2006年 日・中・韓共同制作
原題:墨攻--------------------
時は紀元前370年頃の戦国時代。
非攻専守と兼愛を旨とする、国家に属さない思想家集団「墨家」がいた。
大国・趙の10万の軍勢を前にして、危機に瀕した梁の国では
墨家に助けを求めるが、やって来たのは革離と名乗る
みすぼらしい身なりの墨者ただ一人だった…
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原作は日本の小説と漫画だそうですが、私はどっちも未読です。
主人公の墨者・革離に劉徳華(あんでぃ・らう)
趙の大軍を率いる将軍・巷淹中に韓国の俳優アン・ソンギ(このおっさんは予想外に良かった)
そういうわけで日・中・韓、あと香港の共同制作というわけですね。
それから音楽は川井憲次がやっていて、これは文句なしに素晴らしかった。
で、映画の内容についてなのですが、、、
うーむ…(^^;
観る前から、かなり
アレな出来だということは聞いてはいたのですが。
これは想像の斜め下を行く酷さでした(^^;
本当は、あれなんですよ。やっぱりどんな映画でも、
大勢の人が集まって関わって一生懸命作っているわけで、
それを私のような者が無責任にボロクソに貶したり、文句を言ったり…というのは、
ほんとうに
申し訳ない気分でいっぱいなんです。
監督やプロデューサーはまだ良いんですよ。
(むしろこの辺の人たちこそ責任を取るべきだと思う)
でも演員さんたちには、本当に申し訳ない。
特に、友情出演とはいえ個人的に好きな人たちが結構出てますからね。
しかし、これはなぁ…
これはないよ(^^;
擁護できません。無理。
良かったところって「音楽」と「大規模戦闘のスケール感(映像)」だけ(^^;
見事に
大作系古装映画のテンプレ通りの感想になってしまった。
なんでこうなっちゃうんだろう(^^;
私、鑑賞しながら、ひたすら「
なんじゃそりゃ」を連呼してました。
130分がほんと長かった。
この辺の詳しい感想については、ネタバレ項目に書きますが。
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で、そんな有り様だということをある程度は予想していながら
なんでわざわざ観たのかというと、
言うまでもなくこれまで何度か書きましたが、演員さん目当てです。
まず、事前にかなりチョイ役だと聞いていた我らが于承恵前輩ですが…

もうとりあえずこのお方の古装甲冑姿を拝めただけで
眼福でした(-人-)
役柄的には「そりゃないだろ〜」という感じで
あっという間の退場だったのですが、
むしろその先に延々と続く惨状を考えると、
さくっと退場してしまったのは逆に正解だったのかも…(^^;

しかし相変わらず、このお方は格好良すぎです@@

なんか後姿だけでご飯三杯行けるんですが…(←おかしい人)
今度はぜひ、ちゃんとした古装劇で観てみたいなぁ。
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それから午馬(うー・ま)です。

ま、当たり前といえば当たり前なんですが、
2006年の作品なので、「倩女幽魂」とかでブイブイ言わしてた頃(笑)に比べると
ずっと老けたというか、最近だと「碧血剣」で温方達をやってた姿に近いですね。

役柄としては抗戦を主張する主人公・革離に対してそれを潰そうとする側の勢力なので、
本来なら鬱陶しく感じるような腹黒い役のはずなのですが、
私が主人公に全くといって良いほど感情移入できなかったので
ぜんぜん気にならず、午馬の姿を堪能できました(笑)
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目当てとしてはこの二人だったんですが、
もう一人、意外な収穫がありました。
趙軍の副将・微詳なんですが、
これ、無茶苦茶見覚えがあったんですよ。

(右側の人。ちなみに左側は上に書いた趙軍の大将さんの渋い人です)
エンドクレジットで確認したらやっぱりドンピシャでした。
ドラマ版「七剣下天山」の紐枯魯の中の人、徐向東ですね(^^)/
(つーかこの衣装自体、紐枯魯の最後の出番の時とかなり似てた(笑))
うーん… この人といい、于承恵前輩といい、
ほんと使い方がもったいなすぎるような…
(二人とも、もっとぜんぜん「動ける」人なのに…)
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まあ、そんなわけで
・古装いでたちの素敵な于承恵前輩が見たい・午馬好き・なんでもいいからとりあえず古装劇が観たい・この手の大作系古装映画が好き(私は好きになれないので、こういう嗜好は理解できませんが)
お勧めするならこの辺の層でしょうか。
一番最初の于承恵前輩についてですが、
残念ながら出番そのものがかなり少ない上に
基本的に物凄い頻繁にカットが入る(場面が切り替わる)映画なので、
チャプターごとに飛ばしてぽちぽち探す…といったことで見つけるのは、かなり困難です(笑)
面倒くさくても順を追って観るしかありません(なんつーフォローの仕方だ)。
↓以下ネタバレ
・もう一度言いますが、私、鑑賞中にひたすら「
なんじゃそりゃ」を連呼していました。
・一番最初に来るのが、主人公の革離なんだが。
まず私、この人の主張にぜんぜん納得できないし、共感できないんですよね。
降伏して丸く済むならそれでいいだろ、と(^^;
民衆に多大な犠牲を強いて、たくさん兵士を殺して、
圧倒的な相手の兵力を前に、そこまでして抗戦する意味がまったく理解できません。
いや、そりゃ確かに、実際、革離が言っていた通りに、
降伏したところでさんざんな目に会う…というのは事実なのかも知れませんが。
でも少なくとも我々観客に対して提示されている限りでは、
その情報というのは「革離が非戦派を説得するための弁舌」の中で述べられているだけですよね。
だから素直に受け入れるのに、どうやったって抵抗がある。
降伏するならするで、抵抗して相手に被害を出すよりも前に降伏しておいたほうが、
明らかにその後の被害は少なくて済むはずですし。
・そこで、出てくる問題なのですが、
そもそもこの映画、
観客側に革離に感情移入させることを前提としているのか、
それとも革離の主張に明らかに違和感を感じさせて
どちらの側にも意図的に感情移入させないことを前提としているのか、
どっちを意図して作られているのか、という話なんです。
・前者だとしたら論外なんですが、
後者だとすれば、観ている側が革離の主張に違和感を持ったまま
「外から」話を見ていくことになる…というのも、まあわかります。
・ところが、どうも観ていてさっぱりわからないのが、
この映画、前者と後者、
どっちを意図しているのか、ぜんぜんわからないんです。
まるでダイジェストを観ているかのようにぽんぽんカットが入り、
次から次へとあちらこちらへ場面が飛んで行き、
そして革離の考えていることについても、ぜんぜんわからない。
ポイントポイントでなんか悩んでますみたいなことをいきなり言い出すんですが、
そこまでの間にそういう風に革離が感じるようになるといったことについて
納得のいくような描写がなにもない上に、
そもそもそういう風な迷いを革離が感じるようになる以前に
そもそも何を考えて、どういう考えで動いていたのかということがまるでわからない。
(前後から「こうなんだろうな」と推し量ることはできるんだけど、
説明と描写が圧倒的に不足している)
・結局のところ、物語を通して言いたかったことというのは、
周りに多大な犠牲を強いてまで戦うことに意味はあったのか、とか
その後に得る勝利とはいったいどういうものなのか、とか
そういった問いかけなんだろうなーというのは、まあわからないでもないんです。
(かなりがんばって汲み取った上でのことですが(^^;)
・しかし、なんだかなぁ。
そこまでずっと延々と、二時間付き合わせた挙句に
「ヒロインは声を出せなかったという悲劇で死んじゃいました」
「生き延びろと言って別れた将軍は、結局自分から死を選んじゃいました」
で、最後は丸投げEND(^^;
いや、別に必ずしもめでたしめでたしで終わらせろというわけじゃないんですが。
でもね、なんかこれじゃ何のために二時間、ずっと付き合ってきたのかと(笑)
そこに至るまでの過程で、ちゃんと納得の行くように
一貫して無常観とかテーマをきっちり描き切ってきたというのなら、
こういうラストでも別にいいんですよ。
でもそれも満足にやらず、ブツ切れの場面の繋ぎ合わせで
主人公も何を考えているのかわからず
何をどうなって悩むようになったのか、何を悩んでいるのかも曖昧…
これではダメでしょう(^^;
・あと明らかに理解不能なポイントもいくつかあったので
あげつらっておこう。
まず于承恵前輩が殺された場面の、あの黒頭巾の連中なんだが、
あれは要するに趙の兵がいつの間にか城内に紛れ込んでたってことはわかるよ。
でもなんか、ぜんぜん前フリとかなく、突然出現したのはなんなの?(^^;
「攻城戦が始まるまで」の過程、下準備をあれだけいろいろと細かく描いておきながら、
なんでこういう風にいきなり、わけのわからない場所に敵が出現しますか?(^^;
てっきり、あの趙に一度捕まって解放された農民たちが手引きしたのかと思ったら
そういうわけでもなかったようだし。
・それから、「人質は解放したぞ」と言って、
「それじゃ、飛距離の出る矢で革離を射殺すぞ」とバシュバシュ撃った矢が
なんで革離よりもずっと手前にいた王子の頭上にたくさん降ってくるんですか?(^^;
その後、革離たちの逃げていたずっと先のほうにも矢は降ってきているし。
うーん、なんなんでしょう…(^^;
てっきり、王子はもう革離に洗脳されておかしくなっちゃったということで
牛将軍が王の命令で王子を射殺したのかと思ったら
そういうわけでもなかったようだし。
・あとこれは理解不能というわけではないんだが、
「もう手駒を使って戦うのは止める」とかいった革離が
結局、思いっきり手駒を使っていたという点については、どうなんだ?(笑)
「これ以上、犠牲を出さないために一人で行った」んじゃなかったの?(^^;
あと前フリもなく、唐突に地下水が噴き出してして城が水没するのもなんなんでしょう(笑)
・はぁ… そろそろ突っ込み疲れてきました。
結局、革離のほうがぜんぜんやってる事は空回りだし
言ってることとやってることは矛盾しまくっとるし
その上、ぜんぜんそのことについて悩んでいないしで
サッパリ駄目だったぶん、
逆に趙のほうの指揮官・巷淹中のほうがずっと格好良かったように思います。
まあしかしそれも、ほとんどそっちのほうに尺が割かれなかった上に
最期は結局あんな終わらせ方をしやがってとガッカリでしたが。
あそこであの二人の語り合いを経た以上は
生き残らせるのが筋だと思うんだけどなあ…
いや、意図的に観ている側に嫌がらせをしたいというなら別なんですが(笑)
・原作を未読なので、これだけを観てあーだこーだ言うのも
たぶんアレだとは思うんですが、
せっかくテーマとしては面白いし、
シチュエーションとしても面白いし、
演員さんたちだって一級のが揃ってたわけなんですよね。
それが、ブツ切れシーン、人物の描写・掘り下げ不足、肝心な部分の説明不足。
この辺でぜんぶ台無しになっちゃってる感がありました。
つーか最近の大作系映画ってそんなんばっかだよな(^^;
これは、楽しめない私のほうが頭がおかしいということなのだろうか。