射雕英雄伝33

第33話 南帝
 
あらすじ

力と機転をあわせて耕・読の挑戦を突破した郭靖と黄蓉は
山奥の僧院で今は出家し、一灯大師と名乗る南帝の歓迎を受けた。
瑛姑から託された三つの袋のうち、
最後のひとつには奇妙な絵の書かれた紙が入っていた。
その紙質と墨からそれが少なくとも十五年ほど前に描かれたものだということ、
そして紙は西域・白駝山のものであることから
これを描いたのは欧陽鋒であるらしいということが判明した。
しかし差し当たっては黄蓉の治療が先決である。
一灯大師の一陽指と先天功により黄蓉は治療を受け一命を取り留めた。
疲労した大師に郭靖は九花玉露丸を渡すのだが
それを服用した大師は突如苦しみだした。
玉露丸は瑛姑によって毒とすり返られていたのだ。
怒る弟子たちだったがその場は大師が取り成し、二人は客室へと下がった。

鉄掌幇の下へは完顔洪烈がやって来ていた。
念慈の制止を無視して「会うだけだ」と父王に対面する楊康は
無条件に自分を受け入れてくれる父の情愛にまたも打たれ、
完顔洪烈を討とうとした念慈の前に立ち塞がった。
既に金へと戻る決意を固めた楊康に対し念慈は絶望して走り去り、
尼寺の前で気を失って担ぎ込まれた。
俗世との関わりを断ち出家したいと尼僧に願い出る念慈だったが
尼僧には念慈が俗世に未練を残していると諭す。
念慈を追いかけて楊康も尼寺に来るのだが、
念慈は頑なに会うことを拒むのだった。

郭靖と黄蓉は弟子たちから
大師は治療によって五年の間、内力を失ってしまったこと、
そしてさらに続く五年は毎日鍛錬を欠かさないようにしないと
武功を使えなくなってしまうという事実を聞かされ愕然とする。
さらに今、まさに「敵」が大師を討たんと迫っているのだという。
話を聞いた二人は大師の助勢を申し出、
そして弟子たちと共に呼び集められて事情を聞くことになった。
事の起こりは崋山論剣の翌年。
王重陽が義弟の周伯通を連れて雲南大理国を訪れたのだ。
当時はまだ「段皇帝」だった南帝が武術の修行に勤しむ余り
妃たちのことを見向きもしなかった間に、
妃の中でも特に武術の素質があった劉貴妃が周伯通に懐いてしまい…



Pick Up

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通りすがりの旅人をいきなり水筒トラップにはめて
岩で押しつぶそうとするとんでもない弟子
なんか既にこれ「人嫌い」とかそういうレベルの問題じゃない気が(笑)
礼を尽くしてる相手に対して普通にタチの悪い対応です



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さすがにこの辺まで来ると蓉儿のこのパターンも
だいぶ使い古された感がありますが、
でもみんなひっかかっちゃうんだよね(笑)
やはり東邪のすばらしい悪名と蓉儿の演技力の合わせ技か…



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四人目の読の人
どいつもこいつもキチンと礼をしてるのに
相手を完全シカトというアレっぷり
(樵のオッチャンだけはいい人だったが)
蓉儿も突っ込んでいましたが
論語を読んでるくせにこの無礼さはなんなんでしょう(笑)



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33_05.jpg
この手のハッタリの効いた馬鹿馬鹿しさが今更ながら素敵
今回は全体の流れとしては「静」の回なんですが
いろいろ小技が効いてるからあんまりそういうイメージもないんだよなー



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蓉儿が「お見事」言われて誉められると
後ろのこの朴念仁は「ウン!」ってすごい得意げなんだよね(笑)
郭靖は師匠に誉められた時とかもよくこのへへーんという表情(と頷き)をやりますが
李亜鵬のどこか抜けた顔と演技に相まって実にいい味を出してます。



33_07.jpg
?_?



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こういう相手先にお邪魔してご挨拶してる場面を見てるとつくづく思うんですが
この二人はほんと夫婦みたいだなーと。
ボンクラの旦那の代わりにしっかり者の奥さんがスポークマン。



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ついに登場の南帝・一灯大師です。
五人+1の中でもダントツ一番の良識派のこのお方
一体どうしてその弟子たちはあんなんなんでしょうか(笑)
あとやっぱり呼び方は七兄(チーシュン)・薬兄(ヤオシュン)なのね

ちなみに初見の時は段皇帝って「皇帝」というくらいなのだから
宋の皇帝だったのかと素で勘違いしてました。
雲南の大理国なんてさすがにちょっと中国史をかじったくらいのレベルでは
知ってる人の方が少ないんじゃないかな@@




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紙や絵について論じているお二人の後ろで
あいかわらず所在なさげの靖哥哥(笑)
今更言うまでもないですけどこの首の後ろをかく仕草は
靖哥哥のクセですな
「お前って本当に賢いな、蓉儿」の台詞を
はたしてこれまでに何回言ったでしょうかこの人



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結局、今回の話だけでは
なぜ欧陽鋒とこの絵が結びつくのか
ということについての答えはわかりませんでしたが…
ここまでの情報だけで推測するなら、
欧陽鋒と瑛姑が過去に出会ったことがあって
今回瑛姑が一灯大師に仕掛けたあの毒が
もともと西毒由来のものだったってことだったり??
「欧陽鋒の狙い=九陰真経」ということと絵そのものについては
切り離して考えておいたほうが良さそうかな。

ところで南帝のこの特徴的な眉毛って
やっぱり南=朱雀の広げた羽根のイメージなのかな?
東邪・黄薬師パパのおひげがいかにも竜のひげっぽかったのを考えると
まるっきり何もモチーフもなしというよりは
多少なりともビジュアルを東西南北に合わせているのかなという感じはありますよね。
北丐もぱっと見でどうかというとそんなでもないんですけど
そういう風に意識して見ると亀(玄武)みたいな感じがしないでもないし、
西毒も衣装からして白系だしあのカールしたくせっ毛も白虎っぽいといえばぽいような。



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キュピーン

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ズギューン!

「一陽指」という技そのものは
単に相手の体をピンポイントで狙うというものらしく、
それに「先天功」という技を組み合わせて使って
治療を行っているらしい。
先天功は大師が後で語ってたように元は全真教・王重陽の技だそうで
具体的にどういうものかは不明であります
(しかしこの「キュピーン」としか形容しようのない効果音は…)



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ズギュンと打たれて靖哥哥のほうも衝撃を受けてますが…
これは余波がそっちまで吹っ飛んできたってことかな。
しかしこのおかげでこれまで九陰真経でアイマイだった個所が
理解できるようになったという思わぬオマケが



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もうね、ああしろこうしろと口うるさい念慈さんに比べると
この父王は本当ありのままの自分を受け入れてくれるわけで、
何もかもうまく行かずにヘコんでるところにこんなこと言われたら
そりゃもうジーンと来ないほうが無理な話なんですよね。



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33_0j.jpg
オープニングでも使われてるあの絵ですけど
やっぱ念慈さんは髪の毛おろしてたほうがキレイに見えるなぁ
(単に私がロングのほうが好みだからってのもあるかも知れませんが)



33_0k.jpg
珍しくちょっと格好良く見えますが…
楊康は愛する念慈とも一緒にいたいし
育ての親である父ともうまくやっていきたい


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楊康がそのように考えるのは至極当然のことなのだということを
ここに至って念慈さんは初めて考えてあげられたんじゃないでしょうか。
これまでは実際、そういう風にちゃんと理解はしてあげていなかった気がします。

でも、かといって念慈さんとしては金は絶対に相容れない異民族の敵ですし、
これまで何度も書いてきた通り完顔洪烈自身が彼女の両親の仇なわけですから
自分が金のほうに行くことはありえない、と。
だからこれでさよならした念慈さんの行動はこれまでの粘着っぷり(言っちゃった)
に比べると、かなり真っ当なものですよね。



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でもこんどはこっちがストーカー化した(苦笑)
上に書いたように念慈さんの選択は正しいもののはずなんですが
かといって楊康は楊康で相手の気持ちを考えるとか
そーいったことは基本的にできない奴だからなぁ。
この未練たらしい様子がなければ
さっき多少は上がった株もそのままだったのに…



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「それじゃ、文武の双方に優れて博学で多才なのは?」
「それはもちろん、君の父上じゃないかな」
はいはい、爹(ディエ)すごい爹すごい(笑)
ほんと変わらんねこの娘も



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さっきから思ってたけど
この読の人って一番根に持つタイプだな(笑)
チナミに奇経八脈というのは一応
ふだん普通に体を栄養している正経という経脈とは別に
そのそれぞれの陰陽のバランスを調節しているような経脈のことでして、
内傷の治療の時にどうやってそれを使うのかというと
台詞から判断するとたぶん気そのものが全体的に損なわれているから
奇経八脈に直接気を通して強引にその底上げをしてやる
という感じなのだらうか@@
まあこの辺は実際にわかっていないことも多いので
単なるファンタジー的なガジェットというふうに考えておくのが
一番早そうですが(笑)



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またあいつかよ!
と突っ込んだ人が多数いることは間違いあるまい(笑)
トラブルメーカーなのはほんっと昔から変わってないのね



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思わぬところから始まった昔話、そして因縁
果たして周大哥がどんなトンデモナイことを引き起こしたのか
そしてそのことと一灯大師、瑛姑の関わりは…?
と謎を残しながら〆

まあぶっちゃけエンディングテーマで
割とネタバレっぽいことはずっと前からされてるんですけどね(笑)



とりあえず南帝に会って治療してもらうという目的が達成され
新たな謎を提示しつつ終わりました。
ついに舞台に上がった最後のキャラクター、南帝・一灯大師は
これまで登場した他の三人に比べると驚くほどマトモ
逆にマトモだからこそ新鮮な感じすらするという、何とも妙な感覚です(笑)
たぶん師匠が良識派だからこそ
逆に弟子が変人ばかりでバランスを取ってるのかな(何のバランスだ)。

今回で将来的な死亡フラグ達成がいよいよ濃厚になってきた楊康は
せっかく吹っ切れたところを見せたかと思えば直後にヘタレてみせるという
まあ相変わらずの楊康クオリティでした(笑)
もっと早くからちゃんと念慈さんがダメ出ししておけばね…
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