もともと大旗英雄伝前半の鑑賞によって消耗した内力を回復するための
リハビリ的な軽い気持ちで鑑賞を始めた「
断仇谷(邦題:群雄武侠伝〜断仇谷)」なのですが
観始めるとコレが予想外に面白い。
んが、七剣の時と同様…というよりこっちのほうがさらに深刻なわけですが
Web上を探してみてもほとんどコレについて取り扱っている場所が見当たらないため
なんとも勿体無いではありませんかと考え、
ここまで私が観た範囲での、未見者へ向けての
原則、
ネタバレ無しの紹介をしてみたいと思います。
うまいことこの面白さを伝えられて
少しでも興味を持って鑑賞してくれる人が増えたらうれしいのですが…

1、そもそも武侠ドラマなんですか?武侠ドラマです。
ただ、金庸もののような荒唐無稽な世界観というよりは
「七剣下天山」みたいな
地に足の着いた感じのおはなしです…と言って
わかる人がどれだけいることだろうか@@
ともかく、「三国志」やら「項羽と劉邦」といったよーな
いわゆる歴史ドラマではなく、
純然たるフィクションの世界で繰り広げられる武侠ドラマです。
2、日本語版は出てるんですか?出てます。全30集のノーカット(のはず)です。
DVDの日本語吹き替えはなく、日本語字幕が基本ですが
やはり雰囲気を楽しむには原語音声が一番です。
特に登場人物が
アイヤーとか
アイヨーとか
イエーイとかしょっちゅう言うこのドラマでは
やっぱり原語音声のほうが絶対にベターです。
要は慣れの問題です。
3、舞台はどこですか?時代は
清です。
地理についてははっきりとは言及されてはいないのですが、
中央から遠く離れた辺境の砂漠、そしてその中に点在する集落が物語の主な舞台です。
清ですので基本的に町に住む人たちは
辮髪がデフォですが、
もちろん町の外に住む人たちもたくさん出てくるので
辮髪がニガテという人でも安心です(?)。
4、どんなおはなしなんですか?当時、物語の舞台となる辺境の地では山賊(あるいは馬賊)が跳梁跋扈しておりまして、
この山賊がしょっちゅう町を襲っては金品を巻き上げたり、人をさらったりと
好き勝手やっていたわけです。
で、中央から遠く離れているのでお役人もその辺は放置気味。
この山賊もまた山賊で、決して顔のない無個性で野蛮な生き物というわけではなく
彼らにも彼らの掟があり、砦(組織)に分かれて縄張り争いや対立をしています。
そんな世界の中で、たくましく生きていく人たちの姿を描いた
武侠群像劇です。
5、で、どこがそんなにいいんですか?これがなかなか簡潔に述べるのが難しいんですが(^^;
前項で述べたように、基本的にコレは人間と人間のストーリーです。
なので、「武林の趨勢を変えるようなビックリ奥義の秘密!」とか
「清の非道に立ち向かって自由を勝ち取る!」とか
そういった大層なお題目はありません。
(一応、「秘宝」関係の話はあるようなのですが)
登場する様々なキャラクターがそれぞれに持つ享楽、悩み、慕情、怨恨…
といったものが様々に交錯し
ストーリーはキャラクター主導で進みます。
ところがこれが退屈かというと、ぜんぜんそんなことはなく
まさに「
掛け合いを観ているだけで楽しい」のです。
ひとつには
描写の細かさがあります。
ドラマを見ていると時々遭遇するような
「そのキャラクターがそんなことをするのはおかしい」といった不自然さは
一切ありません。
きっちりと各々のキャラクターが本当に魅力的に描き分けられており
キャラクター同士の絡みやぶつかりの中で自然な流れとして受け入れられます。
単純なことですが、これが実に見ていて気持ちが良い。
もちろん物語を通してキャラクターも少しずつ変化していくのですが、
それも自然に描かれているため「気づいたら変わってた」
といったように感じることは全くないです。
で、これは個人の好みの問題になるのですが、
やっぱりその
キャラクターが本当に良いんだわ。
ほとんどの人がみんな前向きで、ウジウジと悩むようなことは滅多にありません。
冒頭にも書きましたが直前に観ていた「大旗英雄伝」で
そういうのに心底ウンザリしていただけに、
もうこれは本当にスカっとします。
もちろん「キャラクターが悩まない」わけでは決してないです。
ないですが、躓いて、そこから立ち上がるまでの過程が
納得の行くように描かれており、
かつスムースなので観ている側にストレスを感じさせません。
それから
構成の妙です。
とにかくこのドラマ、「展開の出し惜しみ」というのがぜんぜんありません。
次から次へと展開が転がって行き、
「次はこうなるのかな…」と頭の中で考えていると
すぐに実際のドラマの内容がそれに追いついて、さらに新たな展開が開けていく。
この感覚は「七剣」の時もあったかな。
これがまた快感です。
そしてアクション。
やはり
武侠ドラマといえばアクションしてナンボです。
「3〜4話に一回くらいしかアクションの見せ場がない」とか
「お互い敵同士が出会ったのに、なぜかいつも戦わずに解散」とか
そんなのは、もう、
ゴミ箱行きですね。
これまた「七剣」を引き合いに出しますが、
アレも各話に必ず一回はアクションの見せ場がありました。
この「断仇谷」も同様に、
ちゃんと一話に最低一回はアクションを入れてきます。
これがあるとやっぱりダレることなく観れるんですよね〜。
あるとないとでは大違い。
というわけでまとめると、
観る側にいかにストレスを感じさせず、楽しませるかということを
実によく考えながら作られているなーという印象です。
決してスケールの大きな話でもないし、
特別に突出したところがあるわけでもないのですが、
「当たり前のことを当たり前にやる」というのを忠実に実行しています。
そこが面白さ、楽しさ、気持ち良さの理由かな。
6、アクションはどうですか?上に書いたこととちょっと重複しますが毎回必ずあります。
そしてCGはありません。
CGも嫌いじゃないんですが、
やっぱ生身の武打は見ごたえがありますね。
そしてみんな実によく動く。

徒手・武器格闘、なんでもござれです。
レベル的に達人なキャラクターは立ち合いでもちゃんと達人に見えるからスゴイです。
さすが洪金寶監修ってところでしょうか。
「奥義」とかもない世界ですが、あんまり気にはなりません。
7、「断仇谷」ってなんなんですか?世界観についてはだいたい書きましたが、
タイトルにもなっている断仇谷というのは
その中にある「俗世間の恨みや縁を切り、政府からの干渉も受けずに
密かに隠れ住む者たちが住まう」集落です。

そういう場所ですので、住んでる人たちはみんな武術の達人です。
山賊たち、町、そしてこの断仇谷の三つの間の絡みが
物語前半のメインとなります。
8、ヒロインはどうですか?このドラマには主に三人のメインを張る女性がいまして、
まず
結婚詐欺師の母娘、そしてもう一人は
山賊の頭の娘です。

最初の二人は第一話の冒頭から出てきますが
世界観への導入という点でほとんど主人公に近いでしょうか。
その後もしばらく彼女たちがメインで話が進みます。
とにかく女二人でせちがらい世の中を生き抜く…ということで
結婚詐欺をやって暮らしているわけですが、この母娘、実に前向きです(笑)
基本的に「金、金、金、世の中全て金」なオバチャンと
「こんなやくざな暮らしは止めたい」と密かに思っている娘
この二人がところ構わず繰り広げる母娘漫才の掛け合いが見所の一つです。
やっぱり「大旗」の後だからということもあって思いますが
やってることがなんであれ、
前向きに生きてる人って観てて楽しいですね。
そしてもう一人のヒロインですが
この娘がまた良いんです。

山賊仲間の荒くれ者に囲まれて男勝りに育ちながらも
書を学んで文化に憧れ、実際頭も良くてはきはきと行動的
もちろん武功の腕もそんじょそこらの男顔負け。
後に書きますが、この娘とパパの何とも心温まる愛くるしい仲というのも見所です。
てなわけで、女性に関してはかなり活躍しているという印象ですね。
9、イケメンはどうですか?うーん…どうなんでしょうか…(^^;
主人公格の男性キャラクターは二人いまして、
一人は
断仇谷の副将(二番目にえらい人)
もう一人は
町の領主の息子です。

この副将の人は口数少なく、クールで仕事の出来る武術の達人…てな感じなのですが、
なにぶん時代や環境がそういう具合ですので
一見すると苦労人という感じです。
かっこいいんですが、イケメン…とは違うかも。
で、もう一人ですが…

こっちは前者よりはまだ整った顔立ちかも知れません。
ただ辮髪なんですよね(^^;
私は別に抵抗はないですが、
辮髪慣れしていないとちょっとつらいかも。
二人ともキャラクターとしては実に魅力的で
実際に劇中で動いてるのは格好良いんですけどね。
イケメンとは必ずしも言えないかも…
10、親爺はどうですか?これについてはバッチリです。

洪金寶のやってるこの
断仇谷の頭は貫禄抜群ですし、
ヒロインのところで書きましたが、

この
山賊の頭をやってるパパも
よくある「粗暴な山賊の親分」とは似ても似つかぬ実に良いキャラです。
この人の子煩悩っぷりには萌えます。
そして二人とも
超強いのも素敵です。
あともう一人、

8で書いた主人公の
辮髪のほうのパパも出てくるのですが
この人もなかなか味があって良いです。
11、計春華はいますか?はい、います
+++++++++++++++++++
…だいたいこんな感じか。ふう、慣れないことをやると疲れる。
これで少しは興味を持ってもらえたら良いのですが…
やっぱ結局のところ万言はなんとかに如かずといいますか
要するに「観てください!」としか言えないですね。
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今のところ(前半部分を見た限りでは)はかなりオススメです。