断仇谷 人物雑感

いつものように個別のキャラクターについての感想をまとめて終了です。
最終話までのネタバレを含みますので注意。


石浩天

なんだかいつも血圧低そう
やる気があるんだかないんだか
とにかく基本的にマイペースな男
それでいて武功レベルはトップクラスで仕事もできる
おまけに包容力もバツグンの頼りになるアニキ
それが石大哥だ。
マイペースが過ぎてちょっともどかしくなることとか、
あと荒事以外になると結構からっきしという欠点もあるが、
それを補って余りある魅力的な好漢であった。

最後は小璇に対する自責の思いから
彼女への愛を胸に抱きつつも
ひとり、正義の味方として砂漠をさすらうという
実にこの人らしい結末だ。
でもお互いの想いが尽きることがなければ
きっと同じ天の下でいつかは再び巡り会えるだろう。
現実的な世界観に根ざした物語ではあるが、
ここまでさんざん苦労を重ねたんだから、
最初の鷹と同じく、それくらいの奇蹟は期待してもいいのではないだろうか。


白璇

結婚詐欺師というヒロインとしては異例のパーソナリティを与えられて登場した小璇
しかし石大哥への気持ちを自覚してからはしっかりとした芯の強さを持った一途な恋する娘に変身
特に物語前半において変わっていく姿は大きくドラマをひっぱってくれました。
中盤以降のハードな展開になるとお留守番役も多く
なんか結婚もまだだってのにすっかりダンナの帰りを家で待つ女房
ってな感じに落ち着いちゃってましたが…
やっぱ中盤のドロドロが長くて、本当の終盤になるまで
石大哥との関係(毒殺事件まわり)を進められなかったのが痛かったね。

自分の誤解を知り、愛する石大哥への思いを胸に
砂漠へと一人繰り出した小璇ですが
やはり石大哥と同様に、いつかはお互い出会えたのだと信じたい。


方有為

熱いハートは終始一貫
さんざん苦労に苦労を重ね
そのたびにそれを乗り越えて鍛えられ
帰ってきた方少爺はまさに英雄好漢の評価にふさわしい大きな男となっていたのだった。
方パパさんもこれなら鼻高々でしょう。(願わくばこの場面が実際に観たかった。)

正直、最初の頃の印象からは考えられないほど
有為は見事に成長を遂げたと思う。
最初の頃の空回りっぷりを見てると
いつか変な風に裏返ってイービル化するのではないか
といった懸念がなきにしもあらずだったのだが、
とんでもなかった。
まっすぐに、期待通りに有為はパワーアップし
まさに運命を自分の力で切り開くことに成功したのである。
いやー、よかったよかった。


王英姑

山賊の頭領をパパに持ち
幼い頃に母を亡くして以来
荒くれ者の兄弟たちに囲まれ、パパの男手一つでたっぷり愛情を注がれ育った英姑は
なんというか、この物語の中でいちばんサバサバして男らしいキャラクターだ(笑)
小璇が途中から安定飛行に入ったのに比べると
とにかくこの娘はエネルギッシュによく動き
友だちが困った時もバッチリ相談に乗ってあげるし
それでいて女の子らしく悩むような一面も持ち合わせております。
群像劇だから「誰が主人公」とかは本来ないと思うんだが、
たくさん山や谷を越えたという観点からも
このお嬢に感情移入している時間がかなり多かったという印象だ。
男女合わせて一番好きなキャラクターだったかも。
ともかくこの娘は最後に幸せになれたんだから、
ほんと何度も書いたがこれならパパも幸せだね。



一般人のみなさん

葉巧蘭

白ママなぁ…
なんというか、女老頑童というか…(笑)
しかも老頑童ほど天真爛漫ではなく
はるかに俗っぽいというか、江湖慣れしてるというか、
調子良いというか、スレてるというか…
悪意なく、まわりの状況に特に関与することなくコメディをやってる場面は
ぜんぜん楽しく見れるんだけど、
断仇谷とかで空気を読まずにあれこれ出歩いたりするのは
ちょっとアレな感じだったな。
あとは終盤に入って
スパートの割を食ってしまったのも不幸か。
決して悪いキャラじゃないんだけど、
あそこまで長い時間をすごしておきながらの
石大哥へのあの態度は感じ悪すぎた。
(これもこの人のこれまでのいきさつを考えれば
仕方のないことではあるとは言え)
しかも最後どざえもんだし…(^^;
救われないよなぁ。


方雄

方パパさんこと和平鎮の鎮主
当初はただの騙されるだけの恰幅のいい穏便主義の金持ちさんかと思えば
これがなかなかどうして。
親の心配子知らずな息子にはたくさん苦労して、
山賊やらワガママ町民やらにあちこち気を揉んで、
それでもみんなが幸せなら何も気にせずニッコリ受け入れられる
そんなとんでもない懐の深さが
この一見すると気弱そうなパパさんの内にはありました。
自分も不安になったり愚痴ったりするんだけど
他の人がそうしているのを目の当たりにすると
絶対自分のことはそっちのけでフォローに回ってあげてるんだよね。
これはちょっと感動した。
やっぱダテに五期も連続で鎮主を勤めてたわけではなかったのだ。

それだけに最後に和平鎮を去ることになってしまったのは
いたたまれなすぎる。
息子が立派に育って帰ってきたこと、
そして本人は何とか死なずに生き残ることが出来たのが
せめてもの救いだろう。
あとは悠々自適の隠居生活を送ってください。おつかれさまでしたm(_ _)m


柴得勝
こいつはなぁ…
ほんと惜しいと思う。
ニコ編の最後のほうでガクブルった後に
方雄に助命されたあたりで
適当に「改心しつつも小悪党っぽいところは残ってる」みたいな感じにしておけば良かったのにね。
悪い方向に突き抜けてしまった。
確かにその後悪役不在に近い状態になったから
そのためにこいつを舞台に上らせる必要はあったのかも知れないんだけどね。
でも方夫人SATSUGAIとかやり始めたのはあきらかにやりすぎた。
そりゃ、プロットとしては必要なことだったのかも知れないし
毒殺事件の件も二人の障害をとっぱらってやるために
真犯人の存在が必要だったんだろうけど、
それをこいつにやらせた時点で
キャラクターとしての魅力は完全に消失してただの悪役に成り下がってしまった。
残念無念。



山賊のみなさん

王震岳

江湖にその名を知られるおそるべき山賊・黒風砦
その塞主であり創設者
しかしてその実態は道理を知り、仁義を知り、人命を尊ぶことを知る人格者なのであった。
この圧倒的な度量の広さ、人間としてのスケールの大きさ、
さらに石大哥をも圧倒する武功の腕前
そして何と言ってもまるで野の獣の親子のように娘へ示す限りない愛情
はあ、返す返すもこのお方には生き延びて欲しかった…

山賊みたいなやくざな生き方はいつか止めなくてはならんと言いながらも
いざ山賊をやめるとなると名残惜しいとショボくれてみたり、
この何とも微妙な心の動きを王パパは実に人間臭い魅力たっぷりに見せてくれました。
なんか最後の最後で海令山に言わんでも言いことを暴露されて
いやな終わり方になりましたが(^^;
ま、その海令山も死ぬとなって仇も全部清算されたいま
娘もようやく立派な旦那と結婚したとなれば心残りもないことでしょう。
どうか安らかにお休みくださいm(_ _)m


徐潤初
潤初いいヤツだったなぁ。
和平鎮にお忍びで潜入してた頃からずっと英姑と一緒だったし。
それだけにその最期はショックだ。
どうせ後ろからニコにしがみつくなら
そのまま目に指つっこんでつぶすくらいはしてやれと思ったんだが
残念ながらそれは無理だった><
まああっちに逝っても一人ではなく王パパがいたというのが救いか。


羅二虎
ニコはなぁ…
ニコも純粋な悪役になってしまった頃から魅力が消失していった。
王パパ殺害事件がなければそれでもまだ許せたんだが、
アレをやってしまってはさすがにもう無理だ。
その後和平鎮でやりたい放題状態になるのもウザかったしなぁ。
こいつは中途半端に武功レベルは石大哥よりも弱いんだから
そのぶん余計にストレスが溜まってしまった
(「とっととこいつを殺っておけば」というやつ)ってのはあるんだよな。


金鵬
なんだかんだで最後まで生き残り、美味しいところをちゃっかり持っていった(笑)
基本、ただのチンピラなんだけど
王パパや英姑には絶対服従という
たぶん歯車のおかしくなってないニコは
キャラクター的にこんな感じだったんだろう。


野狼
まるで北○の拳の悪役か、どこぞの失敗プロレスラーのような見た目で
初登場時からいろんな意味でインパクトのあったこの男は
中盤にさんざん状況を引っ掻き回してややこしくしてくれたものの
なかなかにすがすがしい悪党ではあった。
こういう「悪いことをそもそも悪いと考えずに開き直って前向きにやる」キャラって
「悪いことを悪いと知りながらやる」キャラよりもずっと良いよね。
行動原理が単純でわかりやすいというか。



断仇谷のみなさん

万伯龍

あんたがちゃんと息子をしつけておけばー!
…と思ったんだが、悪いのは石大哥でもあるんだよな(^^;
そもそも不安要素てんこもりの状態で
「自分が抜けても大丈夫かどうか試しに」とかいって
留守にしちゃうのはまずいですよ谷主(^^;
そういうのはある程度、まとまりがついてからじゃないとね…

ま、とはいえ出番こそ少なかったものの
石大哥の父役としての存在感や貫禄は抜群であったし
またこれまた出番は少なかったが圧倒的強さを誇る武功レベルも良かった。
馬をバチコーンと引っぱたいたら鼻から血を吹いて死んでたとか、
このドラマ内の常識から一歩外れていたとも言えよう。
そういう意味からも、前に各話感想で書いたとおり
早期の退場は仕方がなかったのかも知れん。
でもできれば海令山との対決とかも見てみたかったなー。


万威
諸悪の元凶…というか、ダメな二代目を地で行ってるというか…(^^;
でもたぶん、やっぱり各話感想で書いたことと重複するけど
こいつが一人で悪役をやってた分には
そこまで憎たらしくもなかったハズなんだよ。
周りにこいつの腰巾着をたくさんつけて
そいつらに好き勝手喋らせちゃったおかげで
ストレス値がだいぶあがってしまったってのはやっぱあると思う。
まあ最期はそれなりに良かったんだけどね。
ちゃんと罰も受けたし。


卓一才
二当家(石大哥)よりもたぶん年はずっと上のクセに
すっかり気分は二当家の弟という
小璇よりもチビっこいその身長とあわせて
なんともかわいらしい卓一才であったが、
残念ながら端木仇と二人で残された時点で
どちらか、もしくは両方の死は決定されてしまったのであった。
特にこっちのほうが向こう見ずなところが多分にあったので
その手の被害者キャラとしてはまさにうってつけとも言えたね。
ま、遺体になって戻ってきた後は
窃盗事件の犯人にされてたこととか
いろいろ不問になってたっぽかったのはまだ良かったが…


端木仇
初登場時に「人の失敗を笑った」とかの
度量の小さいことで喧嘩をしようとしていた頃に比べると
その後、えらくまともな人間になっていたのが意外だったが(笑)
しかも最後は谷主にまでなっちゃうし…
石大哥は無責任に「お前ならやれる」とか人に押し付けてましたけど、
この人、どう考えてもナンバー1として自ら人を引っ張っていくよりも
ナンバー2か3あたりでトップを支えるのに向いているキャラだよなぁ…(^^;
まあ、断仇谷がかつての姿を失ってしまった以上は
(一度解禁された人の欲というのを
再び封じるというのは不可能に近いことだ)
別にその行く末に関しても、もはやそれほど重要ではないのかも知れんが。


韋三笑
こいつも初登場時からえらく変貌した一人だ。
凌飛揚をピシピシ尋問してた時には
たぶんまだ万威派に取り込まれてはいなかったと思うんだけど…
しかし万威派になって以降のこいつは
そのやけにデカくて長い顔と相まって
いいところの全くないキャラクターになってしまった。
最後もなんかしょーもない死に方だし…(^^;


趙平
この先生がいちばんどうかと思う(笑)
無責任というか、付和雷同型というか…
途中まではまともな人だったはずなんだが
どこでおかしくなってしまったのか。



中央のみなさん
馬文忠
最初から最後まで、ここまで視聴者に嫌われる一点のみに特化したキャラクターというのも
なかなか珍し…くはないんだろうけど、
正直、他にもいろいろストレス要因山積みの状況で
出てこないで欲しかったなぁという印象だ。やれやれ。


何鉄堅
で、馬文忠本人よりもこの腰巾着のほうが一万倍ムカつくという
いつものパターン。
北京語吹き替えボイスをあててる人はいつもの使いまわしだし…(^^;


年大夫
何度も書いたがこのおっさんの存在は救いだった。



福親王派のみなさん

海令山

もうなんというか… これはいい計春華ですね(^^
何かあるんだろうなとはずっと思ってたけど
徐々に牙を剥き出してゆき
そして満を持しての断仇谷でのあの全開。
最高にシビれた。
この眉無しハゲは中の人本人がリアル達人なだけあって
いちいち動きがキマってるからもうニクいんだよなぁ。


干仲謀
見た目はどう考えても鈍重なさえないおっさんなのに
実は断仇谷の当家と互角…というほどではないんだけど
ただものではないこのおっさん
妙なオバチャンに目をつけられて困り果てる姿が
なんとも微笑ましいものであった。
最後は在庫処分セールとばかりに片付けられてしまったが(笑)


丁冠南
初期の頃こそさえない印象があったが、
こやつもやはり真の目的と正体が明かされた時には
なるほどなーと、糸がつながったことに興奮したものだった。
武功的には結局中途半端なまま終わってしまったが(笑)
たぶんこいつだったら明らかにジェベさんとかのほうが強かったよね。

 
武侠ドラマ / 断仇谷 | トラックバック(1) | コメント(2) | page top↑
<<幕間1209 | ホーム | 断仇谷 まとめ>>
コメント
はじめまして
お邪魔致します。
「断仇谷」を一月くらい前に見終えて、すっかり気に入っていた所に、こちらを発見しました。
書かれてあること一々が「うんうん、そうそう」と思うことばかりで、楽しく読ませていただきました。(オバちゃん関連は特に)
他作品の感想も、自分の鑑賞に合わせて拝読させていただこうと思っております。
これからも楽しみにしております。
by: アネモネ * 2007/12/10 22:54 * URL [ 編集] | page top↑
いらっしゃいませ!
アネモネさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
「断仇谷」はさっぱり感想などを取り扱ってるサイトやブログが見当たらず
ぜんぜん知名度がないのかなーとションボリしていたので、
アネモネさんからこうしてコメントを頂けたのはうれしい驚きでした。
これ「傑作」ではないかも知れませんが、よくまとまった良質なドラマですよね。

白オバチャンは干先生相手に猛攻に出ていたあたりが
最大にして最後の見せ場でしたね(^^;
なかなかこういう風に、純粋に「オバチャン」としての個性によって
キャラクターがしっかりと立っているというのも珍しいと思います。
まあ、逆に言うとあそこで賞味期限が切れてしまったも同然なので、
その後の扱いが結構残念なものだったのは悔やまれますが…

私も武侠ドラマの世界ではまだぜんぜん若輩者ですが、
こうして少しでも色々な作品を紹介して、
それが皆様の鑑賞のきっかけを作るお手伝いになれば良いなと考えています。
鑑賞予定ドラマはたくさん積まれているのに
現実の時間との折り合いをつけなくてはいけないというのは痛し痒しですが(^^;
ともあれ、今後ともよろしくお願いします(-入-)
by: Manbo * 2007/12/11 00:16 * URL [ 編集] | page top↑

コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
http://khazad2.blog98.fc2.com/tb.php/294-70f52233
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
断仇谷/海令山
武侠ドラマもいろいろと見て行くうちに、顔なじみの役者さんとかも増えてくる。この海令山の中の人である計春華氏も、あちこちでお姿を見か... Non-Fiction(Remix Version)【2008/02/14 21:44】
| ホーム |

プロフィール

Manbo

Author:Manbo
主に武侠ドラマ/古装ドラマの感想ブログです。
---------------------------

「ツンデレ美少女」と「ツンデレ頑固親爺(髭あり)」では割と迷わずに後者を選ぶような人間です。頭を使うのはとても苦手なので思ったことをそのまま書き散らしているようなことが多いです。
古い記事でもコメントなどおきがるにいただけるととても喜びます

現在鑑賞中

→大唐游侠伝


→《放置中》海神
→《放置中》馬鳴風蕭蕭 (中文版)

カテゴリー

最近の記事

最近のコメント

雑記帳

最近のトラックバック

月別アーカイブ

ブログ内検索

リンク

RSSフィード