趙の都・邯鄲は秦の大軍十万に包囲されていた。
平原君・趙勝は隣国の魏に援軍を要請し、魏は二十万の援軍を出したのだが
援軍を率いる将軍・晋鄙は魏安厘王の命により国境で軍を待機させていた。
安厘王は趙を助けることによって秦からにらまれることを恐れていたのだ。
おっさんむちゃなこと言いなさんな安厘王の異母弟である信陵君はこのことを憂いていたのだが、
安厘王は日頃から自分より名声を集め、妾の如姫にも好かれている信陵君を快く思っていなかった。
家臣の辛恒衍の讒言を受けた安厘王は
ついにある日、言葉巧みに信陵君から兵権の割符を取り上げてしまう。
この人たちはやると言ったら本当にやるからなそういうコワイことをそして趙については、「秦に降って属国となるよう勧める」ことにより
結果がどちらに転んでも秦と趙、双方に恩を売れるよう図った。
信陵君には彼を慕って集まってきた食客を三千人抱えていた。
その中の一人、候嬴は安厘王の方策を認めるが、
しかし趙を降した後の秦の矛先が魏へと向かうことを懸念する。
その心配は信陵君も同じだった。
何事かを考えた候嬴はその翌日、肉屋を営む朱亥という男を信陵君と引き合わせた。
趙は降伏を勧める魏の使者をはねのけ、秦への抵抗を続けていた。
魏王の妹である平原君の夫人は直々に安厘王へ援軍を求めて魏へ来たのだが
安厘王の考えは変わらず、信陵君らに口添えされたことで
逆に頑なに兵を出すことを拒む決意をしてしまう。
もうぜったいぜったい言うこと聞いてやらないもんね、ふーんだ!ついに信陵君は自ら趙を救出に赴くことを決意し、
そんな彼に惹かれる三千人の食客たちも同行を申し出た。
あいやー、鉄球男だよ意気揚揚と都を出ようとする信陵君一行だったが、
道ですれ違った候嬴は信陵君を無視し、
さらに別れを告げにやって来た彼を冷たく追い返した。
その心中を図りかねた信陵君が引き返して改めて問うと
候嬴は心の内を明かす。
信陵君と三千人が秦軍へ立ち向かおうとしてもそれは無駄な努力であり、
ただ人死を増やすだけだと候嬴は指摘する。
教えを乞う信陵君に対し、候嬴は兄王を殺して王位を奪うか、
もしくは割符を盗み出して国境の二十万の軍を動かすかの二つを進言した。
趙の民を救うため、信陵君は止むを得ず如姫を頼って割符を盗むことを決意したのだった。
今回の一等賞はこのカゲキなじいさまかな----------------------
・時間が前後してとても混乱したのだが、
冒頭のあらすじを読む限りではコレはBC260年の長平の戦いの後の話だが、
これは平原君が秦に行って監禁される前ということになる。
・で、魏斉は魏の宰相はやっていないっぽいので、
時間的にはスデに魏から逃げ出した後だな。
安厘王は同じ人がやっていて、老け具合からすると
笵雎の妻・雲娘が解放されたさらに後という感じだ。
・しかしどうも前章から不思議に思っていたのだが、
どうも平原君(趙勝)の役が二人いるみたいだ(笑)
一人は今回も出てきたくたびれたおじさん風の人で、
前章のその2の趙の宮廷の場面で出てきてた。
で、もう一人が前章その3で出てきた、咸陽へ来て監禁されちゃった方の
やや若いバージョン。
うーん、人違いってことはなさそうなんだけど、なんなんだろう?
なぞだ。
・信陵君や、上にも書いたけど安厘王は同じ人なんだけどね。
それにしても安厘王って、魏斉をかばってやるところとかを見ると
それなりにまともな人っぽかったんだが、
今回はえらく劣化してたな(笑)
信陵君を前にしての駄々っ子ぶりはなかなか笑えた。
今回の話は、基本的に特に誰かに入れ込むこともなく
適度に気を抜いて見ていられるから気楽ってのもあるな。
・ところで、この章のエンディングで使われてる鄭風・子衿は
以前、「趙武霊王」のその2で使われていたのと同じみたいだ。
別にあの場面のためだけってわけではなかったのね。
・あと後から知ったんだけど、候先生が朱亥を信陵君に引き合わせたあの場面って
「身分の高い人なのに、相手が一介の食客でも
辛抱強く待ちつづける信陵君の度量の広さ」を
市場のみんなにアピールしてその声望を高めてやるというのも
候先生のいうところの「今日の用事」でもあったわけなんですね。