上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
倩女幽魂
1987年 香港
原題:倩女幽魂


いつのまにやらすっかりおなじみの名前になりましたが
徐克(つぃ・はーく)製作の香港映画です。

----------------------
むかしむかしのこと。
若き書生・寧采臣は志こそ高いものの、貧しい集金人としてその日の糧を繋いでいた。
ある日のこと、どしゃぶりに降られて台帳を濡らし
当てにしていた金も集金できなかった彼は
仕方なく町外れの森の中の寺で一夜を明かすことにした。
そこには、旅人を惑わす怪しい女、
木々の陰にうごめく異形のものたち、
そしてそれらを滅せんと剣を研ぐ道士の姿が…
----------------------

妖怪退治ものアクションラブストーリーという感じのおはなしです。
雰囲気的には「霊幻道士」みたいな感じ…といっても
アレはかなり小さい頃に観たので記憶がアイマイなんですが。
軽功でピョーンとかの演出って、ちゃんとこの頃からあったんですね。


実は主人公役の人って、張國榮(れすりー・ちゃん)だったのでした。
このあたりの男優の顔の識別がぜんぜんできない私は
さっぱり気が付きませんでした。
(じゃあ女優ならできるのかと言われると、それもサッパリなんですが)

ヒロインの幽霊・聶小倩役は王祖賢(じょい・うぉん)という人で
この人がまたえらく綺麗で、まさに妖艶…というとちょっと違うんですが、
白い衣装でどこかはかなげな浮世離れした雰囲気をまとった
美女の幽霊というのにピッタリでした。


それはさておき内容ですが、
いやー、素直に面白かったです。
年代が古いということもあって
制作費や技術的には今とは比べ物にならないと思うんですが、
これが昨今の大作映画(先日観たばかりの「夜宴」とか、「HERO」とかその辺ですね)よりも
ずっと映画として楽しい。

悪く言えば捻りのないストーリーなんですが、
だからこそ変に難解にならずに、あくまでエンターテインメントに徹しているといいますか。
つまりそれだけ感情移入しやすい。
その場面場面でどこに視点を置いて観ればいいのかというのがはっきりしているので、
どこか腰のすわりが悪い状態で豪華で派手な殺陣を見て
「とりあえず見た目はいいんだけど、うーむ…」という風にはならずに、
いちいちハラハラするし、そこから生まれるカタルシスを素直に感じられるのです。

気弱ながらまっすぐで善良な主人公・寧采臣、
親玉に強要され仕方なく旅人を誘惑する美女の幽霊・聶小倩、
人の世の汚さに絶望して人ならざる者を倒すことに生きがいを求める道士・燕赤霞
この三人が主なキャストなのですが、
これもまた話の上での役割がはっきりしている上に
ちゃんとそれぞれに魅力が描かれているため、観ていて気持ちが良い。
ミュージカルばりに歌い出した時にはちょっと笑ってしまいました。
(特に道士のおっさん)

というわけで
素直な古装風エンターテインメント映画としてオススメ
道術でビシっと印を結んでズバーン!とか
ハンニャハラミで神剣を呼び出してズバシュ!とか
そういうのが好きな人はぜひ観ましょう。
フレーバーとしてラブストーリー要素もありますので、口当たりもなかなか。
これがまた変に重くしつこくならずに、いい感じの余韻になるバランスなので良いのです。
90分ちょいと軽めのボリュームなので、気楽に観れます。


ネタバレ項目といっても
書くことはそんなにないんですが…

・やっぱり繰り返しになりますが
あくまで伝奇アクションというのがベースにあって、
確かにラブ要素もあるんですが、
風で布がヒラヒラなって、ドピューと幽霊が飛んでと
このラブ要素が重くなりすぎないというのは良かったです。
展開の重石になっていないというか。

・それから、個人的な感想になりますが、
人死が出なかったのは良かった。
やっぱ人が死んでしまうと、ハッピーエンドでも
どこか後味が悪くなっちゃいますからね。
特にこの手の話だと燕道士みたいな立ち位置の人は
主人公をかばったり、一人で油断したりで殺されてしまうケースが多いため
いつそうなってしまうかとヒヤヒヤでした。

・でもこのおはなしの場合は、あくまで
「悪いロウロウ(だっけ?)に使役される小倩を解放してやること」
が第一目的であり、
その達成段階において生じる
「解放された小倩は転生してしまうため、
結局愛し合うようになった采臣とはなればなれになってしまう」ということによる
ジレンマ、悲恋、というのが
ミソなわけです。
だからここでそのメインプロットと直接は関係しない燕道士を無駄に殺したりせずに
最後に采臣を励ましてやる大人として残しておいたというのは
当たり前ではあるのかも知れませんが、
しかしその当たり前のことをちゃんとやっているというのは評価したい。

・ま、そんな感じで尺がそれほど長くないということもあり、
全体としてそれぞれのキャラクターの掘り下げやらなにやらが
決して深かったというわけではないはずなのですが、
それでもちゃんとこうして楽しめたというのは
やはり変に芸術方面に走らず
あくまで観客を楽しませること(エンターテインメント)を第一にして
作られているからなのだろうなーと思うのでした。
舞台が中国ということで最近の私の嗜好に沿っているってのももちろんあるんですが、
あと何よりやっぱこういう妖怪モノって
日本人としては、とても親和性がありますよね。
Secret

TrackBackURL
→http://khazad2.blog98.fc2.com/tb.php/337-63b2d945
QLOOKアクセス解析
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。