楽園の瑕


1994年
原題:東邪西毒


西域・白駝山出身の欧陽鋒は故郷を離れ
砂漠で酒場を開きながら殺しの仲介人をやっていた。
そんな彼の店に訪れる様々な客や友、
その間に交錯する想いを描いたおはなし。

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えー、このBlogで説明は不要と思いますが金庸武侠小説「射雕英雄伝
その中に登場する素敵親父 五大武術家・東邪西毒北丐といった人たちの
若い頃を描いた話です。
ただし、コレ自体は金庸原作でもなんでもなく、
要はファンフィクション、二次創作の類ですね。

前評判としては「武侠映画ではない」「かなり観る人を選ぶ」「美術を楽しむ作品」
などなどを目にしておりましたので、
ある程度の覚悟はした上で観たのですが…


した上で観たのですが…(笑)



とりあえず、エンターテインメントとしては全く考慮されていない作りなので
観るならその辺は全く期待せずに観ましょう。
どういう層をターゲットにしているのかかなり微妙…というか
要は監督の自己満足の世界に近いなコレ(笑)
と思わないでもないのですが、
だからといって決して糞映画というわけでもなく…
もう少し観る人のことを考えて作ってくれたらなぁと思う場所がないわけではないですが
とは言え観終わった後に「時間を返せ」と言いたくなるようなものでもないので
これはこれで良かった。これはさまざまな人の想いと愛の話なのです。

ネタバレヌキですと
射雕英雄伝」が好きで、その登場人物が好き…という人なら
観ても良いかも知れません、という感じでしょうか。
ただあくまでこれは二次創作なので、
その辺は自分の中で割り切っておく必要はありますね。


以下、ネタバレ込みで↓



・なんつーか冒頭からいきなりレベルの高すぎる殺陣(笑)にさっぱりついて行けず
その後のシーンの構成も監督の電波が全開だなーと
ニヤニヤしながら観ていたのですが、
でも意外とそこまでアレでもなかったですね。
というのがあとのほうになってやっとわかった。
コレは何度も繰り返して鑑賞する必要があるようなタイプの映画だな。

・とりえあずまとめると、
0、馬賊が村を襲っている
という土台があり、

1、二重人格女の話
2、盲目の剣士の話
3、洪七の話
4、白駝山の兄嫁の話
という四本の短編があって、
その中でそれぞれが有機的に繋がっているという感じか。

卵女は馬賊をやっつけてもらいに欧陽鋒の店にきたけど
金がないから仕事をしてもらえない。

欧陽鋒は卵女に体を売れば仕事の話をつけてやるぜと言うんだけど
結局卵女は洪七に惹かれて
欧陽鋒はその二人に嫉妬した。
これが3の話。

・124については
欧陽鋒:
兄嫁に惚れたんだけど「愛してる」と言わなかったので
駆け落ちしてもらえず、
白駝山を出て砂漠に来た

黄薬師:
親友(=盲目の剣士)の妻を寝取ってしまったために盲目の剣士とは決裂した。
酔った勢いで二重人格女に色目をつかったために惚れられたけど、本人には別にその気はなかった。
実は欧陽鋒の兄嫁が好きで、毎年欧陽鋒を訪ねてきていたのは兄嫁に会う口実のためだった。
兄嫁が死ぬ時にもらった酔生夢死ですべてを忘れた。

盲目の剣士:
黄薬師に妻を寝取られた。
その後、妻に会いに行く旅費を稼ぐために
馬賊と戦って死んだ。

欧陽鋒の兄嫁:
実は欧陽鋒を好きだったんだけど「愛してる」と言ってもらえなかったので
欧陽鋒の兄と結婚
あとから自分の気持ちに気付いた。


こんな具合か。
特に↑の四人がやたら絡み合うから相当ややこしいね。
二重人格女が後に独孤求敗になった…なんて話は
もうあそこですっぱり終わったので、別に意味などぜんぜんなかったのだ。

要するにこれはさまざまな遂げられぬ愛の話だったのでした。
最初から「武侠映画」としては観ていなかったので、
別にアクションがないとかプロットが武侠らしくないとか、
そんなことには不満は特にありませんでした。


・話としては悪くないんだけど、
でもやっぱこれをそのまんま射雕英雄伝につなげるというのは
自分の中では抵抗があるね。
最初に「割り切る必要がある」と書いたのはそういうことなんですが。
なので、あくまでパラレルワールド的なものというか
要するに深くつながりとか、全く同じ人物とか考えないほうがいいな。
特に七公は「自分で食指切った」というアホな話が好きなのでね…
まあそんな狭量なことは言わずに、
「タマゴが欲しくて」というのを口実に女への想いを遂げたってのを
後に冗談めかして自分で言った…てな解釈も
できるといえばできるのかも知れませんが。

・でも砂漠のあんな真っ只中で
何日もずっと持ってたタマゴ
絶対腐ってると思うんですけど…(笑)

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コメント

この監督の映画は音楽と映像美を楽しむためにあると思ってます。金庸の原作に対するオマージュ的作品なのかなぁ?

この映画があまりに撮影が長引くので仕方なく1週間で作った同じキャスト使った「大英雄」という古装コメディは抱腹絶倒で面白かったです!
by: ぱお * 2007/10/23 00:14 * URL [ 編集] | page top↑
>ぱおさん
>音楽と映像美
各所で感想を散見してみてもだいたいそんな感じみたいですね@@
題材的にはもうちょっと娯楽性を出してみても面白く作れそうな感じはしたんですが…

>大英雄
そのようで(笑)
こっちも一緒にDVDを借りたので、次に鑑賞予定であります!
by: Manbo * 2007/10/23 00:42 * URL [ 編集] | page top↑
大失敗の傑作
 色々意見がありますが、大失敗の傑作ですね。 「大英雄」と表裏。 両方交互にみると面白かったですよ。
>という四本の短編があって、その中でそれぞれが有機的に繋がっている・・・
 金庸先生が天龍八部でやろうとして、まとめ切れなかったことを、カーワイも「やってやるぞ」と挑戦してやはり挫折・断念。 というところでしょうか。 アン・リーだとあっさりやってしまいそうですが(笑)
 独狐求敗のところは、どんな監督も「ネタ」としてつかいたいんだなあと金庸の偉大さを改めて感じました。
 でも個人的にはこの映画の俳優さんたちは「個」の魅力が最大限に出てると思います。
by: Mario * 2008/05/04 09:24 * URL [ 編集] | page top↑
>Marioさん
>大失敗の傑作
そうですね、まさに「好きな人はすごく好き」という映画だと感じます。
そういえば天龍八部もそういう構成でしたっけ。
実はまだドラマも原作も未見/未読なので、
その時が来たら意識してみることにします。

>「個」の魅力
これは確かにそうですね。
初見の時にはまだほとんどそういう下地がなかったので、
たぶんそこそこ顔を見て来た今、改めて鑑賞したら
また違った見え方がするかもという気がします。
なにぶん、こういう映画なので「改めて鑑賞」しようというところまで行くのに
時間がかかりそうなのが厄介ですが(^^;
by: Manbo * 2008/05/04 17:02 * URL [ 編集] | page top↑
>まんぼさん
ついに見てみました。
相当シュールですよね。

大英雄がハジけてくれていたので、これはこれでいいと思えるんですが単品で見たら複雑な気分になってたと思います。

そう考えたら完全にセットものなのかもしれません。
これはこれで雰囲気は楽しめました。

あと、あのタマゴのヤバさには激しく同意です。
by: だーろん * 2009/06/18 12:31 * URL [ 編集] | page top↑
>だーろんさん
>完全にセットもの
そうなんですよね。
あっちがアレだけイカれてるからこそ
こっちでクソ真面目な顔してやっているのが可笑しいし、
逆もまた然りです。
面白いかつまらんかというと「微妙…」なのですが
たぶん意図されていないところで、そういう副次的な面白さはありますよね。
卵は、昔ニワトリを飼っていたので、長い間放置するとどういう臭いになるか、
実に想像に易いのでした@@

ところで、別にぜんぜんどうでもいいことではあるんですが、
コメントのタイトルに私が毎回「>(名前)さん」という体裁を取っているのは、
お客様に対して、ブログ主からの返信、という意味です。
ですので、皆さんからコメントをいただく場合というのは、
普通は、デフォルトでたぶんブログ主である私Manbo宛てということですから、
わざわざタイトルに毎回付けていただく必要はないですよ(^^;
いや、まあ本当に、どっちでも良い話ではあるのですが(^^;
by: Manbo * 2009/06/18 22:53 * URL [ 編集] | page top↑

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