衛鞅(公孫鞅)が去った後の魏では
天下にその名を知られる奇人、鬼谷子の弟子・龐涓(ほうけん)が将軍となり
連戦連勝して勢力を拡大していた。
国境まで迫った魏軍に戦慄する斉の国ではこれに対抗するため
同じく鬼谷子の弟子で、龐涓の師弟である孫臏(そんぴん)を召し出そうとするが、
孫臏はちょうど龐涓に連れられて去っていくところだった。
この時はまだ良かったんだが…共に力を合わせて志を遂げようと誓い合う兄弟弟子だったが、
別れに際して彼らの師、鬼谷子は
二人それぞれ別の道を行くようにと言い渡す。
つーかあんたら、こんなすごい場所でいったい何の修行をしてたんですか魏へ戻った龐涓は恵王に
自分より才能のある孫臏を上将軍にするようにと推挙するのだが、
孫臏は自分にはまだ功がないためそれには相応しくないと辞退し
代わりに龐涓をその位に推挙する。
恵王もこれを受けて龐涓を上将軍に任じた。
この沙汰に不満の龐涓は恵王に直訴しに行くのだが
恵王は功のある龐涓を差し置いて孫臏を取り立てるわけにはいかないと説明し、
孫臏を客将軍とすることで龐涓を引き下がらせた。
ギャルをはべらせ絵に描いたようなダメな王様の図しかし孫臏はそれをも辞退し、結局龐涓の食客ということで落ち着いた。
さて、龐涓は韓討伐の兵を起こそうとするのだが
孫臏は秦が西河まで迫っている危険性を指摘し出兵を思い留まらせようとする。
しかし龐涓はこれを聞き入れずに出兵を強行。
なら最初から意見なんて聞くなよ〜後に残された孫臏は師兄が変わってしまったことに沈み
思い合う仲になった龐涓の妹・英と二人でどこかへ隠棲しようと考える。
考えようによってはものすごいブラコンな台詞である案の定、龐涓率いる主力部隊が留守の間に秦は魏に軍を進め
魏の都・安邑まで迫っていた。
この絶体絶命の危機を救ったのは都に残っていた孫臏だった。
前々から高慢な龐涓を苦々しく思っていた恵王は
この機会に孫臏を代わりに兵権を統率する立場につかせようとする。
これを知った龐涓は偽の使者を用いて孫臏の兄が斉で危篤だと伝え、
彼を魏から追い払ってしまったのだった。
あ、やっぱりね@@----------------------
・自分の命とか血にかけて軽々しく誓ったりしちゃうのは
とっても危ないよ〜、というおはなし@@
・まず時代設定についてだが、
この恵王というのは、中の人は変わっているが、
衛鞅を「お前なんか知らんもんね」と言って追い出したあの恵王だ。
で、「公孫鞅(衛鞅)の改革によって秦は〜」という言及もあったことから
だいたい前章と同じ時間軸でのことだと考えられる。
公子昴が衛鞅にSATSUGAIされるのがまだ先のことだから、
恵王の老け具合から考えるとたぶん前章のその3(韓女の嫁入り)
らへんの頃の出来事だと理解しておけば良さそうだね。
・一見すると度量が大きく、兄貴分っぽい龐涓だったのだけど
実は自尊心が強く
彼が師弟に対して示してみせる度量の広さというのは
あくまで「対等の相手に対して」ではなく
自分が絶対的優位に立った上でのものだったというわけですな。
口では孫臏の才能を認めているといったものの
やっぱり深層心理では「こいつは兄貴分の俺がいなくちゃ駄目なのさ」と
ずっと思っていたかったということなのでしょう。
で、師父にもその辺は見透かされてたと。
・基本的にあんま情状酌量の余地はなさそうなんだが
(特に最後のアレは因果応報のお約束的に絶対マズい)
たぶん私は自分の性格的に龐涓にかなり近いものがあるので、
それを考えると何つーか、見てて痛々しくなると言うか
この先に待ち構えているであろうイヤな運命に
他人事とは思えず同情したくもなってしまうというか@@