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というわけで、やっぱこれだけ総話数が短いとサクっと行きますねー。
全20集の武侠ドラマ『関西無極刀』でした!
8月の五覇崗以降、コンスタントにドラマを観る生活スタイルを割と心がけていたのですが、
その甲斐もあってちょうど2週間で終わることが出来ました。
「短いからすぐ終わる」ってのも鑑賞モチベーションを比較的高く保てた一因かも知れません。

ドラマとしては、張紀中プロデュースということで一定の品質は期待できるかな…と思っていたんですが、
考えてみたら張紀中って『永楽英雄兒女』みたいな
どうしようもないアレな作品も撮ってたんですよね~(^^;
だからあんまり何かの保証にはなっていなかったのかも知れないというのは
後から気付いたんですがw、

さておきこの『関西無極刀』は悪くなかったです。
元になった映画『双旗鎮刀客』からおおまかなキャラクター名と舞台設定だけを流用し
(これはめりけんでいうと映画『スリーピー・ホロウ』とドラマ版『スリーピー・ホロウ』の関係みたいな感じですね)
一般庶民の命が沙漠の砂のように軽い、唐代のサツバツとした江湖の世界がぞんぶんに描かれていました。

全体の尺が二十話と短めなので、割とサクサクと話が進んでいくのも良いことです。
これはどうしても一つ前に観ていた『流星胡蝶剣』と比較してしまいますが、
ちゃんと一話観終わって話が進んでいるというのが実感できるのは良いことだと思います(笑)
見終わって振り返って「今回何やってたっけ?」ってなることは基本ない(笑)

キャストも豪華で、おなじみの顔がたくさん出てくるのは目に楽しいです。
制作は2003年なので、だいたいその頃のCCTVまわりの古装に出てくる人はかなり出ている感じ。
やっぱこの頃がいちばんドラマ制作的に良い時期だったんじゃないかなーと
(私の少ない鑑賞経験からですが)つくづく思います。

物語はかなりしっかりと作られており、ある種文芸作品的と言っても良いかも。
見た目は武侠モノの皮を被っているですが、
『偶然』
『行き当たりばったり』
この辺のキーワードがことのほか少なく、
ストーリーは計算された話運びで物語としてのテーマを徹底して描いて行きます。
武侠モノのお約束を踏襲するようで微妙に三歩くらい外したラインで物語が進んでいくので、
その辺を期待すると肩透かし感があるところはあるかも。

てな感じで、ネタバレなしでまとめると、
全二十集という短めな尺ながら(というより、短いからこそ?)
しっかりと人物や物語が描かれており、
また武侠ものでありながら、ある意味において"アンチ武侠もの"的な側面もあるため、
なかなか見ごたえがある作品でした。
変化球ですが、たまにはこういうのも有りだと思います!




↓以下ネタバレ込みで






・ストーリー
☆☆☆★

主人公たる孩哥がとにかくふがいない! 役に立たない!
「沙里飛殺す」しか言わない、突撃ムーブしかしない!

ということで正直鑑賞中はかーなーりーストレスが溜まっていたのですが、
ただまあ、大結局のとこにも書いたとおり、
『刀客にならない』っていうのを一貫させるという点では
「仕方がない」んだよな~(^^;というのも、最後まで観れば納得できてしまうだけに、
これはこれで正解だった、と認めざるを得ません。

まさにEDの歌詞にもありましたが、
刀がなければ血(流血)もなく、殺(争い)もない
をちゃんとやり遂げたということなんですね。

ただまあ、ちょっとそれを表現するために
沙里飛(クズ)があまりにもアレだったり、
で、しかもその沙里飛がドラマ内ではそこまで極悪人であるような認定を受けていなかったっぽいあたりを考えると、
引っかかるところではあります。

ここは好みの問題になりますが、
単純に、「観てて楽しかったかどうか」というのもあるのよなー。

楽しかったかどうかという点で言えば
主人公があまりにも主体的に物語を進めなさ過ぎる
主人公と関係の無い、力が及ばないところで物語が進みすぎる
というのも、ちょっとどうかなというところ。


二十集なので
風呂敷サイズ的には妥当だったと思います。
広げすぎずにきちんと畳んだのは評価できる。
とはいえ、無いものねだりではありますが、スケール感がちょっと小さかったな、という思いは
やはり否めないところ。

あとセット的にも
せっかく長安にまで来たりしてるのに、ぜんぜん都に来てる感がなかったりするのは
予算の問題とはいえ、もうちょっと頑張ってほしかったかな。

あとは話が動くことは動くんだけど、
一箇所の拠点に留まってからなかなか先へ移動していかなかったりとか、
そういうもたつき感を感じることは何度かあったか。


総じて、思い返してみると鑑賞中はいろいろ引っかかったり
愚痴りたくなったりすることはあったんだけど、
まんまと「終わりよければ全て良し」でまとめられて騙されてしまった感はあるかな(笑)
それくらい最後の〆をうまくやってのけられてしまいました。




・音楽
☆☆☆

これは正直、ちょっと評価しづらいんですよねー。
というのも、同プロデューサーが同じ年(2003)に金庸原作の『天龍八部』を撮ってるんですが、
このドラマの音楽はかなりの部分があっちの使い回し(同時期なので、逆もまた然りと言えそうですが)らしいんですよねー。

らしい、というのは、自分はまだ『天龍八部』を観ていないので、
その判別がつかない、ということなんですが。

なので、あくまでこのドラマ単体においてということなら
音楽は決して悪くはなかったと思うんですが、
そうした使い回しとか込みで考えると、なんとも言えないところ。

とはいえ、一番最初にも書きましたが
EDは大好きなモンゴル歌手・てんげるが歌ってるので好きだったし、
実際歌詞の内容もこの物語を表しているのでとても良かったと思う。

※ただ、歌詞の日本語字幕はあまりうまくないよね。
たとえば「有情有愛有花~」なんかは「友愛の美しき花」って字幕出てたけど、
「情があり、愛があり、花がある」でいいジャン、みたいな。




・アクション
☆☆☆★

ストーリーに書いたように
主人公がアクションを基本やったらいけないという物語の構造なので
見せ場はかなり限られていたワケなんですが、

それでも他の主要人物がバトルをするシーンはたびたびあったし、
その辺はさすがこのプロデューサーというべきかな。見せ方を心得ている。
なかなか見ごたえありました。

ただまあ、やっぱアクションで最もスカッとするのは
戦っている人物とシンクロして「うおーっ!」ってなるところであって、
そういう点ではけっこうな回数アクション場面で出張っていた沙里飛が
ゴミクズだったということで感情移入が著しく阻害され、
本来そのアクション場面で期待されるカタルシス値が無駄になっていた
というところも少なからずあったのは
たいそうもったいなかったと言えよう。




・キャラクター
☆☆☆

これはおおむねきちんと矛盾なく描けていた。
最後の最後(王大人を追い詰めるあたり)で
とつぜん孩哥が賢しくなっていたのはさすがに突っ込んだがw、
それ以外のところでは田舎の朴訥なガキンチョが
江湖の荒波にもまれまくってちょっとずつ大人になって行くというのを
それなりに描けていたと思う。
まあ一時期、沙里飛の顔を見るたびに脊髄反射で殺そうと突撃するとかは
正直、かなりアレだった
が。
…あれ? キャラクターの成長とかあんまり描けてない?

まあ、おおむねよかったというか、
展開の都合でキャラがブレブレとかそういうことはなく、
みんな良い意味でシンプルに自分に割り当てられた役割をやっていたので、
魅力的かどうかとかそういうことはとりあえず置いておいて、
描写自体は問題なかったのではないかと。



で、魅力的かどうかという話で考えてみると、

・孩哥…最後の大結局まで見てようやく納得できるという感じ。それまでの道中は見ててイライラやもどかしさ、ガッカリが募るばかり

・好妹…大結局まで見てもちょっと良いところが見当たらないというか、あまりにも守られキャラのまま過ぎた。成長が見受けられない。ガッカリ

・大遊侠…ダメ大人っぷりはモヤッとすることはあったが、最期の意地の通し方は格好良かった。そのぶん↓のクソっぷりが際立ったんだが。

・沙里飛…ガチクズ。無理。

・王大人…悪いおじさんは嫌いではないし、中の人も嫌いではないんだが、結局「皇上を暗殺してどうしたいのか」というところがいまいちよく見えなかったというか、あくまで「皇上暗殺を企む悪い黒幕」というロールを演じただけで、それ以上の厚みがない、ある意味薄っぺらい描かれ方だったかも知れない。

・一刀仙…鳴沙山あたりの出来る人っぷりはちょっと良かったんだけど、思い返せばアレ以来、特に何もやってないまま話が進んでしまっていたような… この持て余され感。あと中の人は(演技力云々は抜きにして)(主に年齢的な意味で)もうちょっと違う人で良かったのではなかろうか。

・王準…こういうダメキャラは案外嫌いではないかも知れんw 杜楚臣との主従漫才は愉快だったし、考えてみるとオトン(ラスボス)にトドメ刺したのは結局こいつのせいだよなw

・智玄…寺ごと全焼させたり、世を忍ぶ立場になったはずなのに堂々と瓜州で薬売って有名になってしまったりと、いろいろしっかりしてるんだか抜けてるんだかよくわからない人だったw

・梅娘…途中でも何度か書いたけど、完全に悪い男に引っかかって身を持ち崩すダメな出来る女パターンだった…


…うん、まあ、
やっぱ「これは!」っていうような飛びぬけたのはいなかったけど、
人物の魅力で話を動かすわけではなくて、話のほうが主体になって動くドラマだったから
そこは仕方がないといったところかな(^^;

刀客にあこがれていた少年が
まさにそのあこがれていた世界の恩怨、ものすごいドロドロを見て、
その荒波の中で揉まれて、何度となく溺れそうになったんだけど、
様々な見知らぬ人たちの善意に助けられて何とか生き延び、
最後に自分なりの答えを出して出発点であった双旗鎮に帰ってくるというのも、
「ゆきてかえりし物語」の典型にきっちり乗っていて、
で、出した結論も納得が出来るものであったし、
そこをいちいち言葉でこまごまと語らせないというのも
野暮ったさがなくてよかったと思う。


 
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