笑)
章子怡大嫌いですけど、これはハマリ役というか、章子怡ならでは、だったのかも。
敵が追ってきて一刻を争うってのに
KYでのんきに輿を担がせようとゴネてるところなんか
まさしく
これは良い章子怡ですね。(いや、良くないけど。)
ただ、個人的な好き嫌いは別として
世間知らずのお姫様が、ひょんなことから自分のせいで
他国の人たちのみならず自国民たちをも巻き込んでしまい
その自国民からをも非難されて現実を知る…というプロット自体は良かったし
章子怡も実にうまくそんな様子や変化を演じておりました。
結果的に状況を悪くしただけとはいえ、
自分から元軍のところへ出て行こうとして、門を出て静かに涙を流すところなんかは
章子怡嫌いの私ですらちょっとホロリときたくらいです。
主人公一行といいこのお姫様といい、どうなるのか、最後までずっとわかりませんでしたよ。
・あとサブキャラクターの人たちもそれぞれに味があって良かったね。
隊正の部下のヒゲ男もいかにも現場の直情径行型といった性格づけがされており
最後の出撃の前の場面で漢人のおばちゃんと眼帯でおどけている場面などは実に微笑ましかった。それだけに最期も痛ましかったが…
坊さんも最後になって自分で戦うというのがまた何とも熱かったし
(一度も「阿弥陀仏」言ってくれなかったのは残念だが(爆))、
ビビリの通訳が最期には子供をかばって死んだというのも
ベタベタのお約束ながらやはりそこまでの積み重ねがあったのでちょっとジーンと来た。
薄味だったけど副官も最期はお約束通りに若君を庇って死んだというのもヨカッタ。
そして敵役ながら、相手を戦士として認める器の大きさを持った蒙古軍の将軍もヨカッタ。
・はて、なんか気がつけば人物の感想ばかり書いていますが、
やっぱそれだけこういう古装劇では
いかにそれぞれの人物を気に入るか、それによって物語に入り込めるか、というのが
大きな要素であるということなんだろう。
この映画の場合は、ストーリーのプロットがいわゆる大作系のように変に芸術ぶってはおらず
基本的にはストレートな生存のための戦いというものであったということ、
そしてキャラクターがやや類型的な味付けはされているとはいえ
それぞれの役者さんたちが魅力たっぷりに演じていたというのが、
結果として私の中で高評価だったことに繋がっていると思われる。
改めて振り返ってみるとやや薄味なところもあったりするし、
テーマ性とかもほとんどない純粋(単純)なエンターテインメントに近いんですけどね。
やっぱお約束に弱いんだなー、私は(^^;