あらすじ洪七公は内功によってかろうじて命を繋ぐが、
その代償として内力を使い果たし戦えない体になってしまった。
黄蓉を第十九代の丐幇幇主として任命した七公は自らの打狗棒を託し
代々の幇主の間にのみ受け継がれる打狗棒法を伝授する。
一方、黄蓉を好きな欧陽克は彼女にしつこくつきまとうが、
そのせいで海に沈められて殺されそうになる。
この件で逆に刺激された欧陽克は七公を殺そうと目論むが、
さらにエスカレートした黄蓉の報復によって巨大な岩に足を押しつぶされ
身動きが取れなくなってしまった。
そこへ郭靖と欧陽鋒が流れ着いてきた。
甥を助けようと二人、そして七公を脅す欧陽鋒だが
郭靖と黄蓉、それに欧陽鋒の三人でも力が足りずに岩は動かない。
やがて潮が満ちてきた。
欧陽克の足を切り落としてでも生き延びさせようとする欧陽鋒であったが、
黄蓉の見つけた葦の枝で何とか息を継がせて翌日を待つことになった。
一晩中甥の側に付き添う欧陽鋒は水中にいるため聞こえない甥を前に
意外な事実を告白する。
何と欧陽克は欧陽鋒が若い頃に兄嫁と密かに通じてできてしまった
彼の実の息子だったのだ。
翌朝。
気が気でない欧陽鋒は黄蓉と郭靖を呼びに来るが
黄蓉は満ち潮になるまでは助けは無理だと取り合わず
日が暮れるまで栄気を養っておくようにと欧陽鋒に伝えると
郭靖と二人で浜辺に遊びにでかけるのだった。
Pick Up
こんなになっても相変わらずというか、見ていてつらいというか…T_T

今回の蓉儿は容赦がないですが
まあ七公を半死半生の身にされた挙句に靖哥哥も生死不明
オマケにこの変態と島に二人という状況では
はっきり言って彼女もいっぱいいっぱいなんですよね。

石(貝殻?)を拾ってきてあげる欧陽公子(オーヤンゴンツ)は
やはり変態だけど決して悪い奴じゃない…というか
まあ悪い奴なんだけど少なくとも叔父さんほどには黒くないというか(笑)
初登場時のちょっとだけ大物っぽかった印象に比べると
ずいぶん身近なキャラクターになったと思います。
黄姑娘と二人でこの島で外界から離れてのんびり暮らしたいだなんて
ずいぶんかわいらしいところあるじゃないですか。

とかなんとか寝言言ってると殺すわよ@@
非情に見える蓉儿ですが、洞窟に戻って直後の様子を見ると
やっぱり彼女もきついということがわかります。

この辺りの疲れきった七公は見てるのがほんとつらかった。
まあとりあえずうっかり死んでしまったりとかがなかっただけでも
まだよかったと思うべきなのかも知れませんが…


そんでまたさすがに余裕がないから七公も全般的にシリアスモードの割合が高くて
特にこの幇主継承の厳かな調子とかね…
いや、格好良いんですが…

以前、欧陽克とやりあって七公の弟子になった時に
お礼として「打狗棒なんかいらないわよ」と言っていた蓉儿ですが
まさかこうしてそれを受け継ぐことになるとは…って感じですね。
伏線として張っていたかどうかはわかりませんが
じーんと来る場面です。

いっぽうそのころ漂流中の二人
靖哥哥が漕がされてますが、まあ彼は基本的に年長者に敬意を払いますので
命令されなくてもやってるんでしょうね。


こういうスワッピング…というか普段と違う組み合わせというのは
なかなか面白いんですが、すぐに終わっちゃいましたね。
あと鮫の肉を生で食うのはいろいろとヤバイと思います@@
虫とかたくさんいそう。

打狗棒法修行中の二人

靖儿の話が出てショボーンとする蓉儿を
慰める七公の声がまた優しいんですよねえ

欧陽公子はそんな蓉儿の気持ちなど知らずに能天気
おさげを引っ張る蓉儿の仕草がかわいらしいね

ここまでおいで〜

なーんて和気藹々で油断してると…

助けて欧陽公子!
すごい顔ね@@

こんなこと言われたからには助けないわけにはいかないわけですが…
でもあんた、水に飛び込んだはいいけどいきなり「泳げないんだ」じゃ
何のために飛び込んだのよ(笑)

水中でゴボゴボいっててわかりづらいですが
要は溺れているところを短剣で殺りに行ったらしい(笑)
蓉儿、おそろしい子…@@

カナヅチの欧陽公子はこうして岩を重しにして
海底を歩いて脱出したというわけですね。
初見のときはてっきり蓉儿が石で欧陽公子を挟んで脱出できないようにしたのかと

散々な目に会いましたね(笑)
愛する黄姑娘のために真摯に頑張ってるのに報われないのは
マヌケというかかわいそうというか…
まあそもそも時と場合を考えろという話ではありますが


今回一番クローズアップされるのはこの欧陽公子なので
描写もずいぶん丁寧です。
さっきのだけでいいのにわざわざこんな場面まで入れるなんてね(笑)
でも考えてみるとこの夜の焚き火のシーンってちょっと不自然で、
この後に続く場面と繋げて考えると時間軸がちょっとおかしいというか…
まあ気にしたら負けだ。

自然の罠を発見してほくそえむ蓉儿…
今回のこの娘は小悪魔っぷりが極まってるな

動けない七公をなぶる欧陽公子
これはいただけないよ@@

欧陽公子抹殺作戦が始動
さっきのことがあるからちょっとフォローできないね

ホラ、つかまって…

ヤッタ…

キャハハハ、っていう一点の曇りもない嬉しそうなこの笑い声(笑)
この小悪魔100%な演技が素敵です。

たいへんなことになった@@

いいタイミングで駆けつけた二人

再会を喜ぶ二人の後ろで必死の欧陽鋒(笑)
いや、笑っちゃいけませんな


再会できました。よかったよかった
こういう時に純朴な郭靖って
その場にいるだけで癒されますよね。
特に七公の窮状を見てきた我々にとってはなおさら

やってきた欧陽鋒に郭靖が挑むが
初っ端から本気モードでかかってこられては歯が立ちません


代わりに打狗棒を手に蓉儿が戦う
打狗棒法を身につけたことでずいぶんレベルアップしたようです。
が、これで倒せる相手なら苦労はしないんだよなぁ。

あっさり片手でひねられる郭靖の非力が腹立たしいこの場面@@
さすがに七公をいじめる西毒はフォローできんなぁ
と気が気でない私はまだまだ甘いのかも…

七公が早く元気になってくれないと
私も胸が痛んで仕方がありません…

前のシークエンスでは思い切り憎まれ役をやっていた欧陽鋒なんだけど
甥の前では途端にこんなになっちゃうから
これまた憎みきれないというか…

また欧陽公子のほうも黄姑娘に対してはひたすら真摯だから
さすがの蓉儿も良心が痛んで早く助け出そうとか言い出しちゃうんですね。
やったのは自分なんですが(笑)

でもいざ三人で頑張って岩を押して…

グラリと行きそうになると力抜いちゃう(笑)
ま、欧陽伯伯の好き勝手にはさせられんわな
ここさりげない描写だったけどそれであってますよね?

内功であんなに海をぶっ飛ばしたり船をぶっ飛ばしたりしてたのに
岩一つコナゴナにできないのかという気もしますが
こんな風に密度がギッチリ詰まった岩石を破壊するのはしんどいのかも。

あくまでいい人の欧陽公子にたじろぐ蓉儿
欧陽公子こんなにいい奴だったのか(笑)
とても捕まえてきた念慈さんをベロンチョしてた変態と同一人物とは思えません


「海の水は毎晩潮で満ちますがなにか?」
相変わらずおばかの子
これじゃシャーシャオヅと呼ばれても仕方がないね



どこからしょっちゅう出してたのか気になってたんですが
この短剣は柄に刃が仕込まれてたんですね。カッコいい@@

やむを得ず足を切る決断を…
相変わらず甥っ子にはひたすら優しい欧陽前輩
なんでこんなに熱いのT_T

でも足を切るくらいなら殺してくれと懇願する甥を前にしのびなく…

へっ、俺?!
って感じですよね、郭靖じゃなくても(笑)

しかも自分はどうでもいいとか言ってたのに
義侠心とか持ち出してくるもんだからもう…(苦笑)

やっぱり直視できないのです。
ほんとこの人もこういうとこやたら人間臭いよね


ぎりぎりのところで蓉儿が救出作戦を考案
踏んづけて「ごめんよ」の靖哥哥
あんたこんな時にどじっ子っぷりを発揮してる場合か(笑)

間に合わないとわかると
「あの女も殺してやるからあっちでも寂しくないぞ」
とかトテモ怖いことを言い出す@@
なんかもうこの肉親への愛情とそれ以外とのギャップがすごいな。

そうとも知らずノンキに「泣いてるところを見られたくないんだよ」
とか言ってる靖哥哥は微笑ましいですが
その辺はさすが現実主義の蓉儿なのでした。

こうして敢行される救出作戦でしたが

張力が足りず失敗…
グシャリというイヤな音がイヤすぎです><

何事かを思いついた蓉儿は
すっかりイニシアティブを握って帰っていくのでした@@

ずっと張り詰めていた空気がようやく和む場面です。
蓉儿はあれでもちゃんと良心が咎めていたようですが
七公はそんな蓉儿の行いを肯定しています。
この辺、逆な気もするんだけど、どうなんだろう。
ま、悪さをできないようにしておく必要はあったから結果オーライってことか。

相変わらず

(ディエ)

言ってる蓉儿を皮肉る七公
ずっとシリアスモードでしたが
ちょっと元気が戻ってきたようでうれしいですね。

黄薬師パパのアレっぷりをもうすっかり心得てる靖哥哥も思わず苦笑

はやくおいしいものたくさん食べに行きたいですね

一方その頃
こっちはこっちでまた盛り上がってます。

桃花島で美女軍団を献上された時に黄薬師が
「鋒兄には一生を添い遂げる相手はいないが
愛情を知らぬ人ではないことも知っております」と言ってましたが、
これは暗にこのことを示唆してたのか
はたまた別にあてもなく言っていたのか
はてさて@@

この人、悪いことさえしなければ本当にいい人に見えるんですけどねえ…
白駝山で嫁をもらって、孫を作って…と語っているところでは
なんというかもう胸が勝手に熱くなっちゃいます。
さっきまであんな憎まれ役をやってた人とは思えんわ

それくらいこの夜の場面は強烈に記憶に後々まで残りました。

なんかね、そんなシーンの次にこういうのを持ってこられると
この三人組がやたら腹黒いように見えちゃうのよ(笑)
おかしいなー??

「欧陽克のことなんか忘れて楽しみましょうよー」
とか言ってる蓉儿は、まあまったく間違ったことは言ってないんですけどね。
実際潮が満ちるまでは何もできないんだろうし。

まああなたの突っ込みももっともだ。
一晩明けてみるとこの人でさえも身近に感じてしまうこの不思議

そんな欧陽伯伯の苦虫もどこに拭く風のほんわかバカップル
やっぱり周伯通のことを怒ってる蓉儿の気持ちは当然ですが
しかし靖哥哥は相変わらず良い子です。

「なんだか母さんみたいだ」
これをマザコンと呼んだりするのは現代の価値観なので却下ですが
そんなような微妙な間でまた〆となったのでした。
この島編はこれまでと違ってだいぶ腰を落ち着けたというか、
息もつかせぬ冒険の展開だったそれまでに比べると
どちらかというと郭靖の内面的な成長が描かれることになります。
のでテンポとしてはややスローダウンするのですが、
そのぶん周りのキャラクターたちの人間模様も深く描写されるので
決して退屈ということはありません。
相変わらず小悪魔な蓉儿も丐幇幇主となって成長を余儀なくされますし
おちゃらける余裕のなくなってシリアスな七公に
誰かさんのおかげで大ピンチになった欧陽鋒・克親子と
舞台は狭いながらもそれなりに密度は濃いです。
ただまあ、個人的には大好きな七公がすっかり衰弱してしまったのが悲しいというか、
ずっと不安としてつきまとっているというのはあります。前回も書きましたが。
七公をそんな風にしたのは西毒・欧陽鋒なわけでこれも上にたくさん書きましたが
この人は本当に嫌な奴で憎むべき相手なのですが、
しかしそんな彼が実の息子であった克儿へ対して向ける愛情というのもまた真実。
その情が真実であると痛いほど伝わってくるがゆえに
やっぱりこの人も憎むに憎みきれないんですよね。
結果として単純にどっちかに肩入れすることができなくなってしまうという
まあ何とも見事なものです。
欧陽公子も欧陽公子でこれも上に書いた通りいい奴になってるし。
そうなるとどうしてお互いに争いあうのか…という作品の全体を通してのテーマが
うっすらと浮かび上がってくる気もしますが、ま、これはさすがに深読みのしすぎですな。