第十二集 也逐(イェスイ)・也速干(イェスゲン)を妃にする◎できごと1202年テムジン40歳
タタールを討った宴の後に酒に酔ったテムジンのゲルへ
カダアンの差し金によりチラウンはイェケ・チェレンの娘イェスゲンを送り込む。
彼女をカダアンと思い込んだテムジンはそのまま一夜を共にし、
そして夜が明けてから改めて彼女を見初め、妻にすることにした。
さらにイェスゲンの姉イェスイをも娶り、イェケ・チェレンを舅とする。
テムジンは父イェスゲイの遺言通りに
タタール人の成人男性を皆殺しにしようとするのだが、
ベルグテイからイェケ・チェレンに計画が漏れたためタタール人は抵抗。
多くの損害を出すことになる。
なおも初志貫徹しようとするテムジンであったが
イェスイ、ジギクドクウらに道理を説かれ
さらにイェケ・チェレンの自害によってついにタタール人の助命を決める。
テムジンの帰りを待つボルテは先に遣わされたムカリから
テムジンが二人の妃を迎えたことを聞かされ嘆くのだが、
すでにどうしようもないことを知り、心を殺して涙するのだった。
◎かんそう・スゲエなコレ@@
へべれけテムジンがほのぼのホームドラマをやっていたかと思えば
突如として鎌首をもたげる復讐話で無茶苦茶ヘビーな展開に叩き落され
さらにいろいろあって何とか解決し
まったりと男の弱さみたいなアホ話になったかと思えば
今度は一夫多妻制の現実を突きつけられまたドカーンと落とされるという…
アップダウン激しすぎてクラクラする@@
これもここまでじっくりと描かれてきた
草原部族の苛烈さという下地があるからこそなんだろうなー。
・今回の件は、当時、つまり劇中の人間としても相当キツイことなわけで、
その辺はカサルやベルグテイの反応を見てもわかる。
まして現代を生きる我々にとっては
そりゃいくらなんでもヤバイよというくらいに強烈な所業であり、
すでに双方にたくさん死者を出してしまった時点で十分に
この先テムジンを主人公として許容していけるだろうかということについて
かなりきわどいラインまで来てたと思うんだが、
すんでのところで劇中できちんと間違いが正されたのは
何とか一安心…というか
まあそれでこそ、という感じだ。
・とりあえず一番責任があるのは
はた迷惑な遺言を言い残したイェスゲイということで。
ほんと、考えれば考えるほどこの親父はロクなことしてねーな(笑)
・それはそれとして、ボルテのことを考える余り
たじたじのテムジンはかわいかった。


みんなで地面に座ってグルリと輪になってる様子は
なんか見てるだけで楽しくなってしまう。
そしてこういうことになるとサッパリ役に立たない駄目な連中の中
鉄の男ムカリはやはり異彩を放っていたな。
・一人の男がたくさんの妻を持つというのは、
これもまた現代人のワレワレの感覚からすれば
ちょっと…という感じのものであるのだけれど、
逆に「当時なら別に普通なのでは」という風にも考えてしまうんだよね。
今回のボルテの件は、まあ人によって違いはあるかも知れないけど
少なくともこの場合、やっぱり女として悩むことなのだなーということが実感でき
とても感慨深いものだった。
制度として、普通に常識の中に存在している以上、
個人の気持ちがどうあろうと、どうしようもないんだよなぁ。
コレはテムジンが悪いというものでもないし。
◎簡単に人物まとめ・テムジン
今回はほんとうにいろいろなイベントが起きたが、
報復という鎖に縛られた情け容赦のない征服者としての顔と
妻への愛と自分の欲求の狭間で悩む何とも情けなくも愛らしい男という
まるで異なる面がきちんと演じ分けられているというのはやはりスゴイ。
単なる完全無欠の英雄ではなく、
一人の人間として悩み葛藤するところにやはり魅力があるんだよなー。
・チラウン
チラウンはやっぱりソルカン・シラさんの息子だなーと
納得の一場面であった。
・ジェルメ
気がついたらいつの間にかテムジン軍団の表のトップになっていた。
まあ立場上ってことはあるのだが、ずいぶん出張ってるなという印象で
時には鬱陶しく感じたりもするのだが、
いいキャラクターであることには間違いない。
・スブタイ
兄貴に比べると出番がやや少ないのだが
この兄弟は並んで立ってると特に
スブタイのチビっこさが際立って微笑ましいね。
・ゴルチ
お目付け役のジェルメに女を連れて行かれスネていたゴルチは
前々回の一件といい、いつの間にかアイヤーアイヤー アイヨーが口癖の
三枚目キャラクターとして定着していた(笑)
こやつは他のナカルや親衛隊軍団とはやっぱりどこか違っていて
テムジンに心酔している…というわけでもなく、
自分の力を十全に発揮させてくれる君主として認めているからこそ
テムジンに付いて行っているんだよな。
やっぱこいつが一番好きだ(笑)
・ボオルチュ
堅物のボオルチュがこんな風にタジタジな様子は
実にかわいらしいのである。
そういや最近はみんな鎧を着るようになったな。
・ムカリ
鉄の男ムカリ
すいません、この場面は爆笑してしまいました。
淡々と喋る様子がやはりムカリだよなーと納得してしまう。
今回のこのイヤな役はムカリ以外には有り得なかったな。
・ダリダイ
フチャルとアルタンが追放されたため
独り身になってしまったダリダイ叔父上は
まるで帰りの会で吊るし上げられるかのように
追い出されてしまってさすがにちょっとカワイソウだ。
信賞必罰は確かに大事なこととはいえ
もうちょっと面子とかを思いやってあげても良いと思うんだけどね@@
・モンリク
曲者ぞろいの年配軍団の中でも
このモンリク父さんとジュルチェディ叔父は
例外的に信頼度がバツグンに高いのである。
(と言っても、他はアルタンとダリダイだけだが。)
そういえばイェスゲイの最期の場面でも後事を託されるくらいに
イェスゲイとの仲は深かったんだよなぁ。
・ココチュ
で、その息子(笑)
ここで面白いのはココチュが本当に死者の魂を降ろしたかどうかではなく
いくらなんでもアレな残虐行為に手を染める前にテムジンが
その気持ち的な後押しをもらうべく儀式を行った
とも取れる描写であったということだね。
・ベルグテイ
結構過激派な印象があるベルグテイだが
意外とまともなバランス感覚も持っていたらしいということが判明…
というより、今回はさすがにテムジンのやろうとしたことが
アレすぎたというだけか。
しかしメルキト人の捕虜殺しって
ずいぶん昔のことを持ち出されてしまったな(苦笑)
・カサル
いつの間にかカサルは三人も息子を作っていた。
ってまあ、考えてみれば当たり前のことなんだが。
それにしても「射雕〜」でトゥルイをやってた時も思ったけど
本当に髪の毛サラサラだな〜。
・ジギクドクウ
すっかりおかしくなっちゃったテムジンを諌めるこの子
まさかこんな重要な役割のあるキャラクターだとは思わなかった@@
・イェスイ(写真左)
・イェスゲン(写真右)
気が強いほうが姉で、おしとやかなほうが妹ね。
それにしても今回のテムジン相手にたんかを切る場面は素晴らしかった。
明らかにこっちのほうに理があるだけにね。
いくら過去から続く怨讐があるからって、
二人も迎えた妻の血族を虐殺しようだなんてどうかしてるよ。
・イェケ・チェレン
どうもこの人に限らず、タタールの人は
最期の時になると株がうなぎ昇りになる傾向があった。
今回はテムジンがおかしくなってしまっていたのが原因ではあるのだが
やはりけじめはけじめとしてつけておく必要はあったのかな。
まったく業の深いことです。
・ボルテ
ボルテは頭が良い女性なだけに
こういうことも頭で先にわかってしまうんだよなぁ。
実に見ていて不憫な場面ではあったのだが、
いつかは通過しないといけない道であった以上は仕方がない。